【3月13日(土)〜14日(日)】


 日本橋からタクシーに乗って、DASACON会場の朝陽館本家@本郷。着いたのは午後10時半。大広間はちょうど第一回のクイズが終わったところだったらしい。最後に到着した参加者ってことで、いきなりレイが授与される。《DASACON大将》獲得に向けて幸先のいいスタートを切ったわけですが、もちろんこのときはそんなこととは知る由もないのだった。

 朝陽館って、たしかSFセミナーかなんかでも一回ぐらい使ったことのある宿だと思うけど、今日は50人弱のDASACONでほぼ貸し切り状態(ほかに、不幸な家族連れがひと組いたらしい)。
 大広間企画で百人近くの人数になると、さすがに人口密度が高すぎてたいへんなんですが、このぐらいの規模だとちょうどいい感じ。初対面の人は十人ぐらいですかね。AMEQさんとかNIMさんとかお給仕犬さんとか。知らない人の顔と名前とWWWサイトを一致させるべく、溝口くんからレクチャーを受ける。
 山之口さんと浅暮さんはいつもの調子でしたが、爆発的に飛ばしてたのが涼元さん。京フェスではじめてコンベンションに参加したときの高野史緒さんを上回る盛り上がり。まあ年齢的にもDASACONの中核層に近いしなあ。
 オークションの熱気は若さの勝利か。SFセミナーとかだとおとなしくしてるファンダム系の古い人が、まわりが若者ばかりと見るやいきなり暴走したりする光景も見られたものの、うるさい年寄り連中がごっそりいないコンベンションも悪くない。
 オレとか浅暮さんとか山之口さんとか宮前義彦あたり(1960年前後生まれ)がたぶん最年長組で(大森が最年長でなかった事実は記録にとどめておきたい)、参加者の平均年齢はたぶん30歳切るぐらいだったのでは。セミナーにくらべると10歳は若い感じ。
 オレの目から見ると、《こどもSFセミナー》合宿というか、わりとほほえましい感じだったんですが、これはもしかしたら、安田均・水鏡子・大野万紀・米村秀雄・岡本俊弥の年代の人々が、第一回の京都SFフェスティバルに参加したときの感想に近いのかもしれない。
 初めてのコンベンションに特有の熱気は、いろんな意味で第一回の京フェスに似てるような気がしたことでした。あるはオートマティクスでやったSecond Summer of Webとか。

 森太郎のSFカルタに呼ばれたので、二回目のゲームに参加。読み札はイントロじゃなくて、カバー裏のコピー。海外編の序盤は全然ダメな感じでしたが、札が減ってきた後半からチャージをかけて逆転で勝利。日本編はわりと新しめの作品が多く、読んでるものがほとんどだったので、こちらは楽勝でしたね。
 このカルタの勝利でレイをさらに二個獲得。ぶらさがってるマカダミアナッツを貪り食い、重量の軽減をはかる。

 大広間での雑談はhtmlの仕様と文法とIEとtcupに対する文句……全然SFじゃないな(笑)。超軽量リンクは閉じてないタグや空リンクがぼろぼろあると森太郎に指摘される。そういえばhtml文法チェックなんて久しくやってないのだった。なにしろ、とにかく表示できればいいだろう式のhtmlしか書いてないし。いまだにWZ使ってるし。ドキュメントタイプの宣言? なんですかそれは。みたいな。アメリカの友子ちゃんが文字化けすると文句を言うので、最近、文字セットだけは宣言するようにしてるんですが。

 その後、反省して、Another HTML-lint gatewayで文法チェックかけたらマイナス200点とか言われて爆笑。意地になって直したので、現在は文法的に正しい(99点)ページになってます。

 WWW掲示板システムに関しては、黒木掲示板がベストじゃないかと思ってるんですが、とにかく基本的にはログが一括表示できてほしい。小林文庫の新ゲストブックも、開設以来の1メガ以上あるログが一発でダウンロードできたので感動しました。でもログが増えすぎたせいか、一回、システムが飛んじゃったみたいですが。
 tcupみたいな10発言か20発言ごとにページを送らなきゃいけなくて、しかも送った先のページがキャッシュに残らないシステムは、ダイヤルアップのノートユーザには不便でしょうがない。
 と文句を言ってたら、愛社精神に優れた人からインターネット忍者を推奨されましたが、そのためだけに買うのもなあ。まあ、これ以上tcup掲示板(巨乳掲示板と呼ぶらしい(笑))が増殖するようだと考えなければ。

