中国飯店 |
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食事も終りに近づいたのにまだ紹興酒が大分残っていたので火腿を肴にしようと思って、中国ハムをお願いしたところ出てきたのは鎮江肴肉(豚すね肉の塩漬けハム)でした。 そこで、私があの大根パイに入ってるやつですよとマネージャーに言ったところ直ぐ話が通じて出てきたのが上の写真の薄片火腿です。 ここのものはさすがに質がいいですね、五月の連休(98年)に台北のリッツランディスの天香樓で食べたものの上をいっています。
さて今回はここのマネージャーにお願いして上海の家庭料理をテーマにコースを組んでもらいました。 その時ついでに砂糖と味の素は控えるようにお願いしたところ色々と工夫をして料理を作ってくれました。 まず最初に出た前菜では味を良くする為に鮑の薄切りがまぶしてありました。
鹹菜毛豆は上海家庭料理の定番ですが、最近では横浜中華街の桃花とか新大久保の富翁とかメニューに載せている店が結構増えてきたようです。 毛豆は枝豆のことですが、写真を見て判るように火の入れ方がいいですね。 やはり、野菜料理の命は火の入れ方です。
春菊と豆腐干の微塵も台北の天香樓で同じようなものが出てきました。 天香樓ではさすがに春菊ではなく雪菜(シェリホン)を使っていましたが、これも中国飯店の勝ちですね。 火の入れ方が絶妙で見たところ鳥の餌にしか見えないこの料理が私達をこれほどまでに感動させるということはやはり並ではないということなのでしょう。
干貝炒腐皮、つまり干し貝柱と湯葉で作るこの料理には味の素も砂糖も不要ですね。 何も言うことはありません。
家常豆腐、これは思いっきり上海っぽくしたいなら土鍋煮にしたほうがいいでしょう。 上海人は家常豆腐[保/火]が結構好きですからね。 でも、ここでもちょっとした技が使われていて揚げ豆腐の中が蜂の巣のようになっていました。
もうコースも最後に近づいたころスープ餃子のようなものが運ばれて来ました。 何だろうと思って一口齧るとゼラチン質の言葉には出来ないほどの美味が口の中に広がります。 これは見た目はただのスープ餃子ですが丸ごと一匹のスッポンを使ってそれの美味しい部分だけを寄せ集めて作ったとても贅沢な料理なのです。 しかし上海人は粋だねー。 まるで地味な家庭料理のような顔をしてとてつもなく贅沢な料理を放り込んでくれる・・・。
炒絲瓜(ヘチマの炒め)で料理はお終い。 あとは寧波湯団子とかのデザートでしめです。 寧波湯団は胡麻餡の白玉団子を金木犀の花びらの砂糖漬けを浮かせたほんのりと甘い透明なスープに浮かせたものです。 いろいろと入っているものもあるみたいですが私はこのシンプルなやつが好きです。
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住所 | 東京都港区芝5ー13ー18 |
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電話 | 3798-1381,2,3 |
営業時間 | |
お勧め料理 | 蘿葡絲酥餅、寧波湯団、里芋の葱炒め、干し貝柱と干絲のスープなど |
取材日時 | 1998年 |