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中華市場 店内風景
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店内風景2
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根津のしっとりとおちついた雰囲気の中で久しぶりに、本格的中華の宴会です。今回の会場(というほど大げさではありませんが)中華市場は根津神社入り口の四つ角を根津神社と反対側の方向にちょっと入ったところにあります。なぜかこの店の雰囲気がこの町にしっくりくるのにはちょっとおどろかされます。
今回のメニューは上海家庭料理に四川料理を加えて組んでいただきました。もともと、上海と四川は長江(揚子江)の上流と下流に位置しますので料理にも共通のものがいくつかあり、お互いに親戚関係の料理とも言われています。
さて今回のメニューは冷菜、熱菜、点心として以下の内容となっています。
冷菜
香菜牛肚、蛋黄鶏巻、蘿蔔絲、冷拌茄子、蝦皮拌芹菜
熱菜
粉蒸牛肉、油醤毛蟹、干焼桂魚、米見(草冠です)、水煮肉片、黄花菜焼冬瓜、炒四喜、甲魚湯
点心
紅油水餃、糯米焼売、杏仁豆腐
まず冷菜からいきますと、香菜牛肚は蜂の巣と香菜の和え物です。蛋黄鶏巻は塩卵の黄身を鶏肉に巻いたものです。蘿蔔絲は中華風大根サラダといったところです。冷拌茄子は茄子のあえものです。
蝦皮拌芹菜はセロリと桜海老をの和え物ですが、こういった海産物の干物のたぐいの独特の臭みを生かした料理は楊さんのような上海人の得意とするところです。もっと厳密に言うと寧波、紹興系の料理人のお得意です。
冷菜
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香菜牛肚(奥)と蛋黄鶏巻(手前)
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蘿蔔絲
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冷拌茄子
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蝦皮拌芹菜
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次に熱菜ですけど、粉蒸牛肉は山椒、唐辛子などを混ぜた米の粉でまぶした牛肉を薫り高く蒸しあげた代表的な四川料理です。麻婆豆腐に続いて、水煮牛肉なども最近の日本では市民権を得つつあるようですが、この粉蒸牛肉なども日本人にもう少し迎え入れられてもよさそうに思うのですが・・・。
油醤毛蟹はお餅が入っているので毛蟹炒年[米羔]と言い換えてもよさそうです。秋に食す上海蟹も今の時期はまだ小さいのでこのような食べ方が一般的です。上海人に言わせると毛蟹の味を吸ったお餅の味が最高なんだそうです。
干焼桂魚はマンダリンフィッシュ(桂魚)のピリカラ煮といったところです。この魚は中国の淡水魚の中でもっともおいしいといわれています。
米見(草冠です)は日本ではヒユですが上海ではミシと呼ばれています。青いものより赤っぽいものを珍重します。
水煮肉片は豚肉のスパイス煮で水煮牛肉の豚肉版です。
黄花菜焼冬瓜は黄花菜(金針菜)を焼冬瓜と取り合わせたものです。金針菜は一般的に乾燥したものを売っていますがこういった生(?)っぽいものは珍しいですね。また、乾燥したものはバナナの皮から作る代用品だなどとのうわさがあります。
炒四喜は野菜のいためです。独特のテリの在る仕上がりでご飯にとてもあいそうなお味でした。
甲魚湯はすっぽんのスープです。これにも黄花菜がちらしてありますね。これはユリの一種の花びらで河北産のものが有名だそうです。またこれの若葉を食べると酔ったようになり憂いを忘れるといわれています。
熱菜
次に点心ですけど、紅油水餃は四川風の辛い水餃子です。
糯米焼売はもともとは揚州料理で粽の中身をシュウマイの皮で包んだようなものです。
点心
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紅油水餃 |
糯米焼売 |
最後に一緒に食事をしたかたのコメントです。
「楊さんの、この「小股の切れ上がったような、でもはかなさがある」前菜群と、香酢とたっぷりの山椒をきかした「骨太な、でも優しく柔らかい」メイン群の流れが二重構造の献立が面白かったです。」
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鹹菜豆瓣酥
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おまけ
何か食べ残したような気がしていたのですが、翌日また中華市場に行ったときに思い出したので注文してみました。
鹹菜豆瓣酥はソラマメから作る上海家庭料理の定番です。でも、これ台北や日本で何度も食べているのに、本場上海では未食なんですよ。なぜなんだろー?
基礎データ
住所 |
東京都文京区根津2−29−3 |
電話 |
03-5832-4787 |
営業時間 |
午前11時〜午後3時、午後5時〜11時半 |
お勧め料理 |
上海家庭料理、四川料理など |
取材日時 |
2004年7月 |
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