香港の写真の撮り方


● 一番大事なのはシャッターを押す事

 海外に行けば、もの珍しいモノが沢山目に付くはず。とりあえず、それに向かってシャッターを押す事が一番大事。珍しいを見つけた時のちょっとした感動を忘れずにシャッターを押す。
 デジカメだったら、失敗しても後で消せばいいので、とにかく多くシャッターを押す事。


(左) トラム(二階建て路面電車) - 下がるより、ずっと寄って撮るのを習慣にしたい
(右) 粥麺屋 - とりあえず判らない看板や字をメモ代わりに撮影するとよい


● 旅行に持っていくカメラ

 出来るだけ写真を撮りたいと思うにしても、写真だけを撮る目的の仕事の旅行でも無い限りはそれなりに機材が制限される。おまけに手荷物を預けると、香港の新空港は信用出来ないし(^^;)。
 それなりに、旅行向けの撮影機材を厳選しておきたい。

* 銀塩カメラ
 「くさってもライカ-間違いだらけのカメラ選び別巻1」で田中長徳も書いているが、旅行に持っていくレンズは望遠系ズームと24mm系ぐらいの広角が最適。これは香港でも当てはまる事。特に、香港の様なごちゃごちゃして、後ろに引けない場所では28〜24mm程度の広角レンズが欲しい。高いビルを雰囲気出して撮るにも広角がよい。
 あとは街の風景を切り取るには望遠系ズームがいい。しかし、街を撮っているなら8〜9割は広角しか使わない。

* デジタルカメラ
 デジカメならば、カード対応は必須。出来れば光学ファインダがあって、3倍ズーム程度のものがいい。とにかく気軽に町中でバシバシと撮れる気軽さはデジカメ特有のもの。記録に時間がかかって、撮影間隔が長くなってしまうのはイヤだけど。
 枚数を撮るなら注意しなければいけないのは電池とメモリカード。
 アルカリ電池を多量に持っていけばいいんだけど、多少とも資源保護のために充電池を使っている。その場合、充電器、充電池、電圧変換トランスと結構な荷物になってしまう。まあアルカリ電池を持っていくのなら変わらないかな。結局、撮る枚数等を考慮して、決めればいいでしょう。
 DS-300,DS-330の様なデジカメならば電池の心配はほとんどしないで済むので楽。

 撮影枚数は、メモリカードをどの程度用意すればいいのかにも関係してくる。十分余裕を持った枚数を持っていきたい。
 ノートパソコンを持っていけば、画像の確認も出来れば一番いいのだけど、それだけでかなりの荷物になる事は覚悟しないといけない。

* その他
 夜景を撮るには当然、三脚は必須。いい三脚が欲しいところではあるけど、何しろ重いし、かさばる。小型の三脚でも無いよりはマシだから、小さいものを持っていく。
 大容量のストロボは、旅行先での撮影ではほとんどの場合で不要。そもそもストロボが活躍する場所が少ないので、内蔵のストロボを活用するぐらいでいいでしょう(もうすぐ発表されるEOS3は内蔵ストロボ無しになるんだって…??)。

 結局、今回持っていったのは機材としては以下の通りなんだけど、普通は銀塩、デジカメどっちかに絞れば少なくなるでしょう。

  EOS 5 + 24mm単焦点レンズ + 70〜210mm望遠系ズームレンズ
  フィルム (富士フィルムのMS100/1000、PROVIA)

  富士フィルム DS-330
  カシオ QV-7000SX
  充電器
  充電池(4本×4組)
  電圧変換トランス トロイダル・トランス TA-35(220〜240→100V)
  露出計
  パソコン PowerBook 2400C
   48M Byte CF(Compact Flash) 8枚
   CFカードアダプタ
  小型三脚


 今回、修理から戻って来たばかりのローライ35Tを持っていこうとしたが、荷物になるので断念。…重さとしては軽いけど、あんまり持って行っても使わないのでパス(^^;)。

 ホテルが在室中じゃないと電気が通らないシステムになっていたので、出かけている間に電池の充電が出来なかった…これは不便だった(^^;)。


● 香港で撮影がムズカシイ場所

* 市場
 撮影禁止というよりは、文句言われる事がしばしばある。そりゃ、品物も買わないでジャマをしているんじゃ文句を言われてもしかたがない。出来るだけ邪魔にならないように素早く撮影するテニクックをマスターしよう。

* ペニンシュラホテルのロビー
 
保安上の問題とかで、ペニンシュラ・ホテルのロビーで撮影すると、必ず従業員に注意される。それほど撮りたい場所では無いけれど、なんか腹立たしい(^^;)。


ペニンシュラのロビーの隠し撮り
二階から撮った方がかっこいい絵になるけど…

* テンプルストリートの京劇
 
テンプルストリート(廟街)でやっている京劇の集まりは、カメラチェックがえらく厳しい。カメラを持って眺めているだけで注意されてしまう。
 盗み撮りをした事はあるけど、普通の服でやっているし、別に被写体として面白い訳ではない(^^;)。

* 空港 入国審査など
 世界中の空港で、入国審査あたりは大抵、撮影禁止。なんでだろう??


