「怪説・世界のクワガタ」第2回 オオクワガタ(2)
A.CHIBA
fig 3
次の、fig3の左は中華人民共和国江西省産66o。ここの個体も日本産によく似ている。ただ他の中国産よりも点刻が細かいと言うのか、少し艶が有る。中国のオオクワガタの標本はどの産地もまとまった数が入らないようで、もっと多くを見たいものである。サイズも色々と噂されているが、最大型はいったいどのぐらいになるのだろうか。
真ん中は台湾台北県産70o のタイワンオオ、右のDorcus grandis grandisとの比較で並べて見た。この並外れた大型種であるグランデスが近年になって再採集された事は衝撃的であった。この種のDIDIERの図は以前より有名であったが、再採集されるまでは存在を疑う人もいたようである。台湾産とは前胸背板側縁のカタチが似ているが(並べたタイワンオオは似てないタイプ)頭部の小突起は日本産、台湾産、中国産よりいくらか中央によっていてparryi系に似ている。主にラオスのXieng Khouang近郊だけで採れるそうで、この写真の個体もラオス・シエンクワン産となっている。約70o有るがこのサイズでも中歯にもならず、いかにこの種が大型種であるか伺え、なかには90oに達する個体もいると言う。
次にfig4の左はタイランドDoi Inthanon採集、Dorcus curvidens curvidens 76o。このタイのチェンマイ近郊で採れたモノが、外国産のオオクワとしては初めてまとまった数、日本に入って来た種である。この種とタイ産アンタエウスの大型個体が、初めて東京のインセクトフェアにずらりと並んだ時はみんな相当熱くなった。
真ん中と右はNE India Darjeeling 産のDorcus curvidens curvidens78oと75o。大型になると写真のように大腮は他の産地のモノと比べていくらか角張って来る。また、体には艶がある。このDarjieelingあたりの個体は近年になってまとまった数、日本に入って来たが、この産地のモノが一番大きくなるようで、今のところ確実に80oオ−バ−の個体を見たのはこの産地だけである。 Dorcus curvidens curvidensは、北インドから、ミャンマ−、タイ、ラオス、ベトナム、中国の一部等に分布しており、その分布は広い。
fig 4
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