運用指針4 他のHPを取り込む

 コンテンツの充実を図ると言っても、人間限界があります。またコンテンツの充実によって大いに盛り上がっているHPに影響を受けて「自分もHPを作りたい!」という感情が先に立つのか、物事を合理的に判断できないのか新たなHPを立ち上げるという人も出てきますし、既存のHPに抜けているコンテンツに特化した新たなHPを作る人もいるでしょう。このような状態を放置すると、核となるHPが存在しないために先ほど述べた情報の分散化につながる恐れがあり、自分のHPだけでなく、全体の活気も失われることになりかねません。
 それを防ぐには、次の2つの方法があります。簡単に言うと、自分のHPが核となるようにすればよいのです。

1.他のHPを取り込む
 基本的にはリンクすることですが、トップページからリンクしてしまいます。要するに、あたかも自分の作ったHPのコンテンツの一部であるかのようなリンクの張り方をします。いわゆる「リンクのページ」からリンクするのではありません。かなり強引な方法ですが、有効な手段です。

2.特定のコンテンツを他の人に任せる
 これも基本的にはリンクになります。先ほどと異なるのは、自分とリンク先とがある程度の合意ができている点です。たとえばバックグラウンドの画像を同じにして、本当は他人のHPなのに、あたかも自分のHPのようにみせるやり方です。

 「なーんだ、これだったらHPができた当初から実行すればいいじゃないか」とか「コンテンツ不足を補うためにリンクしたり人に頼んだりするんだから、自分のところの手を抜いてもいいや」と思われるかもしれません。しかしこの方法は、自分のHPのコンテンツがしっかりしており、求心力を持ったとき初めて成立するやり方なのです。さらに自分が中心となって全体をまとめていくという覚悟や熱意がある場合においてのみ、適応することができます。それがなければ、人に頼んでも動いてはくれません。なお、全体をまとめていく覚悟や熱意は、前述のHPの目的や理念・理想が自分自身で明確になっていれば、自然と出てくるものです。また、求心力が出てくるとは、アクセス数で判断すると100件/日を越えるあたりでしょうか。アクセス数が100件/日を越えないと意味がない、と冒頭で述べたのはこのためです。
 ところで「2.特定のコンテンツを他の人に任せる」には重要なポイントがあります。それは熱意のある人、特定のコンテンツに関して高い知識を有している人、何事もやり遂げる実行力のある人を見極めた上でお願いすることです。よく「HP制作スタッフ募集」という具合に「だれが手伝ってくれてもOK」みたいなことを書いているところがありますが、これをまねしてはいけません。理由は何も考えずに「面白そうだ」と、勢いだけで手をあげる人がいるので長続きしないためです。実際私の知っているHPでも、制作スタッフはたくさんいるのですが更新がままならないというところが散見されます。恐らく、「あっちの制作スタッフがまだ更新してないから、俺も更新しなくていいや」という思いが相互に働いて、いわゆる「なーなー」の状態になってしまったためでしょう。特定の人のHP制作負担を減らすために導入した制度が、逆にHPの活気を失わせてしまうのです。加えて、リーダーがたくさん存在するため全体の意思統一も行いにくいという問題も出てきます。企業のように金で動くのではなく、個々人の能力とモチベーションによってHPは動いていますから、船頭は少ない方がいいのです。
 では、「熱意のある人、特定のコンテンツに関して高い知識を有している人・・・」を、どのように判断すればよいのでしょうか。もしこれを通常の仕事で行うのであれば、各人の能力や人柄をよく知っているため適切な人材を選定可能です。しかし、インターネット上では一度も会ったことのない人にお願いしなければならない場合もあります。通常ならば判断できません。そこで私の場合は、メールでのコミュニケーションのレスポンスの早さと的確さを判断材料の1つとして用いています。これは「メールも素早く書けない人が、HPの更新などできるわけがない」という考え方に基づいています。またメールの中身によって、お願いするコンテンツに対する知識の判断ができます。それから、すぐに感情的にならない人柄というのも判断材料に使えるでしょう。皆さんもよくご存じの通り、メールでのコミュニケーションでは細かいニュアンスが伝わりにくいため、場合によっては自分の真意とは異なる受け取られ方をして、トラブルとなることが多々あります。ちょっとしたことですぐに感情的になられてしまい、まともに話し合いもできなくなってしまっては、更新どころではありません。
 もちろん以上の判断材料以外にも有効なものはあるでしょうし、時と場合によっては妥当性を欠くものになるかもしれません。あくまでも目安の1つとして考えてください。