「怪説・世界のクワガタ」 第4回 ヒラタクワガタ (2)

A.CHIBA



 
fig3

 fig3、左は Dorcus tawnesi 分布はフイリッピンのネグロク島とパナイ島とされる。写真はネグロス島産56o、大きくても60o程度にしかならない様で、後ろ足にはブラシ状の毛が密生している。標本はたまに売られているのを見かけるが、以前は結構高い値が付けられていた。

 真ん中は Dorcus lachnosternus lumawingrum フイリッピン北ルソンBanaue産だが、写真の個体は小型。この種は前種と近い種で後ろ足にはやはりブラシ状の毛が生えており大型のものは歯型が違うぐらいで良く似ている。ネグロス島とパナイ島にはssp.lachnosternustが分布していて、ルソンのものよりは大きくなる様だが、やはり60o程度で最大らしい。ここに載せたルソンのものは体に赤みが有りネグロス産よりも小型で大きくても40oを少し越える程度のものしか見た事が無い。割と稀な種なのかあまり売られているのは見たことがなく見かけてもサイズの割に高価である。

 一番右は Dorcus intermedius でソロモン諸島Malaita産。ニュ−ギニアと近くの島々に分布していて、産地別に集めるのは結構大変である。やはり大きくても60oは越えない様だ。


fig4
 
 fig4の左と中央はDorcus arfakianus ニュ−ギニア島に分布。写真の歯型のタイプ以外に内歯がまった く無いタイプもいる。サイズは50o以下のものが多いが普通に採れると言う。パプアヒラタクワガタとしてよく売られている。

 一番右はDorcus mirabilis スマトラ島、ボルネオ島、マレ−半島に分布。写真はマレ−半島産、大きさは60oは越えない様だ。写真の個体よりも大腮が真っ直ぐで長くなるタイプがいるが割に稀である。また、スマトラ産は内歯が他の地域よりも大きい。



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