【11月1日(月)〜2日(火)】


 ミステリ未読消化を続行。本多孝好『MISSING』、加納朋子『沙羅は和子の名を呼ぶ』、倉知淳『幻獣遁走曲』、二階堂黎人『クロへの長い道』など、未読・読みかけだった短編集をまとめて読む。
 今期のTVアニメは、やはり『THE ビッグ・オー』と『今、そこにいる僕』か。一番はやっぱり『∀』なんですが。『メダロット』も回によっては無敵。すでに録画を中止したのは『タイガ・アドベンチャー』。『ダイガード』は主人公のキャラがつらくて未消化ビデオが溜まり中。『リヴァイアス』は『ふぞろいの林檎たち』みたいな気がしてきた(笑)。
 ワンダフル枠では『いつも心に太陽を』が今日からスタート。いきなり尺が半分になり、一日一話はちょっとつらい。そういえば、2日のめざましテレビ「きょうのわんこ」には喜国さんちのこたが登場。ものすごく名犬に見えた。
 連ドラでは、『OUT』がすごくがんばってますね。傑作かも。あとは『隣人は笑う』(だっけ? 本木のやつ)がへん。大塚寧々が好きなのかもしれん>おれ。




【11月3日(水)】


 4時、神楽坂の日本出版会館で、ワセダミステリクラブ主催のトーク。北上次郎×池上冬樹という珍しくない顔合わせだが、壇上でおたがいの読書体験を突っ込み合うのはけっこう新鮮。北上次郎はやっぱりトーク慣れしてますね。これなら来年の日本SF大会も安心だ(ゲスト依頼済みです。北上さんは忘れないように。ちなみにZero-conのページはここなので日程等確認しておいてね。西暦2000年8月5〜6日です)。
 と書いていることからわかるとおり、北上次郎はすっかりインターネットの人になっている。毎日2時間はつないでいるらしい。
「大森の日記は週に一回チェックするだけでいいからな」とか、すでにいっちょまえ。インターネット検索も、本の検索サイトもきっちり使いこなしている模様。先生がいいのか、素質があるのか。巡回サイトは内緒にしておきたいらしいが、あなたのページも北上次郎に読まれているかもしれません……。ますます油断できない(笑)

 二次会は例によって稲門ビルの満腹亭。北上次郎は若い学生に囲まれて嬉しそう。「こういうところで若い人の話を聞かなきゃダメなんだよ」とか威張っている。その結果、《本の雑誌》紙面の中年化に歯止めがかかることに期待したい。《本の雑誌》ジュニアというのはどうですか。ライバルは《別冊活字倶楽部》、みたいな。
 三次会も居酒屋で学生組といっしょ。大森もワセミスSFパートの現役学生と話をして、最近の傾向を取材。新刊のSFはあまり読まないらしい。じっさい、ハルキ文庫の再刊読んでるだけで済んじゃうもんなあ。去年と今年で、日本SFの名作はすでに60冊ぐらい復活しているのだった。第一世代の代表作と同じ土俵で闘うんじゃ、新刊もたいへんである。
 しかしワセミスSFパートでは《アステロイド》刊行計画も水面下で進行中とか。

 三次会は業界周辺の中年組だけで《和民》。めちゃくちゃ混んでましたがめちゃくちゃ安かった。さすが。
 河出書房《文藝》編集部の女性編集者、S田さん(初対面)が、とても河出の編集者とは思えない豪快さんで、一次会から飛ばしまくり。文藝別冊のミステリ特集のためにあちこち原稿依頼しているらしいが、
「みんなにやめろって言われるんですが、SFもやりたいんですよ。わたしSFが好きなんで。『SFの果てのレストラン』とかどうですかね。みんなでSFの終末を見物する、みたいな。わっはっは」
 って、そう言われましても。まあしかし、西暦二〇〇〇年にSF本出すのは正解だと思います。ブックガイドは売れると思うけどなあ。

 四次会は当初の予定通り麻雀。北上次郎、西上心太、池上冬樹、大森というメンツ。当初の予定通り、北上次郎大勝。西上心太のひとり沈みで、大森はとんとん黒字(笑)。清一一通一盃口確定にドラ4のダマ聴で目が覚めたが、上がれなくては無駄ですね。最後まで麻雀なんかしたくないと抵抗していた西上さんは一回も浮かず、とことん不幸でした。




【11月4日(木)】


 夜まで仕事。今日が締切の『このミス』ベストテンを送る。別立ての原稿は後送。
 斉藤友子画伯がガイナックスで仕事の打ち合わせのあと、さいとうよしこともども吉祥寺で接待宴会に出てるというので、終わりごろ合流。うたたねひろゆき夫妻とか、武田統括本部長とか。
 二次会は夜中からJOYSOUND。いやあ、山賀博之氏のカラオケを初めて拝聴しましたが、オレの山賀観を一変させるに充分な迫力でした。GOLD FINGER'99とか凄絶。さらに、本場の「残酷な天使のテーゼ」とか。ガイナックス女性社員の歌う「ブルー・ウォーター」とかもあって、やっぱり本場物は違うね。
 澤村社長は「タバコロードにセクシーばあちゃん」とか独自路線。赤井孝美氏は飛び道具中心。アニソン度が意外に低いのはもう飽きたのか。あとはおなじみ佐藤てんちょさんにひぐちきみこ先生、それによく知らない若い人たちと若くない人がひとり。
 途中、空腹に耐えかねてひとりで抜けて吉野屋で牛鮭定食食べながらゲラ読んで戻ってきたけど全然テンションが落ちてないなり。元気だなあ。
 解散は午前5時。




