「怪説・世界のクワガタ」 第6回 コガシラクワガタ (3)

A.CHIBA


 次ぎに紹介するコガシラクワガタ(Chiasognathus) は5〜6種しか知られていない小属で、全てチリとアルゼンチンに分布しており、シワバネクワガタに負けず劣らず日本産のクワガタを見慣れている我々にとってその形態は奇妙に感じる。今回は4種紹介したが、他にChiasognathus schoenemanniと言う小型種とChiasognathus mniszechiseと言う種がいて、前者はクワガタムシ大図鑑に写真が出ている。後者は見たことが無く良く解らない。


fig5

 fig5は、日本でもよく知られているChiasognathus granti チリ−コガシラクワガタ でチリとアルゼンチンに分布している。またこの種は幾つかの亜種名が付けられていて、そのうちの ssp.pygmaea と言う種はよく見かけるのだが、ただの小型個体の様に見える。大きさは大腮も含めて最大で85o程度になるが、80o以上は稀。産地では一定の時間になるといっせいに飛ぶと聞く。


fig6

 fig6左、Chiasognathus latreillei チリに分布。前種に良く似ているが、大きくならず40o以上にはならない。その他に前種との相異は、同じ程度のサイズを並べて見ると本種の方が足が短い点で区別出来る。

 真ん中は、Chiasognathus jousselini チリに分布。本種には、全身に微毛がはえており、日本名ではケブカチリ−クワガタと呼ぶ人も多い。やはりあまり大きくはならず最大40o程度で、少ない種なのかあまり標本は見かけず多少高価。

 右は、Chiasognathus beneshi チリに分布。やはり小型種で大きくても30o程度、この属では一番小型。全身艶が無く一見するとシワバネクワガタの仲間に見えるが、頭部と眼の縁取りのカタチはコガシラクワガタである。

「参考文献」

世界のクワガタムシ科チェツクリスト

世界のクワガタムシ大図鑑



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