頼れるカウンセラーの見つけ方
あなたをサポートしてくれる臨床心理士の見つけ方

このページは、創元社の「臨床心理士に出会うには」 日本臨床心理士会[編]
という著作を参考にして作成いたしました


Written by 中原 憬(けい)

2002.08.24 更新



カウンセリングに行こう!

こころの問題を抱えているとき、一人悩み続けても行き詰まってしまうことがあります。人に相談せずに、自ら解決していこうという姿勢は大切なものですが、そんなときには、専門家の力を借りてみませんか?
一人で考えるよりも、二人で考えた方がいいですし、あなたのこころの荷物をたまには下ろして話を聞いてもらうことは、あなたの気持ちをずっとラクにしてくれるはずです。人に頼ることも時には大切です。

専門家は、体系化された各種技法を身に付けていますし、話をじっくりと聞いてくれるはずです。また、職業上の守秘義務から秘密を漏らすこともありません。


一体どこに相談に行けばよい?

さて、私の相談を聞いてくれるカウンセラーは一体どこにいるのでしょうか?
実は、「カウンセラー」と名乗るには、何の資格もいらないそうです。実際、NTTのタウンページを開いてみると、実に多種多様な民間の相談機関があることに驚かされます。しかし、これらの民間の相談機関には、もちろん優れたカウンセラーもいるでしょうが、宗教団体の勧誘窓口だったり、インチキまがいのものもあることは残念ながら事実です。十分に注意して選択する必要があります。

このような民間カウンセリングが乱立する中で、ひとつの信頼しうる資格があります。「臨床心理士」という資格です。タウンページの広告でも「臨床心理士」がいると書いてあるところは、ある水準をクリアしている民間の相談機関だと判断できます。


「臨床心理士」とは何?

臨床心理士とは、1989年に文部省の認可のもとに「財団法人日本臨床心理士資格認定協会」が規定した資格を持つ、「こころの専門家」です。臨床心理士の資格は、基礎的な知識と経験を持ち、しかも人格を信頼しうるという側面から規定してあるそうです。2001年現在、全国に6000名ほどが資格をもっています。会長は、多くの著作を上梓し、カウンセリングの世界で知らない人のいない河合隼雄先生です。


「臨床心理士」はどこにいる?

上述した民間相談機関以外では、次の相談機関で臨床心理士が働いています。
  • 教育
     スクール・カウンセラー、教育研究所(センター)
  • 福祉
     児童相談所(対象は18歳未満の子供とその親)、療育医療センター(対象は障害児とその親、障害者)、各種福祉相談窓口
  • 医療
     総合病院の精神科など、精神科クリニック、精神病院、精神保健福祉センター
  • 司法・矯正
     警察・少年相談、家庭裁判所少年部・家事部、少年鑑別所、少年院
  • 大学・研究
     大学・研究所付属相談所、学生相談所(保健管理センター)
  • 企業
     企業内カウンセリング室
・・・と名前だけ聞いても、漠然として、身近に感じられない所ばかりですよね。


お勧めの本「臨床心理士に出会うには」

臨床心理士に出会うには そこで、お勧めしたいのが、「臨床心理士に出会うには」日本臨床心理士会[編] (創元社)という本です。

この本には、臨床心理士のいる各分野の相談機関が網羅されており、日本全国1590カ所の相談機関の案内が載っています。各都道府県別に、【所在地】、【申込方法】、【電話】、【FAX】、【e−mail】、【相談日】、【料金】、などが整理されて載っていて、詳細な情報を得ることができます。

