6月3日(ローザンヌ・スイス)


 ユーゴスラビアとのテストマッチを前に新しい背番号が発表された。
 本田の代表落ち以来空いていた7番は伊東輝悦、北澤のつけていた13番は服部年宏がつけることになった。また注目の11番は小野伸二。城は「18番には愛着がある」との理由でそのまま18番でワールドカップに臨む。

 日本代表のスターティングメンバーは川口、斉藤、秋田、中西、名良橋、相馬、山口、名波、中田、城、中山と発表された。

日本代表 ×ユーゴスラビア代表(国際Aマッチ)
ローザンヌ・オリンピックスタジアム(スイス)

 
TOTAL
前半
後半
日本代表
ユーゴスラビア代表

先発
GK
川 口
DF
斉 藤
DF
秋 田
DF
中 西
MF
名良橋
MF
相 馬
MF
山 口
MF
中 田
MF
名 波
FW
中 山
FW

交代
46分:小村(中西)
74分:岡野(中山)、服部(名波)
85分:平野(相馬)

試合終了後の岡田監督の話

「負けはしたが意思統一は最後までできていた。収穫はディフェンスラインからの球出しで自滅しなかったこと。フィジカルコンディションはメキシコ戦よりはよく、14日のアルゼンチン戦までにはいい状態に持っていけると思う」

3日、 ローザンヌ(スイス)晴れ、気温23度

 日本代表は3日、ローザンヌのオリンピックスアジアムでユーゴスラビアとのテストマッチを行い、後半FKから1点を許し、そのまま0対1で敗れた。2日に22人枠を最終的に決定して臨んだ試合だったが、またもFWの城、中山の得点はなく、セットプレーからの失点という課題は残ったまま。現時点で勝敗は問題ではないものの、これで岡田ジャパンとして、3月のダイナスティ杯香港戦以来、中国、韓国、パラグアイ、チェコ、メキシコ、と6試合勝ち星はなしとなった。

 この試合、井原は右ひざを痛めたため大事を取って欠場。斎藤が井原のポジションを務め、山口がキャプテンとなった。代表はきょう4日午前軽い練習を行い、午後は休養にあて、あす5日、W杯の拠点となるエクスレバンに移動する。この後は7日の練習試合が(地元クラブ)が最後の実践となる。
 FWの無得点はこれで4試合目となった。メキシコ戦までは体が重いと繰り返していた中山も、「この日はよく動けた」としながらも、後半には決定的なシュートを外すなど反省点は多かった。「アルゼンチン戦では、きょうのようにチャンスを作ることは難しい。だからこそ、数少ないチャンスをものにしなくてはならなかった」と、表情を硬くしていた。中田、城と3人攻撃には、これまでよりも縦パスがつながるなど、やっとかみ合う場面もあった。城はこれについて、かなり良い攻撃パターンが組めるようになったと収穫を口にしたが、こちらもチャンスに思いきったシュートを打つ場面がなかった。
 岡田監督は、この日手にした収穫を「DFからの球出しで自滅しなかった」と言うだけ。「彼を中心に組む」とマスコミに宣言するほどに期待を寄せる城のノーゴールにいら立っているのは、誰よりも監督かもしれない。
 ユーゴのサントラッチ監督は試合後に「ひとつだけ言わせていただけるならば」と前置きし、「ゴール前の動きが悪すぎた。もっとゴールに向かう姿勢を見せなければ得点できない。後は詰めだけだ」と、アドバイスをしていた。
 相手は4?4?2布陣で、ナイジェリアとの親善試合から中3日ということから、名古屋のストイコビッチも後半からベンチへ。中盤のスペースは比較的使え、さらにプレッシャーもなかった。練習試合1試合はあるが、この次に戦うのが、猛烈なプレッシャーをかけてくるアルゼンチンというのには、不安も残る。

 斎藤は1日のニヨンのクラブチームとの試合に続き、3日間で180分戦ったことになる。試合後は足早に引き上げたが、「失点は非常に惜しい。しかし、序盤を無失点に押さえること、バックラインからのビルドアップなどいくつかの課題は消化できた」と分析。井原のサブとして以上の評価を得たようだ。
 秋田も、「一番苦しいところを乗り越えなくてはならない、あそこで抑えないと」と、無駄なファール、を犯したチーム全体に反省を促す。中西は前半のぶつかり合いで頭を強打したため気分が悪いと訴えて交代。心配されたが、特に大事にはいたらなかったようだ。
FWに比較し、DFはここ数試合で確実に3バックの安定度は増している。しかし、セットプレーからの失点癖はぬぐい去らなければならないはず。「収穫」はもう十分なのではないか。時期はすでに「出荷」を迎える。

 スタンドにはパサレラ監督の姿も見えた。前半終了と同時にスタジアムを引き上げ、「日本については」と聞かれると、手をかざして答えを拒否。前半での退席に、すべてが現れていた。ジャマイカのシモエス監督も観戦を予定し、グゼ氏(大阪)、ユーゴと同組のドイツからフォクツ監督らが観戦。本番を前に緊張感が漂い始めている。

 2日に22人枠から漏れたカズ、北澤は帰国の途につく。北澤は、岡田監督に通告された後、「30分くらい考えさせて欲しい」と即答を避けたという。本来は、2日中に帰国しチームに合流することを考えたが、カズがミラノからの帰国を選んだために2人一緒に帰国することになった。

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