- 四国EVラリーとは
- 参戦記
- ラリーを終えて、ナビからのメッセージ
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四国EVラリーとは
四国EVラリーは1998年から毎年開催されていいる公道を利用したラリー形式で行われるEVレースです。今年は愛媛県新居浜市の新居浜工業高等専門学校を起点として2日間で9つのレグを初日6時間半、二日目6時間の持ち時間で走ります。
各レグは8.8キロから最長81.57キロまであり、かなりの性能のEVでないときついコース設定です。それぞれ新居浜工専をスタートして工専に戻ってくるようになっていて、全員同じ日程で走るのでなく、各チームの判断で好きな順番にレグをこなして2日の持ち時間内に完走したレグごとに与えられたポイントの合計で争われます。
持ち時間内にゴール地点で充電することはできますが、レグの途中での充電は禁止、伴走車を付けることもできません。
公道を使うため車検を取ったEVしか出られません。三菱自動車など数台のファクトリーチームの他、大学やEVクラブ会員を含む多くの個人など57台のEVが参加します。
くわしくは四国EVウィーク2002をご覧ください。
松本支部からは東京在住の奥貫氏がスズキアルトをコンバートしたEVハッスルで参戦します。
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参戦記
参戦する奥貫氏から伝えられるラリーの様子をお伝えします
- 8月23日早朝、いってきます
- 8月23日、四国への旅
- 8月24日、ラリー初日
- 8月25日、二日目
- チームリーダーからのメッセージ
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2002年8月23日早朝 いってきます
おはようございます、昨日までかかり新しい充電器(ローカルチャージ式100V〜 3相200Vまで)を車載したりコンタクター(コロバックのEV200)を付け替えたりして準備完了しました。バッテリーはGSより支給されたGPZ-170F51です(キャリー用ED-150と同型で重量のみ少し軽い) 液鉛式ですが都内を80kmほどテスト走行してまだ余裕がありました。
四国まではトウバーを使用してセダンで牽いて行きます。
ハッスルも改造車検を受けて千数百キロしか走行がありませんが、すこぶる快調です。さすがニューバッテリーは中古のFD-65の倍以上走ります。
1日目の持ち時間6.5時間、2日目は6時間しかありません。手持の充電器では持ち時間内では無理と考え充電器も奮発しました(某支部開発のローカルチャージャー)手持の充電器を持ち込む予定でエントリーしていたので3相200Vプラグだけですが戻ったら通常の100Vも使えるようにしたいと思っています。今回は完走を目標に頑張ってきます。毎日レポートするつもりで旧式のPCも持ちました。
それでは、これから出発します。
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2002年8月23日 四国への旅
午前6時、今にも降り出しそうな東京、目黒の自宅をEVハッスルと伴走(牽引)のセダンでスタート、東名の料金所まではEVで自走、料金所を通ったところでセダンとトウバーで連結しました(通行券はちゃんと2枚もらいました)。天気はいまいちですが涼しくてEVでの自走には助かりました。
東名から名神に入り、養老SAまでノンストップで走り、遅い朝食をとりました。そして中国道、山陽道から鳴門大橋をわたって四国に入り、徳島道へと、たくさんの高速道路を走って午後3時半、目的地の新居浜工専に到着しました。
長い旅でしたが思ったより時間もかからず着いてしまいました。さすがに早く着きすぎたようで事務局の準備もまだで充電コンセントも使えなかったのでのんびり待ちました。
午後7時半になって充電器の準備ができたので(遅くまでご苦労様でした)、朝自走したぶん軽く充電してホテルに向かい、今日の行程は終わりました。
レポートをメールで送るつもりだったのですが、ホテルの部屋にモジュラージャックがなく、手書きのFAXによるレポートになりました。明日以降もラリーの様子をレポートします。
事務局よりひとこと
東京から養老SAまで一気に走るとはやっぱりただ者ではありません。
さすがに国内ラリーのナビで鍛えただけあります。明日からの競技に期待したいものです。がんばってください。
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2002年8月24日 ラリー初日
朝7時に起きてまず車検を受けます。このときバッテリーケースが封印されました。これ以降は特別な事情がない限りバッテリーの交換だけでなく、点検もできません。
車検が長引いてスタートが遅れ、ゼッケン順、30秒ごとのスタートで私たちがスタートしたのは10時28分、これから16時58分までが持ち時間です。幸い天気も良く、しかもそれほど暑くないので快適です。どのレグからこなすかは各チームに任されていますので、私たちは初日に距離が中くらいのレグをできるだけたくさんこなしておくという方針でいくことにし、まず22.36kmのレグ3の走破に向かいました。
コースはコマ地図で指示されます。国内ラリーでコマ地図には慣れているので難しくはありません。市内を抜けて総合科学博物館に行って新居浜工専に帰ってくるコース、指定されたチェックポイントで撮った記念写真が完走の証明になります。これは楽にこなしました。次に23.41kmのレグ4、これも距離的にはどうということはないのですが、私たちは新居浜市に来るのは始めてで、練習走行もしていないので、関東の地理に慣れていると北側に海があるというのはどうもピンと来なくてちょっと道に迷いました。
次に挑戦したレグ5は2セクションに別れていてそれぞれ峠越えがある31.61Kmと36.29kmのコースです。眺めは良かったのですが峠越えはさすがにきつく、これまでは周囲の流れに合わせて走ってきたのですが、このレグの後半ではバッテリーをセーブしてゆっくりした走りになりました。
