5月13日(御殿場・静岡)
静岡県内で合宿中の日本代表は13日、合宿3日目で初めての戦術練習を行い、報道陣をシャッターアウトするなど、アルゼンチン戦に向けて、いよいよ本格的な戦闘態勢に入った。午前中は選手の疲労度が高いことから休養に。午後3時から2時間半、アルゼンチンを想定した守備フォーメーションの確認、さらに紅白戦を40分行った。岡田武史監督(41)は「選手の理解度が非常に高い」と、戦術練習のスタートに、十分な手応えを得ているようだった。 岡田監督へのインタビュー 非公開にした理由は? 練習の内容は? 今後の練習は? 今回合流した、小野、市川ら若手の実力についての見極めはいつ、どうやってして行くのか? 中田の病状は? キャプテン井原選手より一言 井原 守備でも約束ごとがかなり多くなっている。それを全員でまずはきちんとこなすことだと思う。ミーティングなどで黒板で説明をされてきたので、ある程度具体的なイメージというのはつかめている。ただし、まだまだ精度が低く、1対1の強さをレベルアップすることが最優先ではないか。 日本代表はどう戦うか 報道陣だけでも約200人、さらにファンも100人以上がつめかけた中、この日の練習はクローズ(非公開)にはなった。しかし、選手が練習後に話すコメントをパズルのようにつなぎ合わせて行くと、何が、どう行われたかは少しずつあぶり出されて来る。 井原は、最終予選の際に行った3バックとの比較を質問されて、「全く違うイメージではないか」とだけ答えている。守備的練習では要となるGK・楢崎正剛(22、横浜F)は、「どうしても自分のチームと同じイメージでやってしまうので、それは注意された」とし、つなぐことを要求される横浜Fでは、何気なく自陣に出してしまうボールについて注意されたという。つまり、リスクは負ってはいけない、少しでも危険と思う場所には、例えフリーであってもボールを出すな、ということになる。 非公開の中での紅白戦のメンバーは、3バックで井原、左から秋田、斎藤、サイドは相馬、右が市川、中盤の底で名波、山口、トップ下北澤、トップがカズと城というシステムだったようだ。途中、小野が北澤と交代している。アルゼンチン戦への『青写真』は、少しずつ見えてきている。あすの攻撃のポイントで、チームには、どう戦い、アルゼンチンにいかにして勝つのか、そのイメージだけははっきりと植え付けられるはずだ。 名波、斎藤に「最新兵器」がオーダーメイドされることになった。 この日、2人が契約するアディダス社の本社ドイツから、靴作りの職人でもあるハートナット・クラー氏が来日し、足型の作成など細部の打ち合わせを行った。W杯モデルの特徴はアッパー部分がゴムでできているため、ボールの飛距離が出ること、スイートスポットの面積が広いのでボール扱いに利点が生まれるという。クラー氏は「2人の足型から中敷、インソール2つの下敷きを作る、足へのフィット感覚をより高めたい」と話していた。すでにデルピエロ、ジタンらのシューズもW杯用にモデルチェンジに入っている。 中田は、すでにかなり回復をし体を動かし始めたという。首脳陣は、東京での合流を示唆しているが、本人は一日も早い合流を望んでいる。 筆者から「試合は一番楽な練習の日」 女子マラソンの有森裕子がそう言っていました。確かに、サッカーに限らず、日本代表に限らず、練習というのは彼らの競技生活のほとんどを占めているのです。試合はいわば発表の場であり、相手もいる。彼らの努力や苦労のほとんどが、目に見えない水面下の戦いです。そういう部分もこのぺージに書いて行くつもりです。「できる限り」、とだけお約束します。よろしく。 |
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