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「ボルタリングの垂壁を左下から右上に行ってください」といきなり言われる。 握りやすそうなホールドを選んで力任せに登ると意外となんとかなるもんだ。
ボルタリングの壁の前に置いてあるクリアーファイルを指さして 「これにいろいろな課題が載ってますから、簡単なのから順番にやってみてください」 と言われる。 どうやらそのファイルに書いてあるホールドだけを使って移動しなさい、 ということだった。 初めの数個の課題は易しいものなので力任せor適当にやったらできたのだが、 何個目かのルートで早くも進むことができなくなった。
スラブ手足フリー(どのホールドを使ってもよい、5.6)、 垂壁手足フリー(5.7、上まで登れず)、スラブフリーなどにチャレンジする。 後で思うといくら初回とはいえ5.7が登れないというのはずいぶん情けないが、 ブルダリングのやりすぎで腱鞘炎になった後、 チャレンジしたからだと思われる。 実際次の時はかなりあっけなく登れてしまった。
手首の腱鞘炎発生。 昔から他のスポーツでもなっていたので、 こんなスポーツをやって出ないわけがない。 ホールドをつかんでもほとんど力が入らない。 このスポーツは自分に向いていないのでは、 とも考えたがその後慣れるにしたがって、 手首が痛くなるまでの時間が長くなったので今ではそれほど問題ではない。 初めはどうしても手に頼るのでこういう問題もおこりやすいのだろう。
垂壁手足フリー(5.7)。スラブ5.8。
スラブ5.9。垂壁5.8。 順調に上のグレードを登れるようになっている。 グレードが同じなら壁の傾きは関係なさそうだが、 手でぶら下がっていると普通の人よりもつかれる体らしく、 スラブの方がグレードが先行する。 ハングの方が先行する人もいららしいので私の体質なのだろう。
スラブ5.9+に挑戦するができず。 上の面がほとんどないホールドに足をのせて上がらなければいかないが、 どうしてもそのホールドに乗せた足が滑り落ちてしまう。 知らないうちに楽なホールドをさがして足をのせてしまっていたので、 このような時に苦労する。 スメッジリングで登るものなのかもしれないが、 手の方がとてもひっぱれるようなホールドでないので×。 やはり小さいところにも自信を持って足を乗せれるようにならないとだめなのだろう。壁の右端のルートで何度も落ちたときに腕を擦りむいた。 この程度の怪我はしょうがないのかもしれないが、 壁の中央支点のトップロープを使ったからかもしれない。 右端のルートの練習をするときには、 まず右端の楽なルートをリードで登ってトップロープをかけた方がよいのかも。
垂壁5.9。 ハング手足フリー(5.8)。 ハングの壁はつかみやすい石がおおく、意外と楽。 一人でスリングで最小限の確保をしながらハングの壁を(家用の)スリッパで登り、 ルート設定をするおじさんに「足をつかっていない。 どたばたしている」と注意される。 「爪先で石にのる(必要なければインサイド、アウトサイドにしない)。かかとをさげる。慎重に石を選んでそっと足を置く。足を置いたら体重をしっかりのせる。小さな石でも嫌がらずに使う練習をする。 初心者はハングができるとうれしくて(全くその通り!)、 ついハングばかり登るが、 もっとスラブなどで足を使う練習をしたほうがよい」とのこと。
今日は混んでいなかったこともあり、ボルタリングは一度もやらなかった。
技術を身につけるには大事なことだろうけど、長い壁を登っている方がどうしても楽しい。
やはりスラブの5.9+はできない。
5.10a(このグレード設定はかなり怪しい。
自分の実力からして5.10には思えない)も登れたのに。
これが登れるのはいつの日か、、、
登り方の見本(というレベルでは全然ないが)を見せるために、 スラブの5.8や5.9を多く登るが、あまり参考にされない上に、 自分も単にそのルートを覚えてしまっているので、 それほど上達には結びつかないようだ。 もっと上のグレードにも積極的にチャレンジしないと、、、
