資本主義が終わるのはなぜか

資本主義はあるところまで行くと終わる。我々は今まさに資本主義の終焉を目撃しているのだと思う。ではなぜ資本主義は終わるのか。それは、経済成長に終わりがあるからだ。資本主義は経済成長を必要とするので、経済成長が終われば資本主義も終わる。

資本主義の根幹は、経済活動の元手になる資本を出した人が配当を受け取ることである。経済が成長しないと、資本を出した人は配当を受け取れない。そうなると資本主義の根幹が崩れてしまうので、資本主義は経済成長を必要とするわけである。では、経済成長とは何か。

経済成長のスタート地点は経済規模がゼロ、即ちお金のやり取りが無い自給自足の社会である。自給自足社会から始まって、次第に社会全体で経済活動に関わる人が増え、また一人ひとりの生活に占める経済活動の割合も増えることによって、お金のやり取りが増える。そうやって経済規模が拡大するのが経済成長なわけである。だから、社会における「経済活動に関わる人の割合」と個人における「生活に占める経済活動の割合」の両方が100%に近づいたら、そこからはほとんど経済成長の余地がない。だから、経済が無限に成長することはできないのである。

経済が成長している間は、資本を出した人は配当を受け取れてハッピー、雇われて働いている人も給料が増えてハッピーである。でも、そういう経済成長期が終わるとどうなるだろうか。経済が成長しないと会社が儲からないから、雇われている人の給料は減る。給料を減らしてでも、資本を出した人が配当を受け取れるようにするべきだというのが資本主義である。それはおかしいだろうというのでウォール街占拠運動が起きるのも、資本主義終焉の現れだろう。

2011.10.18

 → 「資本主義の矛盾」

 → 「お金とは何か」