かに座
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Cam
学名Cancer
略号Cnc
20時の南中月日3月下旬
星座設定者プトレマイオス


ギリシア神話
●化けガニ
英雄ヘラクレスが罪の償いとして課せられた12の仕事の中に、 9つの頭を持つ怪竜ヒュドラー(海蛇座)退治がありました。

ヘラクレスがレルネーの沼でヒュドラーと戦っているときに、 友ヒュドラーを助けようと沼から這い出してきてヘラクレスの足を挟んだのが このかに座の蟹でした。

ヘラクレスは、「えい!じゃまだ」とこの蟹を棍棒で一撃で叩き潰してしまいました。 これを見ていた女神ヘーラーは、憎たらしいヘラクレスをよくぞパチンと挟んでくれたと、 この蟹を天にあげて星座にしたといいます。

●ヘラが派遣した。
ヒュドラーがヘラクレスにやられそうになったので、ヘラクレスを憎む女神ヘラが 「かに」を派遣したというお話も聞いたことはあるのですが出典が不明です。

●恒星名
m44 α星はアクペンスといい「つめ」で、蟹のはさみという意味があります。 β星はアルタルフといい「足の先」という意味があります。

かに座は5000年も前のバビロニア時代から「かに座」として知られてきました。


●散開星団
γ星・δ星・η星・θ星で作る四角形の中心にある散開星団、M44は「プレセペ」と呼ばれます。 プレセペの意味は「かいば桶」という意味で、γ星をアセルス・ボレアリス、つまり「北のロバ」 ・δ星をアセルス・アウスタラリス、つまりは「南のロバ」という名前が付けられております。

ギリシアの哲学者達はペレセペを囲む四角形を天国の出口、 やぎ座の三角形を天国の入り口と考えました。

インドでは釈迦が生まれたときにこの星座の上に月が出ていたことから、 プレセペの形を「卍」に見立てて、吉兆であるとされているようです。 これは別項目かな(^^;


参考引用文献
A1☆星座手帳・草下英明著・教養文庫・658・c028
A2★21世紀星座早見ガイド・林完次著・講談社・B1069

B1☆星座の話・野尻抱影著・ちくま文庫・490・476
B2☆星座神話クラブ・脇屋奈々代著・誠文堂新光社
B3☆ギリシア・ローマ神話辞典・高津春繁著・角川書店


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