ここまでの走行距離106km、最後のレグに備えて充電します。人間のほうも昼飯で充電です。三菱のワークスチームなどは昼頃には予定のレグを消化していしまっていますが、プライベートチームはこれからが勝負です。
持ち時間が足りなくなるのであまり長い時間充電できません。1時間半ほどでバッテリーの電圧が126V(1個あたり12.6V)になったところで切り上げました。明らかに充電不足ですがやむをえません。
残ったレグの中で距離が短めのレグ6(36.29km)を選んで出発しました。このレグは「やまじ風公園」と「黒鳥海浜公園」を回ってくるコースですが、市街地の背後に山が迫っている地形からか、主催者の配慮?か、かならずアップダウンのあるコースになっています。
やはり充電が十分でなく、ちょうどコースの半分ほど過ぎたところで止まってしまいました。この時点でオフィシャルに連絡して指示を仰げば良かったのですが、持ち時間をオーバーしていたためタクシーで引き返して乗用車に乗ってきて牽引し、そのまま牽引でゴールしてしまいました。このためレグを落としただけでなく、30ポイントの減点になってしまいました。
夜、参加者の交流会が開かれ、お弁当をつつきながら話に花が咲きました。
今、EVは充電中です。昨晩は過充電を心配して夜中に充電器を切ってしまいました。思ったより距離がいかなかったのはこのためかもしれません。今晩は目いっぱい充電して最終日に備えます。
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2002年8月25日 二日目
今朝は朝6時スタート、私たちの車がスタートしたのは6時7分でした。充電の状態が良さそうだったので一番ポイントが高いレグ9-3(81.57km)に挑戦しました。海岸沿いに西条、今治まで行くというもので、距離がある分アップダウンは少なく、平坦なコースです。
最初はバッテリーの様子を見ながら慎重にこなしていきましたが、思ったより調子が良く、朝8時過ぎに無事ゴールしました。
朝食を兼ねて2時間充電し、10時にレグ7(53.54km)に出発しました。今日は良い天気で暑くなってきました。昨日の走行距離が109kmだったのですから欲張らずに短いレグ2あたりにすれば良かったのですが、53kmはちょっと無理でした。半分ほどいったところでバッテリーがなくなりました。なんとか引き返して自走でゴールしたので昨日のように減点はありませんでしたがチェックポイント不通過でこのレグは落としました。バッテリー残量が無いので加速テストと電費テストは参加できませんでした。
午後から表彰式、日差しがきついのでみんな日陰に避難して見守っています。まったく予想していなかったのですが、軽自動車部門同着7位入賞でした。初めて訪れる土地で初参加の競技で思わぬ好成績、夜はチームでささやかな宴を開きました。明日は朝早く出てゆっくり東京を目指します。
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チームリーダーからのメッセージ
車いじりが好きでとうとうEVを造ってしまいました。
車検を受けて通常の使い走りに使用していると、毎日のようにボンネットを開けるし、走行後は必ず充電をします。これが手造りの良さと言うか、何処をとっても自分で手を入れたところばかりで本当の愛着がわいて来ます。
そしてこれから改良すべき個所が何箇所も浮かんできます、それがまた楽しいのが、不思議です。
いつまでたっても未完成で、楽しみを残しているのがEVの良さなのでしょう。
街乗りに使用していて、今度は限界を求めるようになってきます。
車の歴史を見ても、どれだけ多く走れるか?が耐久レースになり、過酷な走りを求めてラリーに向かってきました。EVであっても車本来の求められる方向へと行くのは私だけの事ではなさそうです。
7月の筑波3時間耐久に参加、そして今回は四国まで来てしまいました。
30数年前に国内ラリーで組んでいた相棒がこころよく付き合ってくれた事もあり、本当に久しぶりにコマ図頼りのラリー気分を満喫する事が出来ました。
若さ任せのドライビングを誇っていた相棒もおとなしい走りをしてくれましたし、(速く走る必要も無いこともあり)コマ図を読みながら、○○メートル先ドンツキ3時方向、次逆ト字路を7時方向、20km道なりとか懐かしいナビ会話を交わしながら本当に楽しい2日間を過ごせました。
スタート地点では若いかわいいアナウンサーにドライバー、ナビ合わせて118歳などと紹介されて誇らしい気を感じさせられつい完走が目的です、などと言ってしまいました。
主催者もさるもので我々のクラス、軽自動車、直流モーター、鉛バッテリーでは全レグ完走は無理なような設定になっていました。交流モーターにリチウムイオンバッテリーならば全レグ完走も出たのではないかと思います。
直流-鉛での完走車は、普通車に2セット搭載車が数台出ておりました。
地理に不案内の四国まで来て思わぬ部門7位の成績を収める事が出来たのも、多くの人たちにアドバイスをもらったり、声援を頂いたたまものと心に刻んでおります。
今回はセダンでEVを牽いての参加でした、関東からの参加はメーカーと大学のサークル数校しかありませんでした。やはり往復1600kmはかなりきついものがありました。何台かまとめて積載車をレンタルすれば費用の面でも節約でき遠征も楽になるのではなどと思いました。
また、今回は駅(電)伝も併催されていてこちらも楽しいイベントの1つになっていました。
東京から自走(某メーカー)四国外周を発電機を牽いてどれだけ多くの寺廻り出来るかなど13チームがエントリーし、主催者が充電協力工場などの確保(四国内47箇所)してもう一方で楽しさを倍化させていたようでした。
来年も行くぞ!!、駅(電)伝もやりたい!!
そんな四国EVラリーでした。声援ありがとうございました。
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