【10月21日(木)】


 ようやく体調は完全復帰。
『ネヌウェンラーの密室』(講談社文庫)の解説を仕上げてファックス。重複登場人物リストが目玉でしょうか(笑)

 7時、ミストラルで、古舘プロジェクトのM本氏と、フジテレビの情報番組『春夏冬中』(「あきないちゅう」と読むらしい。月〜木の深夜帯番組で、00:40〜00:55放送)の打ち合わせ。
 M本氏、開口一番、
「大森さんって、メフィストのマンガに出てくる人ですよね」
 だって(笑)。なんか本格ミステリおたくらしい。
「マンガの印象で、もっと寡黙な人かと思ってました」とか。マンガと現実をいっしょにするなよ。ミステリはなにが好きなんですかと訊ねたら、
「いまは浦賀和宏がマイブームで」と言われてさらに驚く。こんなところで浦賀和宏の話をするとは思わなかった。「テレビの人は本を読まない」という先入観が激しく覆されたことである。
 M:TGトークの相方は結局、前アジアチャンピオンの中村聡氏に決まったそうで、もうすっかり安心。タイプIIのデッキがないので、中村さんに二個持ってきてもらうことにする。




【10月22日(金)】


 午後1時半、広尾の麻布スタジオで『春夏冬中』の収録。あのセットでM:TGプレイするのは無理だろうと思ってたら、地べたにすわっての撮影でした。メイクと打ち合わせが30分、収録が30分。最後は中村さんの黒デッキ借りて対戦。知らないカードが多すぎて、どうプレイすべきかよくわからない。メルカディアン・マスクスから復帰するかなあ。
 ちなみに今日収録した分は、11月1日からの週に放送とか。いったいどんな番組になるのか。謎すぎる。

 今日は朝から6本撮りだそうで、スタッフもたいへん。最後の収録には新山千春が出演するそうで、ちょっと見たかったんだけど、次の回の収録(お題は「マンガ喫茶」)にやてきた岡田斗司夫氏@メイク中に挨拶しただけでスタジオから引き上げ、高田馬場へ。今日は内田昌之夫人と卓球対決の予定なのである。

 25年前に買ったシェイクハンドのマイラケット(こう見えても中学時代は卓球部だったのである)は15年前にラバーを張り替えたきりで、すでに表面がツルツル化しているため、線路沿いの卓球専門店、《国際卓球》に15年ぶりに立ち寄り、裏ソフトのラバーを購入。
 張り替えてもらいますかとラケットを差し出したら、店のおやじがそれを見て、
「お、これは古いですねえ」と受けとり、しばしためつすがめつして、「ええっと、これは……スウェーディシュだっけ」と見破ったのには恐れ入りました。25年前に出たラケットの名前をなぜ覚えている。

 JR馬場駅前で内田夫妻と合流し、さかえ通りの奧を左に曲がったところにある町の卓球場で対戦。マイラケットにマイシューズまで持参した内田夫人だが、彼女もブランクは長いらしく、試合は2−0で楽勝。ふっふっふ、口ほどにもないやつ。次の関門は創元のM浦くんか、小木曽絢子女史か。茶木さんも卓球やってたとか言ってたような……。

 あとから合流した三村美衣と混合ダブルスを組み、内田夫妻ペアと対決。レシーブをコートに入れられない三村美衣のおかげで好ゲームになりましたが、こちらも2−1で勝利。
 しかしたまに運動すると死にそうになるね。いやはや。

 7時からは、大正セントラルホテルとなりのビルの地下で、山岸イーガン本の連続刊行お祝い会。ぱらんてぃあ系とSF翻訳者仲間と各社編集者が中心で40人ぐらい。高橋良平の挨拶が含蓄深い。岩郷重力が激しく肥満している。だいじょうぶかっ。
 二次会はビッグボックスの上でカラオケ。明日があるので、水鏡子師匠をともない終電帰宅。
 水鏡子は、「東京に行ったら、堺のアパートを見てこい」とTHTTAの人々にかたく念を押されていたらしく、堺邸見学ツアーに固執。もはや東京の観光名所らしい。お化け屋敷ですか。
 玄関の外から堺邸を見せたあと、林哲矢邸を急襲。その模様は「雑記」にくわしい。
 夜中にいきなり訪ねていくと玄関に赤いハイヒールが……とかそういう心配はなく、男二人で翔企画の8年前のゲーム(「太平記」)をプレイしているあたりがSFファンの安心なところですね。しかしポータル三国志とかやってちゃだめでしょう。




