「217万人、国民の約60人に1人です。」
入院している人が、34万人、在宅や施設などを利用している人が183万人の合計217万人、平成8年現在で厚生省が推計している精神障害を持つ人の数です。
一方で、国民病といわれている糖尿病で690万人。この数字と比較してみても、217万人は決して少ない数字ではありません。
[横浜市発行の広報誌「人権特集号」より]
1年のうちに5人に1人が精神面に障害 米で初の報告書
米国人の5人に1人が、1年のうちに精神面で何らかの障害を来すことが、米厚生省公衆衛生局の精神衛生に関する初の報告書でわかった。さらに、治療を要する人の半分以上が適切な治療を受けていない実態も浮かんだ。シャレイラ厚生長官は「真の繁栄のためには精神面の健康が基本」と、経済的な繁栄の陰で忘れられている問題を強調した。
この報告書は、米国人の半数は一生のうちのある時期に、うつ病や強迫神経症などの精神的な病気にかかることも指摘している。精神的な病気のために仕事ができなくなる人は心臓の病気に次いで多く、同長官は「公衆衛生上の危機」と訴える。
にもかかわらず、うつ病などで治療が必要な1000万人のうち、半分以上は治療を受けていない。ここ数年、脳の研究が進み、さまざまな治療が可能になっているのに、精神的な病気に対する無理解や偏見があり、治療を受けるときの障害になっている。報告書はそう分析した上で、「精神的な病気は身体的な病気と違うという恐れが人々にあるが、同じ問題なのだと理解する必要がある」と説く。
[朝日新聞(2000年1月5日)より]
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