ツール王国の激安戦略

 タイトルに激安戦略と書いたが、正気の沙汰とは思えない激安ぶりだった。薄利多売というレベルではない。戦略無き激安であったとさえ言っていい。彼らの戦略がどうであれ、我々はその恩恵を受けることが出来た。いや、美味しいところだけを食いあさった。一部は、過去の特別企画でも紹介している。

  http://az-1.chicappa.jp/tokubetu/461/461_6.html
  http://az-1.chicappa.jp/tokubetu/461/461_7.html
  http://az-1.chicappa.jp/tokubetu/461/461_8.html


 どれだけ安いか、またその驚くべき戦略ぶりを直近のキャンペーンチラシで紹介したい。
 以下の写真は2月より始まった「この春のプレゼントどぉ!」というキャンペーンのチラシである。10万円、20万円、30万円以上買うと、プレゼントをくれるというのだが、そのプレゼントが正気の沙汰とは思えない。ものすごいのだ。

 10万円以上買ったら、結構大きめのコンプレッサーがもらえる。定価ベースでいうと、売上高の1/4がプレゼント代金に消えてしまう。




 20万円以上では、売り上げの1/3がプレゼント代金だ。




 店舗でメンバーになった人には、時計をくれた。この時計、突然00:00になったり、正常に動いても1ヶ月に5分は進むというとんでもないものなのだが、現在も使用している。




 また初めて通販で購入した人には、1GBのUSBメモリーをくれた。




 商品単体を見ても安い。600mmもある超ロングのブレーカーバーが980円である。しかもこいつは、1月に行われていた「この価格、バカじゃなかろうかキャンペーン」では1780円で売られていた。2ヶ月でさらに800円ほど値段を下げてきたのだ。




 ほぼ同時期に行われたセールで、同等性能の商品がアストロで売られていたが、各店舗10本限定で1480円である。上の写真をよくみてもらうとわかるが、ツール王国の通常価格は1280円。アストロが特価で販売した価格よりも、ツール王国の通常価格の方が安かった。




 激安ゆえか、ちぐはぐな対応も目立った。キャンペーンの特価商品は在庫がない場合がほとんどだったのだ。店舗に行っても在庫なし、本社へ行っても在庫なし。通販でも在庫なし。発注して2ヶ月待ちはざらだった。普通、在庫が余っているから安く売る、もしくは売れ筋の目玉商品を多く確保してからキャンペーンを行うところだが・・・売ろうにも弾がないんじゃあカネが入ってこない。一旦キャンペーン価格で受注をとって、数が確定してから工場に作らせることで在庫をためずに安く売る戦略じゃないかと思ったくらいだ。
 また突然キャンペーンが中止になることもたびたびあった。「買えば買うほどお得セール」は、エイシンにとっては「売れば売るほど損するセール」ではなかったのだろうか。




 今考えると、戦略無き激安と言わざるを得ない。