【11月5日(金)】


 夕方起きるとまたしても風邪っぽい感じで頭が痛い。まあなんとかなるだろうと、映画『月光の囁き』のトーク(喜国雅彦×みうらじゅん)を見物にテアトル新宿へ。劇場前は長蛇の列。ビターズエンドのK寺さんに挨拶して横入り、国樹由香嬢や斉藤友子、昆童虫夫妻などなどと合流。
 トークのほうは、シベ超の続編の話とか、ゆうばりファンタに自主映画(ビデオ)持ってったときの話とかでみうらさんががんがん飛ばし、場内爆笑の渦。まるでボックス東中野のようでした。ていうか、映画秘宝オールナイトに呼べ。小松沢ネタとかも振ってたのに、客層がいまいち合ってなかったのが惜しい。
 トーク後、すでに映画を見てる人たち6人(うちの夫婦と喜国夫妻とみうらさんとマネージャーさん)でお茶。
 11月20日『月光の囁き』オールナイト(『乱歩の盲獣』『百恵の春琴抄』『団鬼六の花と蛇』と4本立て)のトークの相方がまだ決まらないとかで、「こうなったら大森さんしか」と言われるが、その日は京フェスなんだってば。「大槻ケンヂとかどうすか」と言ったら、「いいか、大槻でも」っておい(笑)。どうせならGLAYのTAKUROでも、とかゲスト選択で盛り上がる。とりあえず性生活のネタを振らない人が望まれているらしい。彩古さんと古本の話を二時間して客がみんな帰るというのはどうか。
 みうらさん組が引き揚げたあと、残り四人でテアトル新宿に戻り、しばしロビーで立ち話。トークが押して終電間近なのでみんな逃げ足がはやい。
 結局、残った喜国夫妻と斉藤姉妹と5人で花園神社にくりだし、一の酉を見学。屋台で空腹を満たし、見世物小屋を見物し、珈琲貴族でお茶飲んでタクシー帰り。




【11月6日(土)】


 SF人妻にわたすためのカッパ先生入浴セット(光文社文庫のノベルティの洗い桶と手拭い)を抱えてユタへ。志村が電子書籍コンソーシアムのEbook専用ビューワを持ってきてたので見せてもらう。たしかに液晶はきれいだが、48メガのメディアに2冊分のデータしか入らないというのでは使いようがないのでは。
 スキャンデータを画像として扱うほうが手間もコストもかからないのは道理としても、現在の帯域幅ではオンライン販売は無理。ADSLならなんとかなるレベルだが、それならMP3のオンライン販売のほうがはるかに可能性があるような。コピー対策に気を遣いすぎでしょう。
 専用端末も重すぎ。これではNECのデジタルブックの失敗からなにも学んでないとしか言いようがない。まあしかし、実験段階で5000タイトルのスキャンデータを蓄積したのは立派。マンガ以外はOCRにかけてテキスト化すれば、あとはなんとでもなるし。

 11月20日の京都SFフェスティバルでは、電子出版関係のパネルもある模様。ゲストは中西印刷の中西秀彦社長。ていうか第二期京大SF研の創設者ですが。
 ちなみに今年の京フェスのスケジュールは、

本会:芝蘭会館  11月20日(土)10:30会場   11:00開催
合宿:旅館さわや 11月20日(土)18:00受付開始 19:00開催 翌日8:00迄

 だそうです。21日の夕方には、京大SF研20周年記念パーティも予定されているので、もしかしてまだ詳細を知らないOBの人がいたら連絡してください。

 昼間の企画は、

●印刷と出版の未来(仮題)
 中西秀彦(中西印刷)×小浜徹也(東京創元社)ほか
●「新世紀の巨匠 グレッグ・イーガン」
 講演:山岸 真 聞き手:細井威男(京大SF研)

 のほか、ヤングアダルトのパネルがある模様。三村美衣×喜多哲士で、司会は一乗寺理希らしい。
 田中啓文が「そんな話は聞いてない」と文句を言っていたらしい合宿企画の「リベンジ・オブ・マンガカルテット」は、『カムナビ』話を勝手に予定。もちろん『カムナビ』の話はしないでしょう。たぶん。
 それと、合宿では、懸案の(笑)、「クイズ歳の差なんて」をやることになった模様。これはという問題を思いついた人はメールしてください。
 その他詳細は、京フェスページ速報欄参照。




【11月7日(日)】


 風邪が激しく悪化。すべての仕事を中止して眠り続ける。


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