天の川水さへに照る舟競(ふなぎほ)い舟漕ぐ人は妹と見えきや(読み)
ひさかたの天の河原にぬえ鳥のうら歎(な)けましつともしきまでに(意味):
コメ
わが恋を妻は知れるを行く船の過ぎて来(き)べし言(こと)も告げなむ(読み)
あからひくしきたへの子をしば見れば人妻ゆえにわれ恋ひぬべし(読み)
天漢 梶音聞 孫星 与織女 今夕相霜(読み)あまのがわ、かじおときこゆ、ひこぼしと、たなばたつめと、こよひあふらしも
天の川を「天漢」と表すのは明らかに中国の影響でしょう。
牽牛 与織女 今夕相 天漢門尓 波立勿謹(読み)ひこぼしと、たなばたつめと、こよいあふ、あまのがわとに、なみたつゆめ
なみたつゆめ−波よ立つな
渡守 舟早渡世 一年尓 二偏往来 君尓有勿久尓(読み)わたしもり ふねはやわたせ ひととせに ふたたびかよふ きみにあらなくに
ふたたびかよふ、きみにあらなくに−二度渡ってくるお方ではないのだから
多奈波多之 船乗須良之 麻蘇鏡 吉良伎月夜尓 雲起和多流(読み)たなばたし ふなのりすらし まそかがみ きよきつくよに くもたちわたる
夜須能河波 伊牟可比太知弓 等之乃古非 気奈我伎古良河 都麻度比能欲曽(読み)やすのかは いむかひたちて としのこひ けながきこらが つまどひのよそ
「天の川」ではなく、高天ヶ原のある「安の川」であるのは、単になぞらえただけなのでしょうか?