【4月12日(月)〜13日(火】
シド・ミードのインタビューをテープから起こして原稿にまとめる。SFマガジン用。
あとは毎日中学生新聞のコラム原稿。なんか「SFすごいのめっけ!」という謎なタイトルになってます。名作SF紹介っていう楽なネタなんだけど、週一回なので侮れない。
毎日中学生新聞購読者はまずいないでしょうが、四月から半年間の予定で毎週金曜日掲載。中学生のことはよくわからないな、しかし。
浦賀和宏『頭蓋の中の楽園』(講談社ノベルス)を読む。『記憶の果て』の続編――というか、安藤くんが探偵役で登場。キャラかわってます。前半はもろに新本格でめちゃめちゃ面白い。後半は、『記憶の果て』忘れてるとわけがわかりません。解決がちょっと複雑すぎるかなあ。しかしホワイダニット部分の謎解きには爆笑。今年の本格ベスト10候補。
木曜日に、『この文庫がすごい』の第二回文庫王座談会があるので、エントリー作品を選ぶ。今回のお題は「元気が出る文庫」。
島村洋子さんと竹内志麻子さんの候補作リストを眺めて検討した結果、今回はストレート勝負でいくことにする。やっぱり元気はシンプルでないと。
ってことで、最初に決まったのが『がんばれ元気』(笑)。タイトルだけで一回戦は突破だね。本屋に行くと、光文社文庫から岡本太郎の『今日の芸術』が出てたので、エッセイ部門はこれに決定。著者名だけで一回戦は突破だ。
あとは即物的に元気になる本ってことで、南里征典『秘命欲望課長』(光文社文庫)を選び、これで万全の体制。しかし一本ぐらいはふつうの小説も混ぜておかなければと、筒井康隆『富豪刑事』を入れる。
MAG TIMEで『がんばれ元気』を読みはじめたら止まらなくなり全巻一気読み。終盤はちょっとだれるね。
【4月14日(水)】
午前三時起床。小説すばる新人賞応募原稿の二箱めを開けて読みつづける。
合間に『今日の芸術』を30年振りに読み返したけど(前はたしか、万博のころに、親父の本棚にあったやつをひっこぬいてぱらぱら眺めた)、45年前の本とは思えませんね。いやもうすばらしく面白い。
【4月15日(木)】
決戦は木曜日。午後3時、宝島社の会議室に集合。前回はダイヤモンドホテルだったんだけどなあ。経費節減の折から、今回は会議室で缶コーヒー。
試合の結果はそのうち出る『この文庫がすごい!』を見ていただければわかるはず。竹内志麻子の選択はひねりすぎでしょう。茶木則雄はおそるるに足らず。島村洋子は……いや、本気で勝ちに行けば勝てたんですが。
問題は、ひとり4作品エントリの勝ち抜き戦というシステム上、ぜんぶ勝つと同部屋対決が生じてしまうことで。もう一本、一回戦敗退用をつくっておくべきだったな。
家に帰ってワールドユース決勝トーナメント。日本×ポルトガル。はははは。日本の若者はハングリー精神ゼロで素敵。キーパーなんか誰でもいいじゃん。
ナビスコ杯でやっぱりサンフレッチェ広島のキーパーがいなくなっちゃって、フォワードの選手がゴール守ってファインセーブ連発、っていうのをスポーツ新聞で昨日だかに読み、そういうことってあるんだねと笑ってたんですが、まさか世界大会の決勝トーナメントでねえ。
しかしあの腕はほんとに骨折してましたね。ぐらぐら。それにしてもコスタはかわいそすぎる。どう見ても、精神力の差で日本が負けてた試合だったのに、神様が味方してくれたので、これでいいところまで行くのでは。
PK戦が終わったときにはぐったり。掲示板に書く気力もなく寝る(そしたら柳下と古沢さんが速攻で書いてて爆笑)。
【4月16日(金)】
今日は神宮で日本推理作家協会のソフトボール大会――のはずだったんだけど、F.F.N.の仕事が入っちゃったので泣く泣く京極邸へ。
