- 三ツ森峠からの縦走も三日目の終わりになった。野路峰(のじみね)の下で水を汲み黒岩山に向かった。岩が多く幕営敵地は少なかった。シロヤシオがあちこちに咲いていた。
- 黒岩山山頂はなだらかでテントを張れそうな所があちこちに有った。少し下がった所にはシロヤシオが咲いていた。一番高い見晴しの良い場所に幕営した。電波が通じた。
- 四日目は、黒岩山からコンパスを合わせて道のない斜面を下った。尾根がはっきりしてきたところで標石と赤テープを一つずつ見つけた。やがて笹ヤブになった。
- ヤブこぎを続けていくと草地の別天地になり下川峠に着いた。大登岐山への登りになると再びヤブこぎになった。時々踏み跡を見失いそうになり、体が笹に押し戻されて苦労した。途中の大岩からは岩場が多くなり右に左に岩の道を探しながら進んだ。
- 最後に急な岩場を登ると大登岐山に着いた。眺めが良くシャクナゲが多く咲いていた。
- 大登岐山からの下りもシャクナゲが多く咲いていた。シロヤシオも咲いていた。やがてブナ林の気持ちの良い尾根になり下って行くと鞍部に着いた。右へ赤テープに従って下ると予想通り水が流れていた。水を3.5ℓにした。
- 鞍部に戻り、急な上り下りの有るブナ林を進んだ。兵庫山にはシャクナゲが咲いていた。
- 1226mは岩峰だった。よじ登ると行く手の山々の眺めが良かった。シャクナゲが咲いていた。ストックが邪魔になるのでザックにしまった。
- 岩場が連続した。シャクナゲが咲いていた。岩の間に赤テープを探しながら歩いた。こんな所を降りられないと迂回すると通れないと思った岩の下には足場が有り、下をのぞき込めば足場が分かったのにと思った。
- 1320mの細長いピークは下りる箇所を見落とし5分程先へ進んでしまった。急坂を下り、ヤセ尾根からブナ林へと進んだ。登り返しの斜面は境界標識に従って歩いた。
- 勾配が緩くなると玉取山山頂に着いた。通ってきた山々を見ながら幕営した。トラツグミが一晩中鳴いていた。
- 最終日、ブナ林の稜線を進み、送電線の通る猿田峠からは林道を下った。県道に出て上猿田集落の上まで歩きタクシーを呼んだ。結局、五日間、登山者には会わなかった。