昇級昇段Q&A

・(公財)合気会,出版芸術社 発行・合気道探求 第15号より・

道主は何段なんだろう?
審査員は演武の何処を見ているんだろう?
初段になるのには何日稽古しなければいけないんだろう?
そんな疑問に、本部指導部の奥村繁信師範が答えてくださいました。


Q:合気道の段級位はいつ頃制定されたのですか?

:本部道場を開設した昭和6年頃から、開祖は弟子に段を与えていました。 段とは、武道で、師匠から芸を伝授され、資格を認めて与える名目のことです。 支部道場が多数開設され、合気道をなさる方が増えてきたので、段級位制度をとるようになりました。 そして、昭和27年頃から規定化が始まり、何度も改訂して、昭和50年に現在の制度になりました。

Q:道主には段はないようですが、それは何故ですか?

:合気道は、茶道・華道と同じく家元制をとっています。 家元とは、芸道の伝統を、その本家として継承してきた家筋、また、その当主のことを言い、家元に段はありません。 だから、合気道を継承してきた本家の道主に、段はないのです。

Q:一級、初段の差というのは、囲碁や将棋のように明確な強さの基準になっているのでしょうか?

:一級と初段では、稽古、修行日数に差がありますので、技などに違いが出てきます。 しかし合気道は、以後・将棋のように勝敗を競うものではなく、本質的に心の修養を第一としています。

Q:女性や少年少女の段級位と成年男子の段級位とでは、質的な差がありますか?

:ありません。合気道の動きには無理がなく、特別な筋力も必要ないので、老若男女が同じ稽古をしています。 だから、段級位においても、質的な差は全くありません。

Q:合気道には試合がありません。したがって段級位の審査は特に厳正・公平でなければいけないと思いますが、 いかがでしょうか?また審査員には、資格のようなものがあるのでしょうか?

:合気道の審査は、受験者が「基形」の演武をし、3人の審査員が採点し、 平均の点数を出し、10点満点で、6点以上が合格となります。 技などは見る角度で、全く違う評価になる場合もあるので、最低、3人の審査員が必要なのです。
五段以上で、合気会が審査資格を認めた指導者が審査にあたります。

Q:二、三段の受験者の感想文や、四段の課題論文なども審査の対象となるのでしょうか?

:合気道に対する考え方や、精神面の理解度を審査するために提出してもらっていますので、対象になります。

Q:技の「品位」「美しさ」「豊かさ」も審査の対象になると聞いていますが、具体的にはどういうことでしょうか?

:人の心を打つ動きが品位です。技の力強さは美しさに通じ、円の動きが豊かさです。
演武時は身体の姿勢・バランスがよく、動きにリズムがあり、肩の力が抜けてリラックスしているか。 そして、技のタイミング、スピードなどを審査しています。また、呼吸力も大事です。

Q:昇段審査は1ヶ月の平均稽古日数が、15日以上でないと認められないそうですが、 1週に2回くらいしか稽古できない社会人などは、何年経っても審査は受けられないのでしょうか?

:受けられます。ただし審査を受けても、稽古日数不足では合格できないでしょう。 なぜなら、1週間に2日程度の稽古では月に8回、年に96回にしかならず、技のレベルアップは、とうていおぼつかないからです。
初段を取得するには、入会後、最低200日の稽古日数が必要でしょう。

Q:最高位は九段とも十段とも聞いていますが、どちらが本当でしょうか?

:戦前は八段、現在では九段が最高位です。また、亡くなられた方に、十段が贈られる場合もあります。 最近では、大澤喜三郎前本部道場長や白田林二郎師範に十段が贈られました。
合気道は武道であり、人間の精神と身体の統一を目指して修行してゆくことが眼目です。 九段、十段になりますと段の意味が違い、技だけではなく、どのくらい合気道を修行したかが重要になってきます。 また、合気道への貢献度も贈位の対象となります。

Q:成年男子が普通に稽古を積んだ場合、平均何年くらいで、どの辺りまで昇段するものか、基準のようなものはありますか?

:基準はありません。あえて日数で言いますと、順調に稽古を約15ヶ月(200日)積めば、初段の審査を受けることができます。

Q:他の武道には見られない「推薦」という規定が、何故あるのですか?

:合気会の会員で資格基準を満たし、合気道に対する貢献度が大きければ、それが「推薦」という形になります。 また合気会の会員の中から、人格的に優れており、熱心に修行している方を、 特別段位審議員(七段以上の指導者で合気会が任命した者)が本部に推薦して、道主が裁決します。

Q:各師範や指導員や道場によって採点基準に差はあるのでしょうか?

:審査要領に基づいて行っていますので、差はありません。

Q:技をかけれているときも、審査されているのですか?

:審査は取り(技をかける方)の動きだけではなく、受け(技をかけれている方)の受け身も審査されています。

Q:受験者は、審査で何点とったかを知ることができますか? また不合格の場合は、何処が行けなかったのか、アドバイスをもらえるのでしょうか?

:点数を知ることはできます。また指導の一環としてアドバイスもしています。

Q:最後に、合気道をされている方へのアドバイスをお願いします。

:「継続は力なり」と言いますが、いかに、その人に素質がなくても、稽古の数を続けていけば、 いつの日か、質的に必ず変化するものです。「反復は最大の教師」と胸に刻んでください。






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