採集報告:はじめての灯火採集
by えりー


灯火採集だっ!!
とんだハプニングもあったが,イワナの骨酒も飲み気分は否が応でも高まって いった.さあ出発. みんな装備を整え出発する.しかし,大人4人に発電器,そして灯火セット.こ れをエスクードでは一度に運ぶことはできない.一部は最初に登ったときに置い てきたのだがKAZさんには後部座席で苦しい思いをさせてしまった(ごめんなさ い!).途中,薄暗い道路で日本カモシカにばったり.残念ながら写真を撮る前 に薮に消え去った.

灯火の場所は林道の入り口の砂防ダム工事をしている川の中州に決定,ここなら 左右,上流の3方向に斜面がみえる.しかしそこにいくには工事用の鍵のかかっ ているチェーン止めを越えていかなければならない.こういう場合,たいていそ ばに鍵が隠してあったり,鍵そのものはダミーだったりする.案の定,チェーン のつながっているボトルはネジをゆるめればあっさり取れた. 中州に資材を運び込むと,灯火セットをくみあげる.今回用いたものは次のとお り.

発電器(レンタル)1.5kW
ガソリン10L
ハロゲン投光器 500W
捕虫用蛍光管 20W X 2
洗濯物スタンド
白シーツ2枚
クーラーボックス(ビールとワイン)・・・必需品


Fig.8灯火セット:手前の青い蛍光管が補虫用ランプ.奥はハロゲン投光器.


Fig9&10 灯火を見つめる大石さん(左)とKAZさん(右)


Fig.11&12チェックをかかさない支部長

のんびりご飯を食べていたせいもあって,採集開始時刻は8時をまわっていた. とりあえず,問題もなくスタートしたので皆ビールを飲んで待つ.待つ.待つ. 気温はどんどん下がってきており,20度は下回っているようであった.シャツ 一枚では少し寒かった. 飛来するのは蛾ばかりで,しかもそんなに数は多くない.いらだちをかくせず皆 うろうろする.


Fig.13&14私待つわ!&まっさきに飛来したオオミズアオ

わたしも,近くのヤナギの木を見にその場を離れていると,灯火のほうで皆が騒 いでいる.やった!ミヤマ♂だ!!


Fig.15&16飛来したミヤマ♂♂


Fig.17&18さらに飛来したミヤマ♂と♀

KAZさんは目がいいのか灯火セットに近づいてくるクワガタ虫が見えるらしい. 8時台に立て続けに4匹ミヤマ♂が飛来した.実際には闇のせいではっきりと飛 んでいる姿をみることは難しい.いつのまにか落ちていたということもあった. 9時をまわって飛んで来たのはミヤマの♀である.大石さんはシーツの下をめく ってみたらその中で1♀を発見.10時くらいまでに3♀が飛来.しかし,気温 がどんどんさがってきた.結局,はじめての灯火採集は10時半ごろ幕を閉じ た. 荷物だが2往復は大変なので,結局,発電器などの大荷物を駐車場に隠し置いて 帰ることにした.わたしと大石さんが駐車場に荷物を運んでいるあいだk-sugano さんとKAZさんは近くのキャンプ場に置き去りにされた.明かりなんてものは何 もないところできっと不安だったと思うのだが,実はそのお陰でちょっとしたお まけがついた.天空には天の川(!)をはじめ無数の星が見えたのだ.こんなに 満天の星はいくら田舎の福井県といえども市内ではみることはできない.あの星 空は今回忘れることのできない思い出のひとつになった.宿についたところで, 宿前の駐車場でK-sugano氏ミヤマ1♀発見.さらに宿内の階段で(^^;;;)1♀追 加.これには支部長,笑いが止まらなかった.宿に戻りTVをつけると,W杯日 本対クロアチア戦は後半終了直後であったようだ.みんなで今日の結果を検討し つつ美酒に酔った.


Fig.この日の成果(ん?採集品以外も入っている???)


Fig.ごきげんの支部長(左)お疲れの大石さん(右)


最後に
さて,結局この日の成果は総勢ミヤマ4♂5♀ということであった.サッカー大 好き大石さんがクロアチア戦観戦を捨ててまでも行った灯火採集であるので是非 ともボウズは避けたかった.数には不満が残るが全員が灯火採集は初めてという ことで,どういうものかということが分かっただけでもひとつ成果であったと思 う.時期もシーズンに入ったばかりということでこれからも同所での灯火採集を 続けるつもりである.福井県は韮崎や福島のようには一度に大量のクワガタ虫が 採れるところではない.雪も深いし平均気温も標高の割に低い.また,採集とい うのは時間のかかるものである.我々はそんなに暇ではないので,ポイントによ ってあるいは目的に応じて最も最適な採集方法を選び効率のよい採集を心掛けた いものである.私は県内の気に入ったポイントで採集をしたいという思いがある が,とにかく数を稼ぎたかったら場荒れしているとはいえ,有名産地にいくのも 一つの手ではあると思う.今回の灯火採集で,装備を整えるのに少し費用がかか るのと一人では危険なのでしにくい(熊の出るところは特に)などのデメリット はあるけれども,体力を使わずにビールを飲み,星を眺め仲間とクワガタ談義を しながら飛来を待つという愉しい採集方法の1つであると私は認識した.7月号 編集長は灯火採集の経験が豊富な松田氏である.是非とも将来的には「東の松 田,西のえりー」と人に云われるように灯火採集の極意をつかむべく経験を積ん で行きたいと思っている.今回,関西方面からわざわざお越しいただいた k-suganoさん,KAZさん,大石さんお疲れさまでした.

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