【5月11日(火)】


 ディックの短編集用に、昔SFマガジンで訳した「世界をわが手に」の修整バージョンをつくってメール。

 K池さん@早川書房がミストラルに来訪。「リメイク」のゲラをわたす。あとは注と映画解説とあとがきが45ページ(笑)




【5月12日(水)】


 おとといから来ている斉藤友子画伯(サンフランシスコ在住)とようやく邂逅。恒例のComic Revolution来日。きのうは喜国さんちに行ってたらしい。
 さいとう姉妹とX2000でカラオケ2時間。AFRiCAがまだ入ってない。ちぇ。友子ちゃんはこっこをひたすら歌っている。

 家に帰って、メンズウォーカー用のゲームをプレイ。「羅刹の剣」「オメガブースト」「カルドセプトエキスパンション」「ポケスタ2」。カルドセプトはデッキ構築にハマると無限の時間が必要。でも人間相手じゃないと燃えないね。「羅刹」は時代劇版バイオハザード。




【5月13日(木)】


 締切をはるかに過ぎた《本の雑誌》の書評をようやく送稿。今月は日本SF特集。『エリコ』、『グッドラック』、『夢の樹を接げたなら』(←先月忘れていた)、それに南條竹則『セレス』(講談社)。最後のは「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」でウルティマ・オンラインな話。しかし最後に、まるで「酔歩する男」みたいなネタが突然出てきて仰天する。
 あとはファンタジー/ホラーで、向山貴彦『童話物語』、クトゥルー・アンソロジーの『秘神』に伏見健二『セレファイス』『ロード・トゥ・セレファイス』、朝松健『夜の果ての街』、清水義範『蛙男』とか。
 クトゥルーはかつてSFマガジンで特集を組んだことがあるくらいだから半分SFでしょ。宇宙人だし。

 森博嗣インタビューの原稿化作業に着手。ネタに触れてる部分はまったく使えないし、媒体が《波》なのでネット関係や同人誌関係の話も削り、説明的な質問を増やす。『ミステリィ工作室』に出てこない話優先にしたいんだけど……しかし《波》としては異色のインタビューになる気が。そうでもないか。

 夜中にビデオ録画のアニメを見る。今シーズン見つづけてるのは、「十兵衛ちゃん」「エンジェルリンクス」「D4」「ネオランガ」「ヤマモト・ヨーコ」「∀ガンダム」……あたりですか。星方天使はわりと面白くなってきた感じ。ネオランガで、バロー王国の英語看板が「KINGDAM OF BARO」になってるのはわざとですか?

 あとはひたすらゲーム。




【5月14日(金)】


 その勢いで毎日中学生新聞とメンズ・ウォーカーを仕上げて原稿は一段落。しかし毎週一冊SFを中学生向けに紹介するってのはけっこうたいへん。

 森山病院を退院した堺三保がやってくる。なんかアパートの中で鍵をなくしたらしい。というか、本の山の奥に落としたんだけど、病み上がりなので発掘する体力がないとか。まあ家の中で電話をなくすよりはましだと思う。

「∀ガンダム」はついにガンダムハンマー登場。ぶんぶん回して敵のミサイルをはじきかえす。っていつの話だよ(笑)。
今日の名セリフ。「くす。おヒゲのモビルスーツがよろけてる」

 ファンタジーノベル大賞の箱をどんどんかたづける。涙なくしては読めない手紙あり。




【5月15日(土)】


 15:56の《のぞみ》で京都ふたたび。ちょうど葵祭りが終わったあたりで到着し(葵祭りと時代祭りは一生に一回見ればそれでいい気が)、京都ロイヤルのバーラウンジで、京極夏彦・綾辻行人・小野不由美および徳間書店組と合流。
 本日は、流浪の番組F.F.N.はじまって以来の豪華企画、京料理の《梅村》で懐石を食しつつ座談会なのである。部屋は賀茂川べり。ただし川の上につきだした桟敷席では別団体が宴会中なので、障子が開けられなくて残念でした。

 しかし企画物の座談会しながらの食事だと、料理の印象が薄れていかんね。話の合間に目の前のものをかたづけるって感じ。うまかったような印象はありますが。しかし河原町近辺で京料理の懐石なんか食べたのははじめてかも(笑)

 面白かったのは、宇宙に行く話。
小野:「99パーセント打ち上げが失敗するとわかってても、ロケットに乗れるんだったらぜったい乗ります」。
京極:僕は危ないことは嫌いなんです。宇宙なんか危ないじゃないですか。
綾辻:どこでもドアで行けるんだったら宇宙に行ってもいいけど。ロケットはパス。
 大森の場合、生還確率七割ぐらいならロケットに乗るな、たぶん。

 なんか二時間半びっしりしゃべってたけど、どうやって原稿にするんだろう。謎。
 あとは最近の新刊の話とかいろいろ。そういえば、麒麟MLで物集高音=小野主上説が出ててますが(『デイジーデイジー』に系図探偵のネタがあるので)

 京極さんは、平均睡眠時間2時間だそうで、なんかげっそりやつれている。「だってみんな、うちの仕事だけはよろしくって言うんですよ」
 それは働き過ぎでしょう。自慢じゃないけどオレの平均睡眠時間は8時間超えてるもんな。眠いときは寝なきゃ。それとも眠くないのか。ヨガの秘法かも。