【10月23日(土)】


 というわけで、6時からMYSCONの「プレMYSCON大宴会」。歌舞伎町コマ劇場横の東宝会館5F、PUB−LAND CENTRAL PARK。前はしょっちゅう通ってるけど、東宝会館の上ってこういうことになってたんですか。巨大パーティ会場の2コマ分のスペースぶちぬきで、100人弱が集合。
 綾辻行人、近藤史恵、貫井徳郎、浅暮三文、米田淳一、倉阪鬼一郎、高瀬美恵、森英俊、喜国雅彦、国樹由香、笹川良晴……と業界関係者も多数。綾辻名人は松本楽志に無理やり呼ばれた――というより、終了後の四派対抗麻雀に出場し、ミステリ勢力の雪辱をはたす(前回は福井健太がミステリ代表で最下位)のが目的だったらしい。ザコキャラを倒すといきなり名人が出てくるあたりミステリも大人げない。福井健太はMYSCONには個人的に敵対している(←伝聞に基づく憶測)ので不参加らしい。
 大森の主目的は、某ルートから処分を頼まれた国書刊行会の《探偵クラブ》叢書ほか十数冊と、べつの某ルートから処分を頼まれた東都書房の世界推理小説大系全24巻(別巻なし)を処分すること。オークションの受付は終了していたが、無理やりフク氏に頼み込み、Kashiba氏に売ってもらうことに(結局《大系》は、10,100円で落札(笑)。ま、こういうオークションだとセット物は値段がつかないよね。オレの本じゃないからいいけど、落とした人はめちゃくちゃお得でした)。
 国書の本は一冊300円で即売に出したら3分で完売。そりゃそうだ。
 メインのオークションでは、彩古さん出品のよくわからない稀覯本の山がためになりました。大森は評論系の珍しいところを安値で二、三冊買っただけ。ディキンスンの『生ける屍』が5000円とかで落ちてくのを見ると新鮮。金額的な盛り上がりはDASACONよりワンランク上でしょうか。
 しかし、となりのスペースはカラオケ宴会だったりして、会場内はあまりにもうるさい。ほんとうの主目的である××××氏との対面を果たせて満足はしたものの、ゆっくり話をする環境じゃなくて残念。東北大SF研OBの宮澤氏とも初対面。彩古氏同様、宮澤氏も元SF組かと思ったら、元から本格ミステリだったらしい。
 全体的に、若いお嬢さんがたくさんいたような印象。某所で人気沸騰の織嬢が近藤史恵嬢とコスメつながりだったりしてよくわからない世界。テーブル単位で自己紹介と歓談タイムとかを設けて、ネルトン的な社交の場にすると盛り上がったかも。でもうるさかったからなあ。
 まあしかし、ふだん見てるミステリ系サイトの管理者の顔が見られて収穫。次回の合宿に期待したい。ってことで、スタッフの皆様ご苦労様でした。

 二次会は牛込櫻会館組+綾辻名人でTOPSの上のバーに流れ、そこに福井健太組が無理やり合流。しかしすでに麻雀メンツは確定してしまったのだった。
 ミステリ:綾辻名人、ファンタジー:浅暮三文、ホラー:倉阪鬼一郎、SF:大森望という布陣。ワセミス組の卓に橋詰久子さんが混じり、高田馬場の雀荘で2卓。
 いちばん驚いたのはビッグボックスの横の坂を上がってったところにある学生向け雀荘群。3軒か4軒まわったのにことごとく満卓なのである。早稲田の学生はそんなに麻雀が好きか。どうにか二卓だけ空いてる店を発見して、午前1時ごろから闘牌開始。綾辻名人は、まわりの切り牌があまりに遅いのでペースを乱され、前半は不調。しめしめ、これで「名人に勝った男」としてしばらくいばれるね、と思ってたら、3局めのオーラス倍満で一気に浮上、最終局は累計トップだった浅暮氏がラスを引いた関係で、逆転優勝。
 大森は、1位、2位、4位、3位と推移して、トータル3位。ま、最下位以外は罰則がなかったからいいや――と言いつつ、名人を倒す千載一遇のチャンスを逃したのは惜しい。この雪辱は必ず。ていうか、どうせなら各派4人ずつ16人集めて予選やってから決勝というのはどうか。まあしかし、だれが出てきてもホラーとファンタジーは弱そう(笑)。ミステリ界の覇権を賭けて、綾辻名人が北上・茶木と対決する……っていうのは、ミステリチャンネルとかでネタになりそうだがどうですか。
 綾辻名人が引き揚げたあと、橋詰女史がかわりに入ってもう一局。こちらはトップで勝ち逃げしたので、試合に負けて勝負に勝ったっていうか。




【10月24日(日)】


 朝8時ごろ帰宅して夕方まで寝る。夜はベアのゲラの訳者校正に着手。ホラー大賞一次の箱を開けて、短編から読みはじめる。荒涼たる原野が広がるばかり。

 金曜日からずっとうちの仕事場に泊まっている水鏡子師匠がやってきたので、堺を呼んで《大将》で焼肉。なんか最近焼肉ばっかり食ってるような気が。山岸宴会も鉄板の上でカルビ焼いてたもんなあ。




【10月25日(月)】


 ロイヤルホストで異性問題について語り合う水鏡子と堺三保をちょっと冷やかしてから(ふたりとも彼女募集中らしい。しかし募集する前にやることがあるだろう)、ミストラルで仕事。


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