1.平塚市の介護認定申請者数の予測

平塚市は人口25万人余りで、65歳以上の高齢化率は平成9年度は12.3%(平成11年1月では12.7%)で全国平均を下回っています。初年度は4000人の介護認定申請を平塚市介護保険推進室は予想している。

しかし、ここにきて(98/11月)申請をしないとサービスが受けられないのではないかという風潮が広まっているようで、4600人程度に申請者が増えそうな情報があり、その場合の対応に市の介護保険推進室は苦慮しています。平塚市は、認定審査会を6チーム作る予定。人口5万人あたり、1チームというのが目安なので1チーム多く準備している。1チーム5人構成で、30名を確保する。(その後、1チーム7人構成で42人。医師・歯科医師は2名ずつ参加し交代で出席し、実質は5人で審査を行うこととなった。1回3時間の審査時間を予定しているが、とてもそれではおわらないでしょう)

埼玉県草加市は、人口は平塚市と同程度の25万人ですが、介護認定審査会は8チームを予定しており、薬剤師もメンバーとなっています。1回あたり2時間の審査時間を設定する予定とのこと。平塚より2チーム多いのは、チームの審査時間の負担を軽くする一つの方法と思われます。

平塚中郡薬剤師会としては、薬局の都合上、夜間の開催を介護保険推進室に依頼しています(介護保険推進室は、コンピューター稼働が午後5時までなので、昼間の審査をお願いしたいとのこと。今後の調整が必要です。仕事をもっている第一線の専門職が、毎週一回半日仕事をあけることは通常の業務では考えられません。午後6時以降の審査会開催を希望します。)

2.平塚市の認定審査会の体制

平塚市は、1チーム5人で、6チームの認定審査会が、1999年10月より2000年3月までの6カ月間、毎月1チーム3日間開催を予定。1回に40名程度を審査。(最近の、介護保険推進室の話では平成12年3月は移行作業で審査できないということとなった)

40名の審査は半日では時間的に無理のようです。丸1日かかってしまうかもしれない。

実際には3枚一組の資料内容の記述に、矛盾が無ければ即認定という迅速な審査になるという。1件3-4分での判定となる。審査時間が少なすぎては、認定審査会の意味が薄れるおそれでてきます。平塚市のモデル審査会では、1日30件を午後1時30分から5時30分まで、3日間かかって90件、初日に10件、計100件弱を審査した。1件平均8分かかった。それも相当せわしなくて、頭が相当加熱した。

1チームは6人構成の予定(平塚市のモデルでは、医師・歯科医師・薬剤師・施設長・施設の介護福祉士・老健施設等の社会福祉士?の計6名。ハッキリした認定審査員の相互紹介が無かった)

3.平塚市モデル介護認定審査会の構成メンバー

医師4名、歯科医師1名、薬剤師1名、施設長1名、老健看護婦1名、介護福祉士1名。モデルでは、午後1時30分-5時30分(当初予定は4時30分まで)の4時間で30件を審査したが、1件平均8分だったが、休みはほとんど無く、非常にせわしなく、審査時間に余裕が無かった。

報酬は、1回1万円余り。あらかじめ郵送された資料1回分30件に全部目を通し、1件3枚の資料の矛盾点を事前にさがし、全体像を把握するのに30件で仕事の合間にこなし数時間かかる。痴呆度や自立度は記号で資料に記されており、今回は、記号の意味する概念をテキスト本と参照しながら資料を検討したので相当時間がかかった。(私自身は、3年前より、処遇困難の平塚市ケアケース検討会に毎月出席し、今回は千ページの介護支援専門員テキストを読み込んでケアマネージャー試験には合格したが、要介護度の各段階の認定像の確認や認定変更可能事例・変更不可事例集をモデル介護認定審査会の開始早々わたされて、その参照作業で時間がかかった)

4.介護度の認定方法の試行経過

初回のモデル介護認定審査会では、神奈川県福祉政策課安室(やすむろ)課長代理から認定方法についての若干の経緯説明を聞き、その後、10件程度の審査を行った。介護度は、介護に要する時間を実際にストップウヲッチを持ちながら3000ケースを観察し積算して算出したとのこと。モデル審査会の初回は介護度変更可能事例に、記載資料に特記事項やかかりつけ医意見書も記載が少なく、ほとんど介護認定がおかしいと思われても変更可能事例に適合せず審査会に無力感がただよった。

厚生省は、全国の市町村を選んで、平成8年、9年、10年にモデル認定を行ってきたが、今回は国内の全市町村3200カ所が、参加して行うとのこと。そして、平成11年10月から実際の準備認定を行う予定。平塚市は要介護認定は4000件予定し、半年間で申請を受付て認定する。介護保険法の本番では、申請から30日以内に結果を通知しなければならないことになっているので、相当スピードが要求されるだろう。

5.今回のモデル介護認定の審査方法

神奈川県足柄上郡は合議体で認定審査を行い、他の県内の市町村は単独で実施予定。

認定は本番では、3-6カ月で見直す。今回のモデル認定審査は100件を4回でおこなった。本番では、1チーム月3回の開催を、平成11年6月の市条例で決定する予定。

認定審査会長を医師が、毎回輪番で出席して務めることと平塚市から要請された。介護保険制度に関してすべての医師が介護保険法に精通しているわけではないが、市は、かかりつけ医意見書で、お世話になるから座長に依頼したいとのこと。将来の介護制度を見据えた学識経験者など、直接の関係者以外の介護保険に精通した座長も必要だろう。

初回は医師4名全員出席で2-4回目は各医師が輪番で1名ずつ出席して座長となった。医師以外の審査員5名は、4回審査全部に参加した。毎月、昼間3日間、医師が医院を留守にできそうもない。休日や夜間に行わなければ出席できないだろう。

反省会では、準備と認定作業の負担に対して担当医師からの意見では、あまりに報酬が低すぎるとのこと。実際に月3回、勤務をはずれて審査にあたれるだろうかという疑問が残る? 98年12月に介護認定審査会関係の政省令が明らかになったとのことだが、ケアマネージャーのケアプラン作成費も2千円程度と聞くが、それでやっていけるのだろうか。かかりつけ医意見書は4000円程度。相当に効率のより調査方法や連携方法をとらなければ難しい介護経費だろう。(平成11年8月の情報では、ケアプラン作成費は5000-1万円との情報が有る)


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