 食後はふたたびロイヤルホテルのラウンジでお茶を飲み、12時ごろ解散。徳間書店経費保ちの全日空ホテルに泊まって爆睡。




【5月16日(日)】


 11時ごろ起き、ぶらぶら河原町に出て、四条のOPAをのぞく。9階にオーム社書店、8階にヴィレッジ・ヴァンガードが入ってて、いったいどういうことなのかと思ったら、やっぱりVVのほうがグッズ中心の品揃え。名古屋の店とくらべるとさらに特殊化が進んでますが、ハシゴはちゃんとあるので、やっぱりヴィレッジ・ヴァンガード。

 徳間書店・K田さんとの打ち合わせを終えた小林泰三氏から携帯に電話があり、丸善の前で落ち合ってお茶を飲む。話題は宇宙作家協会とか伝言板とか、計算しないとオチがわからないSF(笑)とか。小説読みながら電卓叩く習慣がある人は少数派だと思うな。というか、そこまで読者を選ばなくても。
 しかし『玩具修理者』の文庫版はよく売れているようで、部数からするとすでにSFじゃないな(笑)

 四条木屋町の今風な串揚げ屋で小林さんと軽く夕食をとり、7時解散。タクシーで京都駅に出て、《のぞみ》で帰京、タクシー帰宅。

『リメイク』の注釈作業に着手。添野くんにつくってもらった作中に登場する全映画タイトルの基礎リスト(全225本)のデータをチェックしてコメントを加えていく。
 それと平行して、まだ見直してない分のビデオ(ミュージカル以外)をレンタル屋で借り出し、かたっぱしから7倍速で見る。『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』『白い恐怖』『カサブランカ』『汚名』『捜索者』『裏窓』……。
 作中で主人公がやってるのと似たような作業ですが、いやもう疲れるね、ほんとに。




【5月17日(月)】


 さらにビデオを見つつ、注の原稿を書く。平行してゲラの再チェック。キネ旬の男優事典、女優事典、双葉十三郎、柳生すみまろ等々の資料と首っぴきなので家から出られない。あとはInternet Movie Databaseね。どんどん見つかるコニー・ウィリスのまちがい(笑)。
『ゴールド・ディガース』と『四十二番街』のとりちがいとか、誰か指摘しなかったんでしょうか。ペーパー版でもそのままなんだけど。映画マニア用のまちがいさがしクイズとして残してあるのか。ううむ。

 国樹由香嬢がやってきたので、さいとう姉妹と四人で寿司を食い、カラオケ2時間。あ、ラパイッチの新しい髪型の感想をきくのを忘れたなり。
 家に帰って朝まで『リメイク』の注釈作業。2段組で40ページを越えている(笑)。訳者あとがきのスペースがどんどんなくなっていくような……。




【5月18日(火)】


 寝ているあいだに斉藤友子は帰国。実家にも寄らず、ほんとにComic Revolutionのためだけに帰ってきた感じ。

 ビデオ視聴が一段落したので、ファンタジーノベル大賞の箱を開ける。これと小説すばる新人賞の二次をかたづけないとサンフランシスコに行けないのである。そもそも行けるのか、という問題はあるが。だいいちパスポートが切れてるんだよな。しかし更新にいくヒマがない。




【5月19日(水)】


『リメイク』注釈作業をなんとか終わらせ、原稿の山の処理に熱中。朝9時ごろ寝て、起きたら午後7時。それからK池さん@早川書房と電話で原稿チェック。これで注釈の入稿関係はほぼ終了。
 やれやれと焼肉を食べにいき、帰ってきて寝床で原稿を読んでたら眠くなり、そのまま寝てしまう。




【5月20日(木)】


 午前6時起床。9時まで原稿を読んでファンタジーノベル大賞の箱を詰め直し、宅急便のピックアップを呼んでから、午前11時に外出。
 江戸川区役所の葛西事務所で住民票と印鑑証明書をとり、有楽町・交通会館の旅券課でパスポート申請。一時間かからずに終わったので東陽町の運転免許試験場にまわって免許の書き換え。というか、すでに失効して四カ月だぜ。
 前回はたしか、失効してすいませんみたいな紙を書かされたんだけど、今回はなんにもなし。講習もビデオもなく、四階の食堂でカルビ定食食べてるうちに新しい免許が交付される。やっとちっちゃくなってめでたしめでたし。

 新しいパスポートができるのは28日なので、出発は29日以降と決定。ミストラルからISIZEにつなぎ、ABIとマップインターナショナルに電話してチケットを手配(オンラインでも予約できる)。29日の便が「あと一席」とか「ありません」とか言われたあげく、なんとかABIでノースウェストの直行便を確保。29日出発の4日東京着なので関係各位はよろしくご了承ください。いや、メールの連絡は問題ないんですが。
 料金は往復49,000円。カード引き落としなので、銀行振込の必要さえなくてらくちん。というか、正月に高知に帰る飛行機をとるより安くて簡単かも。月末ならもうエピソード1も楽勝で見られるに違いない。

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