君たちは上海料理を知っているか2

蟹粉炒粉皮


さてまたまた偉そうなタイトルですけど酔仙楼での上海料理宴会報告の第二弾です。 前回はここの楊さんと首つき合せて料理の選択をしましたが、今回は私が前もって用意したメニューを渡してお願いいたしました。 ほとんど問題ないとのことでしたが、上海家庭料理を代表する湯である「[月奄]篤鮮」だけは却下されました。 乾燥した笋を使えば出来ないことはないがやはり一番美味しいのは四月ぐらいに生の春笋を使ったものなのだそうです。 そういえば以前4月ごろに中国飯店で宴会をやったときにはこの生の笋を使ったバージョンが出てまいりました。

ところで宴会の菜譜ですが、まず前菜は蘇州の家庭料理から脆嫩蘿蔔絲と酒菜の二品を選択しました。 脆嫩蘿蔔絲は中華版大根サラダといったところであっさりしたしあがりになっています。 酒菜は野菜を紹興酒につけて作る一風変わった冷菜です。 陳皮、山椒などがアクセント加え複雑な味わいをかもし出しておりなかなかにいけてました。

酔鶏は三黄鶏を指定したのですが楊さん(ここのチーフ)の説明では三黄鶏がなかったので老鶏を使ったとのことでした。 そのためか鶏は硬すぎるし変な臭いもしてこの店では珍しく大はずしとなりました。 他のものが総て水準以上だったことを考えるとちょっと残念です。

什錦干絲は揚州名菜です。 蟹カマボコが使われているのはご愛嬌ですがここの干絲はなかなか良いものが使われています。 良い干絲を食べると体調が悪いときでも食欲がむらむらとわきあがってくるから不思議です。

椒鹽牛蛙はこの店の名菜椒鹽排條の豚肉を食用カエルに替えてもらったものです。 からっとした仕上がりはさすがです。

蛤蜊燉蛋はハマグリの茶碗蒸です。 中には貝殻つきの小ぶりのハマグリがどっさり入っておりました。

[魚善]筒焼は田ウナギと豚の角煮をとり合わせた料理です。 でもこの田ウナギずいぶんと大きいですね。 揚州あたりで長魚などと呼ばれているやつでしょうか。

蟹粉炒粉皮は上海蟹の味噌と卵で粉皮(板ハルサメ)を炒めた料理です。 蟹の味噌がしみた粉皮の味わいがすばらしく、本日の一番のヒットとなりました。

薺菜炒年[米羔]はナズナとお餅の炒めです。 さっぱりとしたナズナの味わいとお餅の歯ごたえが嬉しい一品です。

蘿蔔絲酥餅と上海粽子の二品は上海大飯店にお願いして事前に運んでもらいました。 酔仙楼は料理は一流ですがやはり点心類が弱点となっているのでそれを補強するための処置をこうじてみました。 先週上海大飯店にうかがったとき偶然にここの社長さんが出ていらっしゃったのでお願いしておいたのですが本当に持ってきてくれるとは感激です。 蘿蔔絲酥餅は特別製なのでしょうかお店でいただいたものよりたっぷりと金華が使われていました。 しかし、やはり特筆すべきは上海粽子の味でしょうか。 こなごなに砕かれた米が使われておりねっとりとした食感は格別です。 一緒に食事をしたかたたちの受けも上場でした。

四川蛋湯は四川風の卵スープです。 上海の家庭では寒い時期には子のような料理を食すのでしょうか。 辛さは控えめですが良い出汁が出ておりからだも温まる良い湯だと思います。



脆嫩蘿蔔絲(左)と酒菜(右)


酔鶏


什錦干絲(左)と椒鹽牛蛙(右)


蛤蜊燉蛋(左)と[魚善]筒焼肉(右)


蟹粉炒粉皮(左)と薺菜炒年[米羔](右)


蘿蔔絲酥餅(左)と上海粽子(右)二品とも上海大飯店提供


四川蛋湯



基礎データ
住所台東区上野4-5-9 三州屋ビル3階
電話03-3837-6648
営業時間午後5時に開店するようです。多分全天営業(最近では昼もやっているようです)
お勧め料理上海料理(家庭料理、宴会料理)、四川料理など
取材日時2000年10月




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