【1月6日(水)】


 さいとうよしこがとつぜん年賀状をコピーでつくったので、届いたやつにだらだら返事を書きはじめる。郵便番号7桁に対応して、住所をいきなり町名から書きはじめると異様な感じで楽しい。しかし字が書けない。いまどき手で宛名書きするとはねえ。
 手作業はヒマなので、「踊る大捜査線」のビデオを借りてきて、一話から見たりしてるので、気分的にはずっと正月。全然仕事をする気にならない。『カルタゴの運命』がいつまでたっても読み終わらないせいかもしれない。
「大捜査線」は、映画のあとでスペシャル見ると、ビデオ撮りなのが最初すごく違和感あったり。

 バリ×ペルージャは凡戦。ゼ・マリア、コロンネッロがいないと……。



【1月7日(木)】


 光瀬龍をそろえようかと南砂町のたなべ書店本店へ。かなり少ない。
 そのまま東西線で馬場に出て新刊の買い出し。藤原征矢の『電子恐慌』(KSS)と、森下さんが小説推理で書評していたフランスSF『幻のインターネット』が主目的。ふるほん文庫やさんの創業者の人が書いた本が出てて、読みはじめたらこれがめちゃめちゃ面白い。爆笑。しかし郊外型古本チェーンに対する言及が少ないような。
 九段下から都営新宿線で東大島。たなべ書店・大島店でさらに古本文庫を漁る。半村良はだいたいそろいました。光瀬龍も(時代小説はべつにして)そこそこ。



【1月8日(金)】


 本を読み、ビデオを見て、年賀状を書く。
 連ドラでスタートした「リング最終章」の脚色に仰天。原作にほぼ忠実なんだけど、高山と舞の設定だけ全然違ってて、なんと高山は超能力否定派の学者を呪い殺すとテレビ番組で宣言しちゃうんですね。リングビデオの呪いの期限が二週間に延びてるのはご愛敬。

 カレカノAパートは庵野さんノータッチらしい総集編。大月プロデューサーが乗り出して事態を収拾したんでしょうか。エンドクレジットがスリリング(笑)。
 前々回を見てなかったことに気づいて、録画分を視聴。これかあ、カヲルくんは。すごくいい感じになってると思うんだけどなあ>カレカノ。
「ガサラキ」も録りっぱなしになってるやつを見なきゃいけないんだけど、気力がない。正月ですから。

 藤原征矢『電子恐慌』は、2020年代末が舞台の近未来経済SF。97年、98年の話がやたらくわしく出てくるのは、経済お勉強小説としては王道かもしれないが、SFとしては違和感ありまくり。2000年以降、なにが起こったのかはおぼろげにしかわからない。これなら2010年ごろを舞台にすべきだったんじゃないかと思いますね。あなたは30年後にまだWindowsCEがあると思いますか? SFネタはありがちな人工知能モノで、新鮮味はない。いまどきの経済のことを勉強したいSFファン向け? 金融サスペンスとしてはこれでいいのか。小説的にはダメでしょう。

 やっと読了した『カルタゴの運命』もなあ。歴史の勉強にはなっても、SFとしては古すぎ。まあ元ネタが『タイム・パトロール』なんだから、古いという批判は批判になってませんが、それにしても……。SF的設定で書いた歴史小説という側面が強い。カルタゴになんの興味もない人が読む本じゃないね。

 《本の雑誌》の「景気がいいSF」の原稿をだらだら書く。かんべむさし「ポトラッチ戦史」を読み返したけど、こんなオチだったっけ。さらに堀晃『マッド・サイエンス入門』をぱらぱらめくって懐かしさに感涙。これって新潮文庫のSFフェアの二回目だっけか。水鏡子の似顔絵を写植屋に出して作図してもらったりしたのも懐かしい思い出である。

 伝言板で電子本をめぐる意見交換が活発化しているので、昔SFマガジンの連載で書いた電子書籍関連の原稿をまとめてみました。5年も前に書いたことなのに状況は全然変わってなかったり。電子書籍コンソーシアムの「絵に描いた餅」が実現すれば状況は激変するんだろうけど、画像データではメリットがないような。オレはやっぱりパピレス支持だな。



【1月9日(土)】


 年末の超人的努力(和名:大掃除)によって、一瞬だけ一般客の拝観が可能になった水玉螢之丞邸に参拝する。立ち入りが許されるのはこの時期だけなので貴重。
 夕食が終わったころ到着……の予定だったのに、ちゃんこ鍋を食べずに待っててくださって恐悦至極。着くなり材料が放り込まれ、あとはひたすら食べるだけ。イワシのつみれ、おいしゅうございました。セリ、おいしゅうございました。やっぱり冬は鍋だよね。

 すっかり満腹したのち、まだ書評用の本を読み終わらないのでひとり終電帰宅。

 今野敏『時空の巫女』(ハルキ・ノベルス)。前半のアイドル発掘ネタは悪くないけど、後半がなあ。いくらなんでも走りすぎ。SFっていうよりニューエイジっぽくなっちゃうし。あと百枚、ってとこでしょうか。



【1月10日(日)】


 寒いので外に出かける気力がない。寝床で未読を消化しつつ、堺三保が貸してくれた「ケイゾク」のビデオを見る。継続捜査のケイゾクだったのね。本格系のネタはどこかで見たようなやつの組み合わせだが、中谷美紀なので。「踊る大捜査線」+「ショムニ」+「リング」みたいな企画。野口五郎はあれでセリフさえなければ。

 ペルージャ×ウディネーゼ。中田のボレーシュートは久々に美しい。でもそれだけ。ペルージャもこれから連敗街道をひた走りそうな予感が。

《本の雑誌》書評原稿に着手。だらだらしてて進まない。ぼちぼち正月モードを脱してエンジンかけないと。


top | link | board | other days