【特徴・備考】という蘭を読んでいるだけで、どのような性格の相談機関かよく分かって大変便利です。
適当に抜書きしてみますが、例えば、こんなことが書いてあります。
  • 【特徴・備考】悩みや症状の改善、心身の回復法として、カウンセリングと絵画、箱庭その他の各種のイメージ療法と自律訓練法、呼吸法、催眠、坐禅などのボディワークと食事療法を個人に合わせて心療を行っている。
  • 【特徴・備考】医師と臨床心理士がいる。自費診療の精神分析的精神療法と、精神科一般診療を行うクリニック(医療機関)。
  • 【特徴・備考】ビルの中のクリニックで来院が楽。漢方の専門医もいて、煎じ薬も可。
  • 【特徴・備考】自宅での個人開業。教育、育児、人間関係、心身のストレスなど。心とからだの全体からのやさしいアプローチが特徴。
  • 【特徴・備考】総合病院の精神科。精神科の入院設備はない。臨床心理士3名。他科、特に摂食障害を専門とする内科との連携にも力を入れている。もちろん心理療法の対象者はこれに限らず、多岐にわたる。
  • 【特徴・備考】事故や犯罪の被害にあった方々を支援するプログラムのひとつとして、カウンセリングを行う。担当の警察署員にカウンセリングを希望する旨を申し出ていただき、電話で面接の日時を決める。
  • 【特徴・備考】民間で無料の相談室。原則として神奈川県在住または在勤の親と教職員のために開かれている。臨床心理士・教育経験者・大学教員などが対応する。
  • 【特徴・備考】精神力動の観点より深層心理の解釈を施行。性別・年齢に関係なく、難治性疾患の改善に期待が持てるので、心療内科などからの紹介も多い。
  • 【特徴・備考】寺院の設ける相談室で、「何でも相談」「よろず相談」を受け付けている。静かな落ち着いた境内があり、来談者の心の支えになっている。
  • 【特徴・備考】一切クリニック的な雰囲気はなしとしている。一般の住宅に来訪するように看板なども目立つものは設置していない。
  • 【特徴・備考】ひきこもり・摂食障害・神経症・うつ状態などの行動やコミュニケーションの問題に対して、効率的、効果的な心理療法や家族療法を通して解決をめざす。本人が来られない場合、家族のみの相談も可。
  • 【特徴・備考】原則として同性のカウンセラーが対応。返金、オープンルーム、ミニカウンセリングの制度がある。
  • 【特徴・備考】総合病院内の精神科。25床の開放病棟で公務員、会社員等のナイトホスピタルも実施している。心理相談は、医師がカウンセリングが適切と判断し、心理に依頼した場合に実施している。
  • 【特徴・備考】日本語以外に英・独・仏・オランダ・タガログ語によるカウンセリングも可能。心理テスト(WAIS、ロールシャッハテスト等)も必要に応じて行う。
このように、一口にカウンセリングや相談といっても、本当にいろいろな相談機関があります。ご自分にぴったりする相談機関をこの本で選んでください。なお、ホームページのURLが書いてある機関もありますので、さらにインターネットで情報を得ることもできます。


身近な相談機関を検索しよう

下記の「Google」検索窓に「臨床心理士」と半角の空白がすでに入力されているので、この後ろにご自分がお住まいの地域名を追加して検索してみてください(AND検索になります)。たとえば、「臨床心理士 横浜」という具合です。

Google


精神科に行くべき?

総合病院の精神科・心療内科、精神病院、メンタルクリニックなどは、医療機関であり、医療行為のもとで投薬治療が可能な点がほかの相談機関と大きく異なる点です。抗鬱剤のほか、精神安定剤、睡眠剤など、即効性のある薬を処方してもらうことができます。また、入院施設があれば、心が落ち着くまでゆっくりと入院して治療することも可能です。もちろん、幻聴、幻視などの明らかなこころの病気があれば、これらの医療機関での治療が必要です。

もし、総合病院の精神科・心療内科、精神病院、メンタルクリニックなどに行く場合は、「お医者さん・探してネット」で検索することをお勧めいたします。簡単な操作で条件に見合う医療機関が探せます。このページで紹介しています。


いますぐに相談したいときには?

「いのちの電話」をお勧めします。365日24時間、訓練されたボランティアスタッフがあなたの話を聞いてくれます。東京だけではなく、各地の「いのちの電話」の電話番号も書いてあります。このページで紹介しています。





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あなたの心に安らぎが戻りますように





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