もてぎホンダドライビングスクール参加日記

私の妻が鈴鹿でお世話になった, Hさんこと平山さんから, ツインリンクもてぎで行なわれているホンダドライビングスクール (以下 HDS) のレポートをいただきました. 私は平山さんの腕前のことは良く存じませんが, 文中 160km/h からフルブレーキでスピンしかけて立て直したように読める記述もあって, もしかしたらもしかするかも (なんなんだ > おれ) という気もします :-) . ともあれ, 今回は平山さんの参加日記をお送り致します.

おかげで予定していたネタが一週間づつ後ろにずれて, ネタを考えるのがとても楽になってすっごく嬉しいです (笑).

土屋氏のHP読者の方、私が12月24日に突然成田モーターランドの走行会に見学に現 われた怪しい者です。運転歴もまだ浅いのですが、98年11月に鈴鹿のドライビングス クール(HDS)で「中級2日コース」に参加したのを機に急に走りに目覚めました。そ してこのほどもてぎの「中級リスクシミュレーション」に参加したので、そのご報告 をさせていただきます。

HDS 中級リスクシミュレーション

実施日:1月15日(金)

 もてぎはJAF会員割引やディーラー申込割引がないため、 直接「アクティビセーフティトレーニングパークもてぎ」に電話。 申し込もうと思っていた1月16日(土)の「中級ベーシック」がファン感謝イベントのため中止になったとのことで「中級リスクシミュレーション」に変更。 「ベーシック」との違いは、教習時間が1時間長く、「ハイドロプレーン」、 「スキッドリカバリー」、「運転と反応」の教習が加わること、 サーキット走行がロードコース走行(ベーシックでは北ショートコース)、 とのこと。 なお、ホンダが出している冊子『ホンダのバイクとクルマのスクール』では申込は2週間前までに販売店に、 となっていますが、 申込最終締切は定員に満たなければ実施日の3日前までOKだそう。

7:45 ツインリンクもてぎ東ゲート着

 横浜の自宅を5:15に出発、常磐自動車道、水戸IC経由でもてぎへ向かう。 もらった案内図通りに県道52号線から51号線へ。 案内の看板を頼りに何とか到着。
 もらった手紙にガソリンを満タンにとの指示があったので、 ツインリンクもてぎの近くのGSで入れようと思っていたが、 水戸IC方面からの入り口になる東ゲートの近所にはない(あっても閉まっている)。 そこで、北ゲートを出て右折し10分弱にあるJOMOでガソリン給油。

8:30 受付

 誓約書にサイン、捺印。時間までロビーで待機。

9:00 オリエンテーション

 教室で自己紹介、 指導員(インストラクターといっていた)から教習内容について説明を受ける。
 参加者は10人(男性7人、女性3人)。 そのうち5人はトヨタSERAのオーナーズクラブの方々、あとはレンタル車シビック2台、 日産の普通のセダン車(たぶんプリメーラ)、インテグラタイプR、CR-Xといった内訳。 リピーターも多く、 最初の自己紹介によれば少なくとも4人はどこかのHDSに参加経験のある人。 ほとんどが愛車で参加ということで1人1台での教習となる (鈴鹿はレンタル車両のシビックフェリオ1台に2人)。

9:30 外に出て各自点検(ブレーキ、タイヤ、オイル)

 「ブタに油」と覚えるそうな。タイヤの空気圧調整後、 ドライビングポジション確認。 受信専用にしたトランシーバーを各車に備え(ライターのスイッチに差し込む。 ちなみに鈴鹿ではメガホンで話す指導員の声を聞くため窓は開け放しにしておくので寒い!)、 車の前には後のブレーキの計測のためのセンサーを取り付ける。

10:00 ブレーキ練習(ブレーキコース)

