「獅子の会」による火縄銃と甲冑の展示


 2000年5月7日、埼玉県北蒲原郡栗橋町にある宝聚寺というお寺で催された「現代版寺子屋」に参加しました。私も冷や汗ものの講演をしたのですが、火縄銃の実演や武者行列の演出等で知られる「獅子の会」の方々もいらっしゃって、甲冑の着脱の実演などをして下さいました。お話の内容はこちら。
 ここには展示されていた火縄銃と甲冑の写真を載せます。これらは全て本物、または本物の部品を用いて復元・実用(!)している、貴重な品々です。火縄銃を撃つ場合、空砲であっても、管轄の警察署に届け出る必要があり、しかも、火薬もその時に使ってしまわなければならないなど、とても大変なものだそうです。「ちょっと、ヒストリカル・ゲーム(ある一定の時代のレプリカ軍服とエアガンを用いたサバイバル・ゲーム)を」というわけには行かないみたいですね。もっとも、ナポレオン戦争のヒストリカル・ゲーム……軍楽隊と軽騎兵隊は必需品……日本じゃ、無理ですね。

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火縄銃

 銃床が短いのがご覧いただけますでしょうか。銃は非常に重く、筒先を安定させるのも一苦労でしたが、銃床が頬にぴたりと吸い付き、狙いをつけやすそうでした。

弾薬盒

 金属製です。中はカートリッジ(早盒・はやごう)を立てておけるように筒状のスタンドがぎっしり並んでいます。1層構造ですが、幅が広いので、英国陸軍歩兵の弾薬嚢とほぼ同じ数のカートリッジ(または早盒)が入りそうです。

火縄

 一見、ただのロープですが、火縄です。巻いた状態で手首にかけます。雨天の場合、火のついた端を手のひらにくるんで雨滴から保護します……けど、火傷しそう……!

弾丸

 これはナポレオン戦争の頃と変わりません。それどころか、作り方もやっぱり同じです。左斜め上の「やっとこ」のような道具が型で、これに溶けた鉛を流し込みます。

鎧をつける・1

 「鎧(よろい)」という言い方は不正確で、正しくは「甲冑(かっちゅう)」といわなければならないそうです。当然といえば当然なのですが、和服の上に着ます。大河ドラマでおなじみの小淵沢乗馬クラブの人は洋服の上につけてましたけど。

鎧をつける・2

 結構、「カポッ」っという感じで着せてしまいます。各パーツが細かく分かれて一つ一つつけていくというわけではなく、特に胴の部分はモノコック(?)構造。背中と肩で結んで留めます。

できあがり

 右手に持っているのが、采配です。采配は2人以上の部下を持つ人なら誰でも持って良いものでした。軍配は大名(つまり、総司令官なのかな?)が持てます。采配は地面につけてはいけないので、こうして房を上にして持つのが正しいのだそうです。これは9千石ほどの侍大将。

子供用

 子供用の甲冑はよほど裕福なご家庭(?)で使われました。これは洋の東西を問いませんね。パリの廃兵院にある陸軍博物館にも、小さなよろいが沢山飾ってありましたっけ。


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