白内障手術の歴史

意外と古い白内障手術の歴史

昔の白内障手術の様子白内障手術の歴史は非常に古く、紀元前800年頃のインドですでに記録が残っており、日本には西暦1360年前後(室町時代初期)にインドから中国を経て伝わりました。

その手術方法は、針で眼球を突き、水晶体を後ろ側(硝子体内)に脱臼させるという方法でした。
難易度、安全性、痛み、感染症等の数えきれないリスクがあるうえに、この方法では元のような見え方にはなりません。

それでもこの方法は1800年頃まで行われていました。
その後は、角膜を切って水晶体を外に取り出す「摘出術」が行われるようになりました。

現在の白内障手術

現在では問題なく手術が終わる事は当然とされる時代になっており、その先により良い結果を求める段階に来ています。
白内障手術の成功というのは、ただ単に眼内レンズを挿入すれば良いものではなく、手術後に患者様の視力が問題ないか、見え方に問題はないか、そういった部分が重要視されます。

検査機器の進歩

白内障手術は、検査と手術に大別されます。検査機器がどんどん進歩している事で、術後の患者様の見え方も精密に予測する事が出来る様になってきました。
手術前に眼の状態を精密に計測し、患者様の求める視機能と眼内レンズの種類や度数を高精度に決定出来ることで、より良い結果が得られるようになっています。

進歩した検査機器

手術器具の進歩

手術器具においては、手術時に角膜の淵に作成する創口と呼ばれるメスで開ける傷口の小径化や、水晶体を細かく砕いて吸引する機械の進歩が特に目覚ましく、ここ2~3年で創口のサイズはたった3mm以下と非常に小さくなりました。
以前は、6mm以上も切開する事が普通で、その後に発生する乱視等の多くの問題がありましたが、創口が小さくなったことで、手術後の縫合が不要であったり、出血も少なく済んだり、患者様の負担が減らせるようになってきています。

創口は、眼内の水晶体を細かく砕く機器や、攝子等、様々な器具を眼内にいれるための入口となりますから、創口が小さくなればなるほど、その創口に入れる機器や眼内レンズも細く小さくしなければなりません。最近は、直径6mm程の平べったい眼内レンズも、折りたたむことによって小さい創口から入れられる様になっています。

手術器具の進歩

手術の進歩

患者様にとっても最も大事な手術の進歩は、水晶体の代わりに挿入する人工のレンズ「眼内レンズ」です。
挿入する眼内レンズは、一度挿入したら、問題が発生しない限り取り出したり交換したりする必要がありません。つまり、その眼内レンズによって患者様の手術後の人生が変わるという事です。

白内障手術の変遷

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