1)ロック 2)ノンロック 3)ABS 4)目標制御

 ブレーキコースを走行し、先ずは思いきりブレーキを踏みロックさせる練習。 最初は50km/h、次は60km/hで1本ずつ。 次はロックさせないで一定の力でブレーキを踏み車を止める。 60km/h、70km/h各1本ずつ。そしてABSの付いている車はABSを作動させる練習。 60km/h×2本。 車がガタガタするのを実感としてわかるのが目的とのこと(ABSのない車は続けてノンロック練習)。 最後には止まりたいところで止まる目標制御。 指示された指定速度を守り(70km/h)、 ブレーキが効いてから停止するまでの距離を短くすることが目標。
 どのブレーキ練習でも一定の力で最後まで(車が停止するまで)踏み続けるように言われるが、 最後にはついブレーキを緩めてしまったりする (そうすると制動距離が延びてしまう)。 また、 このブレーキ練習ではロックするスレスレのブレーキコントロールの感覚をつかむのが目的とのこと。 でもその差はホント微妙で、強く踏めばロック、弱めれば弱すぎ、 そのギリギリの境界線で一定の力で踏み続けるというのは素人には非常に難しい (今までなんていい加減にブレーキを踏んできたのだろう...)。 このブレーキ練習の結果は後で評価とともにプリントアウトされたものがもらえる。

11:00 ハイドロプレーニング体験(ハイプレコース)

 インストラクターの車に同乗しハイドロプレーニングを体験するもの。 インストラクターが運転する車に3人ずつ同乗し、70km/h、80km/hの2本を体験。 本来同乗走行のみだが体験後「自分の車で走りたい人」とインストラクターに言われ、 結局手を上げた9人が走ることに。 1本めは60〜70km/h、 2本めは思いきって80km/hで水溜まりのハイプレコースを左にカーブ! と思っても舵取りができません。 同コースでは75km/h以上でハイプレ現象が起こるとのこと。

12:00 運転と反応(エフェクトコース)

 ブレーキ踏むまでの反応時間を測定。 2車線をはさんだところにある2枚の電光掲示板に出る記号 (自転車、歩行者、矢印、対向車)などを読み取り、 停止か回避(右左折)かを判断する。 左右に表示される自転車や歩行者の向きと自動車、 矢印の組み合わせを判断するもののだが、記号がわかりにくく、不評らしい(納得)。 左車線を走っていて、右側が右向きの歩行者で左が向かってくる自動車の表示なら、 道路をわたる歩行者と反対車線の対向車とみなして車を停止させる、など。 指定速度40km/h×3本で制動距離とタイムを教えてくれる。 これも後に記録が出る。

12:35〜13:25 昼食(スイート6←部屋の名前)

 何とバスでお迎えが! オーバルコースが全部見渡せる超VIPなグランドスタンドスイートへ。 ここで用意された幕の内弁当を食べる。 体にホカロン張り付けてたらショップを見る時間がなくなった。

13:30 スキッドリカバリー(低μ路コース)

1)ブレーキ 2)スピン 3)リカバリー

 スキッドリカバリーはもてぎにしかないというスキッド発生装置 (路面が一瞬動いてフロントタイヤを振る) が瞬時に車を横滑り状態にし、立て直しをするトレーニング。
 すべりやすい低μ路コースはさらに水が撒かれている。 最初は40km/hで入り、スキッド状態での車の挙動を体感。 次からは50km/hで入り車が振られた方向と逆にハンドルを切って戻して車を立て直し、 ブレーキを一定の力で踏んで止まる。 ここでもロックさせずに一定の力で踏む。 仮にロックしても立て直しができればOK。
 さらに思いきりブレーキを踏んでスピンさせる練習も行なう(回りすぎて、 横のガードレールに当たった車あり)。
 次の段階ではスキッドから車を立て直した後で、 その先左右に出てくるウオーターバリヤを障害物とみなし回避しながら通る。 スキッドからの建て直しがうまくいかないと、 ウオーターバリヤまでたどり着かない。
 この日の参加したほとんどの車のようにホイールベースが短いと立て直しが難しいとのこと (角度が大きくなるため)。 40km/hではうまくいく立て直しも50km/hでは難しい。 たった10km/hの差が非常に大きい...。