● 高層ビルの撮影

 香港の風景としては高層ビルをまず思い浮かべる。
 対岸から望遠で狙ったりする撮影もあるが、個人的にはもっと切り取った風景、町中から思いっ切り見上げた視点で撮るのが面白い。看板とかからめて入れると香港らしい。
 ほとんど直角近い見上げ方で、なるべくローアングルから撮りたいので、こういう場合はデジカメのレンズ回転がする機種の方がフレーミングがしやすい。


銅鑼湾・時代広場(Times Square)


● 看板のある風景

 乱立する看板も香港らしい風景ではあるが、実際絵になる場所はそれほど多くない。ネイザン・ロードなどは道が広すぎる。もっと下町の方が乱立の仕方が派手で面白い。個人的には、九龍側なら旺角、香港島側なら銅鑼湾か北角が好き。


銅鑼湾 Percival St.
細い道だけど看板をかする様にTramが走る(^^;)


● レストランの撮影

 旅の記録のためにも、レストランで食べたものは出来るだけ撮影しておきたい。うまく撮れた写真は後で味を鮮明に思い出せるものである。香港のレストランでは、ストロボを使って撮影してもそれほど周囲の雰囲気を壊さない。
 しかし、麗晶軒/Lai Ching Heenみたいなムードあるヌーベル系のレストランではストロボを使うのは躊躇する。その上に薄暗いので、うまく撮れない(;_;)。

 撮影する時は、下の二枚の様に出来る限りメインの部分を切り出した方がいい。皿全体を写そうとしても、画面が寂しくなる。かなりのマクロ撮影になると思うが、マクロ時の最短距離をよく把握しておくこと。また、マクロ時でどの程度ストロボの性能が正確かも調べておいた方がいい。


(右)白灼蝦
(左)野菜のいため物-空心菜

 料理の写真をレタッチする時は、メインとなる食材の色をいかに食欲をそそるようにするかがポイント。上の右の白灼蝦は赤みを強くしているし、右の空心菜は緑を強くし、さらに彩度を少し上げている。また、油の感じを出したかったので、右はトーンカーブでコントラストを多少強くしている。

→ 香港 1997年 : DS-300 で撮影
→ 香港 1996年 : QV-10Aで撮影


● 街の人びとを撮る

 香港に限らないが、街の人びとを撮るのは結構面白い。いいアングルを決めたら、その場所で隠し撮りするといい。基本的にはファインダを覗かないブラインドで撮る。
 レンズ部分が回転するデジカメならば、盗み撮りがしやすい。下の二枚は、レンズ回転するQV-7000SXで撮ったので楽な盗み撮り。


(左)銅鑼湾のじいさん
(右)尖沙咀のお姉さん


● 市場を撮る

 香港の市場は活気があって被写体として凄く面白い。しかし、市場は市民の生活の場であるので、出来るだけ邪魔にならないように撮影したい。当然、ストロボなどは焚かない方がいい。

 まずは市場を選ぶ事。最近は建物に入ってしまっている所が多いが、そこでは室内の光だけになる。ストロボを使わないと多くの場合、露出不足。よって、出来るだけ外の市場で撮影した方がよい。北角、銅鑼湾の市場が個人的には好み。街を歩いて、好きな市場を見つけるといい。

 出来るだけ遠くから望遠で撮った方が邪魔にならいかもしれないが、広角で店頭のパノラマ感を出すのが基本。
 まずは自分のカメラの画角を知る。24mmだったら約90度。右45度左45度が入るわけだから、常に立った位置から画面に入るものが何かを意識する。素早く近づいて、カメラを構えないでポイントを決める。そして、素早くカメラを構えて撮影する。そして、怖そうだったら逃げる(^^;)。
 気が小さいならファインダを覗かずにブラインドで写す。多少、修行を積めば結構上手く撮れるようになる。


(左)魚屋 - オヤジの目が怒っていた(^^;)、文句言われた…
(右) 肉屋の裏側 - 肉屋、魚屋は赤いライトが多い


(左)乾物屋 - 乾物屋は何故か愛想がいい所が多い、多分、観光客にも売れるから
(右)八百屋 - 色彩的に豊富で絵になる
銅鑼湾、Canal Rd.横の小さな市場


● 夜景の撮影

 100万ドルの夜景、ビクトリア・ピークからの眺めは最高であるけれど、ここも時期によって綺麗に見えない事が多い。夏は湿度が高く、山には雲がかかりビクトリア・ピークからの夜景は霞んでしか見えない。そういう時は対岸から見る夜景がいい。香港島の夜景は尖沙咀の時計塔、プロムナード付近からが綺麗に見える。


尖沙咀プロムナードから見る香港島の夜景

夜のネイザンロード



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