午前中は志水さんが道具の名称、懸垂下降の仕方、
エイト環でのビレイの仕方、基本的なロープの結び方などを教えてくれた。
生まれて初めての懸垂下降は、
想像以上に制動力が強いので最初志水さんのトップロープ
(予備確保)が緩まってないのかと思ったくらいだったが、
思いきって体重をあずけたら安定して下りられた。
ロープの結び方は8の字結びしか知らなかった(インドアだとこれで十分だから) ので勉強になる。 雑誌などで不要論なども展開されているブーリン結びの説明もあり、 ブーリンのアドバンテージはほどきやすいこと、結ぶのに時間がかからないこと、 結び方を間違わなければ(間違う可能性があるので初心者には問題らしい) ほどけないことなどを理解した。
午後は志水さんの本「大いなる山、大いなる谷」
にも岩登りのエキスパートとして登場する阿部さんが、
実際のクライミングを教えてくれた。
阿部さんは普段はガイドの仕事はやっていないそうで、
雑誌岳人の挿し絵などを描いている人らしい。
そのためだか分からないけど、非常に熱心な指導で、
志水さんがエイドの講習会を切り上げた後も日が暮れるまでやってくれた。
内容は初心者を対象にしたもので、あいにくの雨で滑りやすいことも災いして、
私が登り方について指導を受けることはなかった。
しかし、支点のセットの仕方などゲレンデで必要な技術
(本では読んでいたけど、やはり実際にみないと感じがつかめない)
がそれなりに身についたので、
今後は自分たちだけでゲレンデで楽しめるだろう。
この時点では志水さんが本を書いていることも知らなかった。 この本自体はとてもおもしろい。 ガイド山行記も読んだけど、 志水さんの文章は自分の弱さを直視しているところなどが、 私には非常に心地いい。 「自分のやり方はいつも正しい」というタイプの人の文章はちょっと苦手。
一番危険なことはグランドフォール(地面への墜落)。
これを防ぐためには、トップロープでは比較的簡単で初めの数メートルを登っている間はビレイヤー(ビレイする人)が確実にザイルを張れば大丈夫。
これに対してリードの場合には、常に今落ちたらどうなるかを考えてビレイしないと行けません。
特に注意すべきはクリップの瞬間で、
その中でも2個目のクリップの瞬間は必要以上にザイルを出してしまうと1個目のヌンチャクが役に立たなくなります。
同様な理由で2個目のクリップがしにくいからといって、
決して2個目をとばして3個目まで登ったりしないように。
3個目のクリップの瞬間に墜落すると確実にグランドフォールします。
他のグランドフォールの危険としては、支点がはずれる可能性が考えられるので、
最終支点には安全環付カラビナもしくはカラビナ2個を逆向きにつけます。
また、ヌンチャクだけでぶらさがる場合には、
万が一はずれた時のために下のヌンチャクも残しておきます。
リードでヌンチャクにクリップする時には自分のハーネスについている側をヌンチャクの表になる向きにセットします。
これを逆にやると落ちた時にザイルがはずれる可能性があります。
ビレイヤーも下から見て、気づいた場合にはすぐに注意するように。
グランドフォール以外に危険なことは、 ボルトに指をかけたりして指を切ることでしょう。 足が乗っている状態ではボルトに指を入れると安定しますが、 万が一足が滑った場合には全体重が指にかかるので指が切れます。 同様に、墜落する瞬間にヌンチャクを掴むとカラビナに指がひっかかって切れることがあります。 どちらも何もせずに落ちてザイルにぶら下がった方がはるかに安全。 (ハングなどで既にテンションがかかった状態でヌンチャクをつかんで壁に戻るのはそれほど危険ではない)
基本はクライマー(登る人)のハーネスには直接8の字結びでザイルを固定します。 しかし、毎回これをやっていると多少時間がかかるので、 トップロープなどのように墜落のショックがかからない場合にのみ、 安全環付カラビナを間に入れることは(本当はだめだけど)行われたりしています。 リードのように墜落の大きい場合には危険なので必ず直接ザイルをつけましょう。
