5.ミヤマクワガタの幼虫飼育

飼育の要

緩やかな餌環境の変化。

適切な温湿度の管理と調整。

(1)夏は温度を低く (2)冬は温度を高く (3)湿度は1年中高く

他のクワガタムシと同様に体内バクテリアとの共存をミヤマクワガタもしています。急激な餌の変化とならないように、容器を移す時には古いマットごと移動させ、序々に新しい餌を追加してゆき環境の変化を穏やかなものとするように心掛けます。湿度の管理ですが、蓋に挟むビニ−ル等で容器内の湿度を調整します。温度については室内で飼う場合は冬眠状態にはなりませんが、私は早く羽化させたいので温室に入れてます。これにより幼虫の期間を1年短縮出来ます。温室に入れないで飼った場合、2年かかりますがより大きな成虫に育つと思います。


幼虫飼育 その1.
成虫が全て死んだら、マットが乾燥しないようにサランラップをケ−スと蓋の間に挟みます。通気のためにまち針で沢山(60回位)穴を開けます。大きな幼虫が1cm位になった時点で個別に分離させます。2cm位になるまで待っても良いです。この時期まで待てば、遅い卵も孵化している筈です。初齢幼虫で分離させるのも良いのですが、孵化しない卵は少なくなく、死んでしまう初齢幼虫も多いです。私は以前必ず分離させてましたが、弱いものはいずれ必ず死ぬので、ずぼらして遅めの回収としてます。1度飼って見ると解りますが、幼虫はかなり大きな警戒音を出します。ギコギコって音で、足を擦り合わせて鳴きます。この警戒音によりお互いがかち合う事を避けているように思えます。このような警戒音の大きな種類は共食いが少ないのではないかと勝手に思ってます。



























幼虫飼育  その2.
幼虫の回収はこんな感じで、行います。幼虫を潰さないように細心の注意を払います。若齢のうちはこのような仕切り付きのパ−ツケ−スを使用します。コンパクトで便利です。DIYでは1000円前後で売っています。釣具店でルア−ケ−スを探してもいいと思います。密閉しないラフな作りなので、呼吸用の空気穴を空ける必要はありません。同じケ−ス内でも、部分的に乾燥する場所が出てくるので、時々覗いて霧吹きします。幼虫の移動はスプ−ンなどを使用し、手で直接幼虫を触らないようにします。噛みつかれないようにするためと、幼虫を人の手付いた雑菌から守るためです。





幼虫飼育  その3.
二齢もしくは終齢になり、パ−ツケ−スが狭くなったら、ミニプラスチックケ−スに移します。写真のものは中の仕切りで二分割出来るもので、通信販売で購入しました。4ダ−ス買って1個200円位だったと思います。メスであればこの容器のまま成虫になる迄飼えます。オスだと羽化が困難なので、オスは普通のミニプラスチックケ−スで飼います。












幼虫飼育  その4.
このようにマットの上を徘徊する幼虫が多いのも、ミヤマクワガタの幼虫の特性です。この場合は原因が二つあると思われます。一つは湿度が低い(乾きすぎている。)もしくは酸欠が考えられます。乾燥防止のサランラップ等を取り外し、霧吹きで幼虫に直接水がかからないように注意を払いながら、霧吹きします。そのまま置いておくと、翌日には潜ってる事が多いです。再度、幼虫が出て来るようであれば、マットを深めに追加して乾燥に注意しながら観察して下さい。その場合にはサランラップ等を挟まずに暫く霧吹きで湿度調整して下さい。潜ったらまたサランラップ等を挟みます。






幼虫飼育  その5.
下の写真は終齢幼虫の餌代えです。 私の場合は追加と言った方が適切かもしれません。幼虫の成長に合わせマットを増やして徐々に深くしていきます。古いマットと新しいマットの割合が半分づつ位になるような量を追加します。右端のもの幼虫は他の幼虫より黄色っぽいのが分りますか?蛹に近かづいたものはこんな感じになります。クワガタ飼育した事のない人から見るとイモ虫いっぱい飼っているのは、相当変なやつに見られると思いますが、飼ってみると成虫より楽しいものです。日々大きくなっていく幼虫を見ていると、なんだかとても得した気になります。

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