2001/6/23抜き打ち訓練で児童おう吐、保護者会で謝罪 読売新聞ニュース速報
京都府加茂町の町立恭仁(くに)小(島田常世校長)で、大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件後、不審者にふんした男性教諭が5年生の教室に突然、侵入する「避難訓練」を行っていたことがわかった。児童は混乱し、おう吐して体調不良になった子も。
保護者らは「予告すべきだった」と学校側に抗議し、梶田司郎・町教育長は島田校長に「不適切な指導。児童には十分なケアをするように」と口頭で注意した。学校側は23日夜開いた5年生の保護者会で謝罪した。
町教委や学校によると、訓練は事件から5日後の13日の始業時、5年生のクラス(15人)で実施。野球帽にサングラスをかけ、長さ約50センチの金属棒を持った男性教諭が教室の後ろのドアから入った。事情を知らない児童からは悲鳴が上がり、教室は一時、騒然とした。担任の方へ逃げようとして机やいすに体をぶつけた子もいたという。
この後、担任は児童に訓練だと告げ、緊急時の避難経路などを説明したが、ショックで女児1人が帰宅後、おう吐と下痢を訴え、翌日欠席した。後日、おびえたような表情を見せる子もいたという。
訓練は約1週間前、恭仁小の校門付近で不審者の目撃情報があり、池田小事件も起きたため計画された。他の教諭が開始前に教室に入り、児童にそれとなく予告する手はずだったが徹底せず、他の教諭は教室の周囲で見守っていた。
島田校長は「私のミス。児童の命と安全を守るためといいながら、大きなショックを与えてしまい、大変申し訳ない。精神面での十分なケアに努めたい」と話している。
同様の抜き打ち訓練は、岩手県千厩(せんまや)町立千厩小で12日、1年生の1学級を対象に警察官が不審者に変装して行われ、恐怖を訴える児童も出て問題化した。[2001-06-23-18:47]
京都府加茂町の町立恭仁小学校で、大阪教育大付属池田小学校の児童殺傷事件を受けた不審者侵入訓練が「抜き打ち」で実施されていたことがわかった。不審者になりすました教員の突然の出現に、教室は大混乱になり、帰宅後、体調不良を訴えた女子もいた。町教委は「教育的な配慮に欠けていた」として、島田常世校長を口頭で注意した。同校は23日夜、5年生の保護者に経過説明と謝罪をした。
町教委によると、訓練は13日の始業時にあった。5年生のクラス(15人)にサングラスをかけ帽子をかぶった男性教諭が、シャッターを下げるための金属製の手かぎ(長さ約50センチ)を持って侵入した。驚いた児童らは机やいすに体をぶつけながら逃げ、大混乱になったという。女子児童の1人は帰宅後、両親に恐怖感を訴え、下痢やおう吐を繰り返した。また複数の児童が「怖いので1人では留守番できない」などと訴えている。複数の保護者から学校に抗議があったという。
訓練は島田校長が発案し、教職員だけで打ち合わせをした。島田校長は「突然の不審者にも落ち着いて行動できる態度を養うため抜き打ち形式にした」と町教委に報告した。
[2001-06-23-14:04]
共同通信ニュース速報
京都府加茂町の町立恭仁小(島田常世校長)で、五年生の教室に不審者にふんした男性教諭が棒を持って侵入する避難訓練が抜き打ちで行われ、訓練後、女児一人が体の不調を訴えていたことが二十三日、分かった。
訓練は、大阪府池田市の校内児童殺傷事件を受けたものだったが、校区内で不審者の目撃情報が実際に寄せられていたこともあり、保護者が抗議、同町教育委員会は「児童への配慮が欠けており不適切」として、校長に口頭で注意した。
町教委によると、十三日朝、授業開始前に、サングラスをかけた男性教諭が金属棒を持って五年生の教室(十五人)に侵入。驚いた児童らは担任教諭の元に集まり、訓練と知らされた後、避難経路などの説明を受けたが、その後、ショックを受けた女児一人がおう吐するなどして病院で手当てを受けた。
訓練は教職員が協議して決め、児童には事前には知らせていなかった。担任のほかにも教諭数人が待機して児童を落ち着かせる予定だったが、手違いで担任一人だけが対応したため、児童の動揺が大きくなったという。
町教委の山崎定次教育次長は「今後、児童への十分なケアが必要。池田小の事件で対策を焦ったのではないか」と話している。[2001-06-23-12:00]