 とかしゃべってるうちに、ふたたびクイズ大会が開幕。マルバツ式なんですが、第二回はすべて×が正答。×と答えつづけた浅暮さんが優勝する。浅暮さんらしいでしょう。第三回は、第一問が大森サイトの問題。それなのに答えをまちがえるオレ(笑)。しかし、「本人サイトの問題に関しては、本人はフリーパス」という規定に救済されて生き残り、あと2問答えただけで優勝。この日、もっとも楽をして手に入れたレイかも。いや、いちばん楽だったのは遅刻で獲得したやつですか。

 その後、大広間はかつきよしひろ主催のアニソンイントロ当てクイズに突入。曲名ではなく番組名の回答でOKというあたりが、アニソンおたく系っていうよりアニメおたく系な感じ。しかし出題者が若いせいか、問題が偏りすぎ。80年代の問題はさっぱりわからない。もっと古いアニメかもっと新しいアニメじゃないとなあ。
 回答できたのは三つ。「ネオランガ」と「オーフェン」と……あとなんだっけ。「愛 Just on My Mind」なんか、曲名わかって歌えるのに、番組名がなかなか出てこないとか(笑) Surfaceの「さぁ」もそうだな。「守護月天」は一回も見てないのでしょうがない。

 u-ki総統の早押し速度は相当なもので、日下三蔵と対決させたい。番組名OKで80年代限定なら、日下三蔵(あきこんアニソン王)も勝てないのでは。

 途中ちょっと寝ようと思ったけど結局眠れず、そのままエンディングを迎える。このときまでしつこく秘密にされていたDASACON賞の結果発表である。
 心ひそかに「読んで面白いサイト」部門を狙っていた大森ですが、世の中は甘くない。くー。でも細田均にだけは負けたくなかったので、一票差でなんとか差し切れたことを素直に喜びたい。これで負けてたら自分で投票しなかったことを思いきり後悔しただろうしな(笑)。しかし一票差とわ。
 一方、「役に立つサイト」部門での受賞は、ノーマークだったのでびっくり。オレ的に役に立つサイトっていうと、SF図書総目録とSF雑誌データベース、裏日本工業新聞、SF翻訳作品作家別集成となんですが。あと、ひらやんのリンク集。やっぱり超軽量リンク集とかSFマガジンWWW特集サポートリンクとかを地道につくった成果なのか。うーん、読み物関係のコンテンツも大幅に拡充したつもりだったのに。
 しかし、DASACON賞結果発表ページを見ると、、「作家の素顔や生の声に接することができて役に立つ」「業界情報や仕事の様子がよくわかる」などのコメントがあったそうで、それは「役に立つ」とはゆわないのでは(笑) 作品理解の役に立つ? まさかそんな。
 とはいえ、栄えある第一回DASACON賞を頂けたことはまったくめでたい。自分が翻訳したものと編集したもの以外で賞をもらうのはこれがはじめてだし、これから一生、DASACON賞「役に立つサイト部門」受賞サイトの管理者たることを心の支えに生きていきたいと思います。しかしどうせなら肩書きに書きやすいネーミングだとよかったのにとちょっと思ったことは内緒だ。

 つづいてはDASACON大将の発表。どうせレイの数で決まるんだろうという読みは当たりましたが、4個で受賞できたのは意外。さらに意外だったのはDASACON賞とDASACON大将の賞品(というか賞状?)が同じものだったこと。
「レイをたくさん集めるといいことあるの?」とたずねたら、森太郎は、
「ええ、いいことがあります」ときっぱり答えてたのに。
 ダイナコンのクイズ大会で優勝して、柴野さんから、
「プロが優勝しちゃだめですよ」
 とたしなめられてから十年。人間は成長しない動物であるということを再確認させられたDASACON大将でした。

