『バロンの末裔/グランド・ベル・フォリー』 ¢月組東京宝塚公演公演4月14日¢ |
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1997年4月4日に初日を開いたと思ったら17日はもう中日。のんちゃん(久世星佳)の本当に本当のラスト公演も後半月を残すのみとなってしまった。 あと約15日間、何回か観劇できる自分を幸せ者だと思いたい。 たとえ30日の千穐楽に劇場で彼女の卒業を見送れなくても・・・ | ||
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「バロンの末裔」、14日の公演は出色の出来映えだった。 全体に緩慢になっていたテンポがよくなり出してきた。それに出演者全員の息の合い方が大劇場公演の後半のそれに戻ってきている。 にも増して今日ののんちゃんの入り込みようは鬼気迫るものがあった。銀行帰りの道での二人の会話の絶妙の間。「同じでいられるものなんて、何もない」の台詞の後に「フッ」と悲しげに鼻で笑うのが何とも言えない。そして、雉撃ちの丘ではもう、「ずっと抱きしめたかった」という台詞から涙が目に溢れ、さらに「恋心」の歌では滂沱と流れる涙。最後は唇に涙が溜まってしまい、ヘンリーが来てからもひたすら涙をぬぐい、ヘンリーの家へついてからもまだ拭いていた。ゆうこ(風花舞)ちゃんの方も初日よりもっとよくなっている。この二人とこう(汐風幸)ちゃんのヘンリーは演技をしていないような気がした。本当にエドワードでありローレンスであり、キャサリン、ヘンリーで、だから台詞の細かい部分は毎日変化する。その場で本当に彼らが会話しているのだから。今日は特にその素晴らしさを感じた、何かが乗り移ったような舞台だった。 ウィリアムと対決する場面でも、今までのリズムと全然違う。のんちゃんがそうだから、ずんこ(姿月あさと)くんもマミ(真琴つばさ)さんもそれにひっぱられていく。周りをどんどんその世界の住人にしてしまう、こんな舞台を観られてラッキーだった。 | ||
さて、ボールトン家の居間でのローレンスとリチャードの会話だが、お茶会でものんちゃんが言っていたが、「大劇場ではローレンスがリチャードに驚かされるの場面だが、元々はローレンスがリチャードを驚かす場面で、正塚先生はここはどうしても元に戻したかったそうで、東宝の方がお芝居の時間に余裕があるので真っ先にここを元に戻した」そうな。 ま、これでローレンスは躁鬱病なんだろう、というのがはっきりするのだが。でも、やっぱり行き過ぎるとテンポを壊すので気をつけて欲しい。 壷は、一度スティーブンソンが落としたが、13日にお見事!!というぐらいヘレンが受け損なって転がっていったため、すでに欠けております。 | ||
お茶会でののんちゃんの一言。あの3人は3人が3人を好きなのだから、あの結末でローレンスもキャサリンも幸せになるのだ。だからこそのあの笑顔なんだなぁ、エドワードは。 「楽しみに見てるよ」は、今、のんちゃんが気に入っている一言だそうです。 | ||
¢「銀行帰りのエドワードを迎えるキャサリンの衣裳はすっごく凝っている。背中にも注目して欲しい。ただし、歩くとき裾がばさばさ広がるのがちょっと・・・」というご意見がありました。 あれは確かにデザイン的に凝っています。少しバッスル・スタイルに似ているのですが、裾の切り替えの中の生地が違うのかドレープを取って広がるようになってるんですね。そうすると、ゆうこちゃんのダンスステップ風に足を前に出す歩き方だとばさばさして見えるわけで。これはもう本格的バッスル・スタイルにして裾もすぼめた方が貴族女性の感じは出たかも。でも、私はあの衣裳気に入ってます。 | ||
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