【9月27日(月)】


 夕方起きて、午後7時、広尾のデザイン事務所でアスキーから出る新雑誌創刊号用の座談会。テーマは『ホーホケキョとなりの山田くん』(笑)。メンバーは唐沢俊一氏と氷川竜介氏で、予想通りというか当然というか大罵倒大会に。唐沢さんがガンガン飛ばすので楽ちん。いやいくら大森でもそこまではゆいません。鬼や。しかしさすがに「高畑(バカ)くん」とか、そういうギャグは出ませんでした。氷川さんはやや腰が引き気味。まあアニメ業界にいちばん近いのでしかたないかも。
 高畑さんはどうせ松竹でやるなら、あのキャラ、あの手法で『寅さん』の新作をとれば平和だったに違いない。

 2時間しゃべり倒したあと、近くのイタ飯屋PapaMammaで食事。ひたすら危険な話題が炸裂するが危険すぎて書けない。

 のでかわりに安全な話をひとつ。乱歩賞のパーティの話で書き忘れてたんだけど、芦辺拓氏がつかつか寄ってきて一言。
「西澤さんのあれは、わたしも許せませんなあ」
「はあ?」
「いや、仙台エリですよ仙台エリ。わたし、最近のラジオはどうなっとるんかと思って、一時集中してラジオを聞いてたことがあってですなあ。そしたら声優の番組ばっかりなんですな」
「え、じゃあもしかして『波乗り』聞いてたんですか?」
「そうなんですわ。いや、あれは面白い番組で。會川さんですか。あの人おもろいでんなあ。そやから仙台エリのことも前から知っておったんですよ。いや、どっちかというとわたしは桑島法子のファンなんですがね。まさかこの年になってねえ、《アニラジ・グランプリ》とか買うとは思いませんでしたよ。しかしアニメなんか全然見んからねえ、だれがだらやら雑誌でも買わんとさっぱりわからんので。まあそれはともかく西澤保彦ね。あれはいけません。仙台エリも知らんくせに写真なんか映ってねえ。それやったらわたしのほうがよっぽど資格がありますよ。ゆるせん」
「…………」
 というわけで仙台エリはミステリ業界にも波紋を投げかけているらしい。

 喜国さんから聞いた、最近みうらじゅんと井上陽水が仲良しで……という話も爆笑なんだけどこれは自粛。

 12時ごろ西葛西に帰り着き、MAG TIMEで仕事。
 Darwin's Radioの校正をついに終えて納品終了。けっきょく実働2カ月か。まあ1300枚だからしょうがない。

 休む間もなく次の翻訳仕事を本格的に開始。実は刊行はDarwinよりこっちのほうがはやいらしい(笑)。ま、映画がらみなので突貫工事もやむを得ず。しかし締切は今月中なのである(爆笑)

 なにをやってるかというと――こないだまで秘密にしてくれと言われてたんだけど、もう雑誌とかに載ってるから書いちゃってもいいだろう――映画史上最大の対費用効果(製作費35,000ドルで興収135,000,000ドル)を記録したホラー映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の関連本、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト完全調書』(アーティスト・ハウス)。ブラック・ヒルズ・フォレストで失踪しちゃった学生三人の家族が私立探偵に調査を依頼。関係者に聴取した記録とか、ブレア・ウィッチ伝説の関連資料とか、ヘザー・ドナヒューが残した撮影日誌を満載したドキュメント(?)。17世紀の文書とかをそれらしく訳すのがたいへんです。

 ブレア・ウィッチ・プロジェクトに関しては、すでに日本語サイトも開設されている。主役(?)の名前さえ不統一なのがご愛敬。Joshua Leonardは、ジョシュア・レナードでしょう、ふつう。
 映画はアスミックの配給で正月公開予定。全国松竹・東急系、東京は渋谷・新宿東急とか。こないだ『アイズ・ワイド・シャット』見たときはもう予告編やってましたが、しかしそんなでかい小屋にかける映画じゃない気がするんだけどなあ。




【9月28日(火)〜29日(水)】


 ひたすらキーボードを叩き続ける。全体で400枚弱らしい。原稿分量は『リメイク』より少ないかも。




【9月30日(木)】


 4時、江戸川橋のキングレコードで、劇ナデCDつき絵コンテ集(?)に収録するという対談の収録。なんだかよくわかりませんが大月プロデューサーのご指名なのでよくわからなくても無理はない感じ。
 お相手は佐藤竜雄氏で、司会はなぜか堺三保。SFオンライン賞と星雲賞も獲得したし、劇ナデのどこがどうSFなのかを語りましょうとかそういう企画らしいが、どんどん脱線して全然とりとめがない。まあ自分が原稿化するんじゃないから気楽なもんですが、いいのかこれで。

 よくわからない雑談が終わったあとは四人で新宿3丁目に出て、長春館で焼肉接待。大月さんの下ネタ炸裂ぶりは、飯野文彦氏と好一対かも(いや、飯野さんは大森になんの見返りもなくボトルキャップをくれたたいへん素晴らしい人ですが――と書くのが見返りだったり)。話題は主に最近のアニメ業界の話で、いやまあ書けないことばかりな気が。まあしかし大月さんの話はどこまでが事実なのかさっぱりわかりませんね。ところで大月さんのしゃべり方が往年の鳳啓介そっくりだと思うのはオレだけ?
 食後、末広亭の向かいのバーでちょっと飲んでから、10時西葛西。今日からデイナ・ルイスが来てて、うちの仕事場に泊まることになってるんだけど、さいとうよしことロイヤルホストとごはん食べてるというので堺を連れて顔を出し、英語のわからないところを質問する。ネイティヴがいると便利。

 さらにMAG TIMEで仕事。今日が締切日ですが終わるはずもなく、とりあえず『完全調書』を半分までまとめて午前7時にメール送稿。

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