今回のゲストは喜国さん。本棚の前から動かないのをひっぺがして座談会。放置プレイと女子高生ネタでキクニワールド全開。しかしアニメージュなのでほとんど使えないかも。
写真撮影はいつものように福井健太。なんか京極さんはぐったり疲れている。今回は時間があったので、本棚の奥のあやしいものをいろいろ発掘したがひみつだ。水城楼はますますパワーアップし、土地代よりはるかに高額の本がずらりと並んでいる。
お仕事終了後、喜国さん、由香ちゃんとタクシーに乗って、浦和の古本屋へ。
由香「喜国さん、心がせまいんだよ。福井健太がついてこないだろうなってずっと心配してるの」
喜国「あたりまえやん。ワセミスの連中に荒らされてたまるか。オレだってまだ行ったことが店なんだから」
とか言いつつ、浦和レッズ通り(推定)をてくてく歩いていると、うしろから走ってくる男一名。
「あ、どうも。古本屋ですか、行きましょう」
……もちろん福井健太である。急に足どりが重くなる喜国雅彦。古本屋の前で立ち止まり、
「きみはオレが店に入ってから、十分たつまで入ってくるな」と言い渡す。
三十秒後、「もう十分たちましたね」とすたすた店内に入る福井健太。醜い……。
『幻想と怪奇』のバックナンバーに3000円とかついてる古本屋で、オレにはあまり要がないので、近くの中華料理屋(週に三日しか営業しないらしい)に入って由香ちゃんと食事。
古本組と合流したあと、駅前の喫茶店でお茶飲んで、喜国夫妻と池袋。LOVE&PlayStation「たこあしマル秘トーク」の収録なのである。
会場は池袋パセラ。一時間、ビデオをまわして話を聞き、スタッフの人々も交えてちょっと歌ってから解散。
忘れてましたが、前回の我孫子武丸インタビューは動画つきですでに掲載されています。
こちらでどうぞ。
【4月17日(土)】
WOWOWアニメの録画をまとめてチェック。
「アークザラッド」は速攻で録画中止決定。
「D4プリンセス」は大運動会路線……かなあ。EDはあまりにも強烈で夢に見そう。どりるでるんるんが耳について離れない。しかしカラオケには入るまい。「南海奇皇」第二シーズンはまだ様子見。
「星方天使エンジェルリンクス」はいまいちぴんと来ない。キャラは派手なんだけど。まあもうちょっと見るでしょう。
そういえば、「エデンズボーイ」には「神狩り」が登場するみたいですが、あれはなに?
【4月18日(日)】
「それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ」はなかなかいい感じ。ゴーゴーファイブ、おジャ魔女、ヤマモト・ヨーコと日曜の朝はたいへんです。
毎日中学生新聞のコラム用にハルキ文庫版で『継ぐのは誰か?』を読む。中学校の遠足のバスではじめて読んだ本で、そのときはめちゃくちゃ面白かったんだが、さすがに色褪せてますね。
驚いたのは、作中の刑事が携帯電話をとりだし、ボイスメモを再生するシーン。当たってるじゃん>未来予測。インターネット的なグローバルコンピュータネットワーク描写もほぼ正確で、じゅうぶんに予見的。さすが、未来学ブームのころの作品。
あのころのSFブームには大阪万博に象徴される楽観的雰囲気も大きかったかも知れないとちょっと思いました。
しかし、この設定でいま新刊が出たら、まずSFとは呼ばれないね。ミステリのパッケージになるに決まってる。北上秋彦とかそういう感じ。
【4月19日(日)】
ペルージャ戦からつづけて、ワールドユース準々決勝、日本×メキシコ。足で枠に行かないなら頭があるさっていうか。よく2点とれたものである。
3バックの守備はどんどん安定してきて、これならフル代表より上ではって感じ。まあ相手に恵まれたのかもしれないけど、後半も安心して見られたもんな。