ビレイヤーはATCを正しくセットして、 クライマーの8の字結びが正しいかもチェックします。 さらにお互いのハーネスの折り返しがされていることもチェックして、 声をかけあって、 登る人はビレイヤーが緩んでいる分を張ったのを確認してから登り始めます。
多少不安な場合は落ちても怪我しないくらいの高さで、 一度張ってみてゆっくりと荷重をかけてみると安心かも。 しかし、リードの時にはザイルが傷むのであくまでもゆっくりと荷重すること。
ビレイも最初はトップロープのビレイから練習しましょう。 一番大事なことは登る人のスピードについていけなくなったり、 手順が分からなくなってきたら、「待ってください!」 と大きな声で登っている人に声をかけること。 登っている人も常に自分のハーネスについているザイルに注意して、 あまりにも緩んでいて足の置き場にも困るようだったら、 下に声をかけましょう。
初心者が登っている場合には墜落の可能性が高いのと登れた方が楽しいので、
多少強めに張ってあげるといい。
しかし、ある程度登れる人の場合には多少の張りでも微妙なバランスが補正されてしまうので、なるべく適度な緩みを保持します。
この場合登ってる人も多少緩んでいることを忘れずに、
「テンション!」と言ってすかさず荷重をかけないように。
リードは登る側の負担も大きく、ビレイヤーの技量も必要であり、
失敗した場合に事故になる確率が高いので、
初めはトップロープを予備につけた状態で練習をする必要がある。
しかし、あくまでもトップロープは予備とした方が
リードで順調にいかない時の練習になるので、
トップロープはグランドフォールしない程度に緩めた方がいい。
垂壁よりもスラブの方が落ち着いてクリップができるので、
スラブで始めた方がいいかもしれない。
ビレイもトップロープに比べてリードの方がはるかに難しいので、
初めはトップロープを予備に併用して練習しましょう。
リードのビレイはリードで登ったことがないと登っている人の気持ちが分かりにくいので、登る練習もたくさんした方がいい。
トップロープ無しでリードをする際には 低い高さでのリードの墜落を繰り返すとザイルが切れることがあるので、 途中でゆっくりぶらさがって休憩、 下降&交代などをしてもいいから墜落無しに3個目くらいまでのクリップをするように心がけた方がいい。
では具体的にどうするかというと、極力足に体重がのるように上体の位置をずらします。登る時も足で立ちあがって、手は上体が壁から離れないように、左右にぶれないように、という目的のみに使うようにします。
実際には両足に均等に体重がかけれたまま登れる状況というのは少ないので、
片足に体重のほとんどをのせて立ち上がるということが増えます。
そうは言っても腕力があって困ることは全く無いのが現実、、、
5.9+という表現は普通の5.9よりもちょっと難しいことを意味します。 5.10からは微妙な差が重要なので、5.10a, 5.10b, 5.10c, 5.10d という風に4段階に細分化されます。 ちなみにたぐちが今までに登った最難グレードは5.10b (それ以上にチャレンジしてないという言い訳もありますが、 5.9でも全然登れないルートもあります)ですが、 正直微妙な差はよく分かりません。
同じグレードであったとしてもバランスが要求されるものや、 小さなスタンスにそーっと立つことを要求するものなど、 それぞれ課題が違っているので、 1本そのグレードが登れても同じグレードの他のルートが簡単に登れるとは限りません。ただ今までの経験だとだいたい同じくらいのグレードが登れる (というかそれ以上のグレードはなかなか難しい)という感じがします。
普通「フリークライミングをやってます」と言っている人は5.11以上くらい。 道はまだまだ遠い。。。
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