TACバンブーロッド製作教室
教室オープンから多くの方がバンブーロッドビルダーとして巣立ちました。諸般の理由にて当工房での教室開催は困難になりました。教室参加を
希望された皆様、申しわけありませんでした。内容をさらに充実させ、WEB上で教室を再開しようと思いますのでどうぞよろしくお願いします。
当教室では @ロッドの選定 A竹割 B曲げ直し C荒削り D1次削り Eバインディング Fテンパリング G最終テーパー Hグルーイング Iコーティング
Jコンポーネンツ取り付け の順に説明していきます。プロならではの、参考文献には載っていない独善技・隠し技・裏技の類もお伝えします。これであなたもバンブー
ロッドビルダー! …になれるかな?
第1章 どんなロッドを作るか?
とりあえず直接要望があるわけではないのでこの問題はあまり重要とはなりません。ただ、竹割の幅、セグメントの長さ揃えに影響あるだけですのでこの章はスキップ
しましょう。例題として、7フィート 3番 ドライフライアクション 2ピースロッド で説明を進めたいと思います。
| 注 セグメント:ここでは、4〜6本の竹片を貼り合わせたブランクを構成する竹片、その1本をいいます |
第2章 竹割
トンキンケーンの素材として手に入れられる姿は通常 3.6m(12フィート)の1本物。2ピースロッドの場合ほぼ半分の長さに切り分け、それぞれバット用・トップ用
に用います。当然、バット用の根元に近い部分は、構造上、繊維の詰まった強度の高い、そして肉厚の厚い材質になっています。根元の部分からトップセクションを、
棹先の部分からバットセクションを作る、と言うことは不自然といえるでしょう。また、竹には節(ノード)があり、ロッドにした場合この部分の前後が軟らかくまた
将来ロッドの捩れや曲がり癖が出やすくなってしまう欠点があります。そのため、各セグメントを張り合わせるとき、それぞれの節が集中しないよう組み合わせる必要
が出てきます。1本おきに3本揃えるタイプ、向かい合った2本を揃えるタイプ、すべての節をまったく合わさないタイプがあります。
しかし、いままで折損の修理を請けたものの中には節がらみではないものはまったくありませんでした。できたらすべての節をバラケさせたタイプは、わずかにずら
すだけでも効果は大きいと考えられますのでお勧めのタイプです。さて、この辺りのことも踏まえて作業を開始しましょう
T 棹をカットする
トップ・バットセクションそれぞれの長さは…7’の半分で42”…1066.8o。それに節ずらし分、約200oを加えて1270o(50”)が必要長さ、
になります。さらに削り作業時に必要な逃げ(リーウェイ)を取り、1.5メートル付近でカットします。
ここで注意点!ロッド全体のなかで最も弱い部分・・・それはトップセクションの一番細い部分です。その細い部分には極力、節を避けることが重要です。せめて
第一ガイドより下に持っていかなければトラブルにみまわれる確率が高くなってしまうでしょう。そこで下の画像のようにトップセクション用棹の先端節の手前で
カットしておく必要が出てきます。