 というわけでDASACONは午前9時半にお開きになり、例によって後楽園前のルノワールでうだうだ。山尾悠子成金になった山本和人夫妻とお茶を飲む。山本妻が「書店員」から専業の「SF系人妻」になったぶんの収入はこれでじゅうぶん補填されるのでは。
「こんなに高く売れるなら《別冊新評》も持ってくればよかった」とさらに貪欲な山本和人は関西人。だいたい『夢の棲む街・遠近法』なんて、去年までは書店注文で買えた本なのに。
 と思ったら、山本妻も日記におなじことを書いているではないか。つくづくがめつい夫婦である。
 そういえば、朝、オークションの代金を払いにこの夫婦のところにやってくる若者たちの態度がいちいちおどおどしてるので(「あの……ええっと……山本さん、ですか?」とか)、「きみたち恐れられているよ」と忠告してあげたのだが、山本妻のあの日記の書きっぷりを読むとそれも当然であろう。こういう人をアルバイト店員として雇用していた人たちの苦労がしのばれる。つーか、数あるDASACONレポートの中でいちばん浮いてるのはまちがいなくコレだね。いや、オレは好きだけど。善良な参加者ばかりだとつまんないもん、やっぱり。
 しかし、「ニフから数えてネット歴約十年の私」とかつい言っちゃうところが、この人妻もまだ若いね。もうちょっと年をとると楽になります。

 関係ないけど、お給仕犬さんのしゃべりかたがだれかに似ていると思ってずっと考えてたら、添野妻とそっくりなのだった。SFセミナーで対決させたいなり。藤澤弟と福井健太も対決させたい(というか、どのぐらい似ているか見てみたい)が、これは無理か。写真公開希望。

 ルノアールで山本夫婦と邪悪な話をして善良なコンベンションのガス抜きを少々。さらにたまごサンドからキュウリを削除する小さな親切を敢行したのち、DASACONスタッフのテーブルに移動して舞台裏を取材。森太郎が加わってたせいか、わりと京フェス方式だったらしい。まあ、京フェス経験者なら、「コンベンションなんて、なんとでもなる」と思ってるので準備が楽かも。

 さすがに強烈に疲れてきたのでお昼前にはルノアールを出て水道橋から飯田橋経由で帰宅。
 さあ寝ようと寝間着に着替えたらトーレン・スミス社長登場。おとといから来日してる(というかうちの仕事場に泊まってる)んだけど、会うのは今がはじめて。なんか、NHK衛星の相撲中継を見に来たらしい(仕事場のほうはBSアンテナがない)。午後1時から相撲中継を見るような知り合いは日本人にもいないぞ。
 新しいテレビを自慢し、新しいビデオデッキで相撲を録画する方法をレクチャーし、毎日1時から6時までのBS2を録画予約してから、ビール片手に相撲見物するアメリカ人巨漢をほっぽらかしてベッドに倒れ込む。
 午後10時ごろ一回起きたけどまた寝ました。



【3月15日(月)】


 10時ごろ起床。さすがに20時間近く寝たあとでは体がなかなか目覚めない。が、今日は確定申告の締切なのである。
 領収証の計算はすませてあるので、ミストラルに行って申告書に記入。去年はさいとうよしこが稼いだので控除対象配偶者からはずれてしまっている事実が判明。減税の恩恵もいまいち。前年分より売り上げが増えたのに還付金は減りました。ちぇ。

 まだ仕事をする気力がわかないので、確定申告終了後は家に帰ってビデオの整理とか。カレカノ見てたらセリエAのインテル×ミランがはじまったのでつい見てしまう。をを、ロナウド復帰してるじゃん。ときおり見せる一瞬の動きはやっぱりロナウド。最後のところがまだ本調子じゃないみたいですが、これならインテルももう一花あるかも。いや、スクデットは無理ですが。しかしラツィオがエンポリと引き分けたりするんだから、なにがあるかわかりませんね。
 さらにビデオを見ているうちに「パーフェクト・ブルー」がはじまったので見てしまう。非常に惜しいところで傑作になりそこねてますね。途中、「おお」と思わせるシーンはあるんだけど。



【3月16日(火)】


 DASACONレポートのサイトを巡回して日記書いてたら一日終わりました。やれやれ。
 なお、DASACON参加者サイトおよびレポートのURLは、「参加者サイト一覧」を参照してください。




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