15:00 スキッド走行(スリパリーコース)

 スキッド走行はスリパリーコースという滑りやすい摩擦係数が異なる4種類の舗装 (ヨーロッパの歩道のような石畳など)がちりばめられたコース (さらに水が撒かれている)での疑似スラローム(?)走行(タイム測定あり)。 1周230m。
 コースは小回りの連続で、路面はツルツル車はクルクル。 早く回ろうとしてスピードを落とさないで回るとハンドル回しているのに車は曲がらずパイロンにゴッツン。 先ず、タイム測定。 10台中、コースレコードは43.53秒(たぶんSERAのリピーターの人)。 その後数周してどこが滑りやすく、スピードを出して踏めるところを掴む。 「メリハリのある運転を」とのアドバイスで最後にもう一度タイム測定。 コースレコードは35.80秒 (たぶん別のSERAの人、インテグラの人が僅差で2番手くらい?)。 3秒しか縮まらなかった私はただ「?????」。 このタイムも最後に結果をもらえる。

16:30 教室に戻ってブリーフィング

 ロードコースに向けての諸注意など。10人を3組に分ける。 SERA男性4人、その他男性3人、 女性3人の3組にそれぞれインストラクターが先導して走ることに。

17:00 ロードコース

 1日の総仕上げのロードコース走行。 「速度を感じさせない走りをすること、子供を眠らせるような静かな走りを」 とのアドバイス。もう陽は落ちて真っ暗なので、ヘッドライト点灯。
 インストラクターの後ろに3台ついての走行で、 一番後ろからでもインストラクターのライン取りが見える! (鈴鹿では4〜5台が指導員の車についていったため、 一番後ろにいるとラインやブレーキのタイミングがずれていく)。 しかも3人全員が全部のポジションにつけるよう順番に交代し、 インストラクターのすぐ後ろに走れるよう配慮されている。 もてぎのロードコースにはコーナー手前に100m、50mと標識が立っているので、 それをブレーキングの目安にできてわかりやすい。 実質1時間もある充実のサーキット走行でした (鈴鹿は2人1台のため走行時間は半分の30分)。
 とはいえ、個人的には大きな課題が。最後の周回、 ダウンヒルストレートで「最後思いっきり踏んで行きましょう」 の声に160km/hから90度コーナー前の急ブレーキで車は横振り状態! 慌てて立て直しましたが、一瞬後ろには白煙が...。 子供を眠らせるどころか死人を起こしてしまいました。

18:00 エヴァリュエーション

 今日の感想、質問受け付け、アンケート記入など。 ブレーキ練習、スリパリーコースのタイム、 運転と反応の成績のプリントアウトをもらう。 成績表を見るようで嫌な感じ(←劣等生)。 また「ホンダ安全運転普及本部キーホルダー」が1つ増えた。

18:30 解散


 今回の参加者のリピーター、 和光、埼玉、鈴鹿、もてぎなどHDSを制覇しているベテランの女性、 以前もてぎで上級2日コースを受けたというインテグラタイプRの人、 今までのもらった「ホンダ安全運転普及本部キーホルダー」 をつなげるとがチェーンができる(?) というSERAのオーナーなど1度HDSに来るとまた来たくなってしまうようですね (まあ、私もそうなんですが)。 スリパリーコースで割合速く走っていたSERAのオーナーの1人も初めて体験した 「スキッドリカバリーがボロボロだった〜」と言っており、 上級者は上級者なりの課題が見えるようです。
 この中級リスクシミュレーションは1日31000円(税別、定員20人)ですが、 スキッドリカバリー、スリパリーコース、 ブレーキングの50分のショートプログラムがあり (基本的には土日と祝日ですが不定期なので開催日は要問い合わせ、3500円、 当日申込)お得です。

興味を持たれた方は是非参加してテクニックに磨きをかけましょう!

申し込み・問い合わせ:
アクティブセーフティトレーニングパークもてぎ
TEL: 0285-64-0100
Web: http://www.twinring.co.jp

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