【12月30日(水)】


 11:30起床。さいとうよしこは体調不良につき、昼間のコミケはパス(夜は邪悪なカラオケの予定が入っているらしい)。
 仕事場にいる小浜夫婦と合流し、タクシーを拾って東京ビッグサイトふたたび。今日はSFメイン。SF・FTは東ホール「テ」1列にまとめられているのでわかりやすい。なんのパロディでもないSF同人誌をやってるサークルが1列分あるわけですね。大学SF研とか、古手のファングループとかが中心。
 はしもとさちこさんのスペースに行くと、「またネタにしちゃったのでさしあげます」と、『SF少女エス子ちゃん特別編』を拝受。2本立てで、1本は岡本賢一『鍋が笑う』のあとがきネタ。「よーし岡本賢一! きみの気持ちはわかった!!」と力強く断言するエス子ちゃん。美しい……。
 2本めが大森ネタ。
「大森望。ひとりでSF界のON砲!」
 だそうです。ON砲に註がついているとこが悲しい。オレのON砲でひいひいいわしたる、とか。

 高橋くん@謎宮会に教えてもらって、『樽の真相』を買う。fjとUG関係の情報誌。fj全然見てないのでさっぱりわかりませんが、全ページに漂ういやな感じが秀逸。とくに匿名座談会とか。そう言えば、AREの『この本を見ろ!』を買い損ねたのだった。

 雑破業のところに行くと、「ちょうど今から昼飯にしようかと思ってたんですよ」と夏コミがリプレイされる。しかし今回は、雑破業のために添野知生が午前6時に起きてサンドイッチをつくってくれたそうである。
「いやあ、ひさしぶりに人のつくってくれたものを食べましたよ」と感動する雑破業。心がこもっていればなんでもうまいのである。たとえマヨネーズを忘れたサンドイッチでも。

 国樹由香嬢の『こたくんといっしょ』スペースでは、カレンダーと新刊が飛ぶように売れている。目が合った客はぜったいに離さない由香嬢は天性の売り子。ただし計算は苦手なので、横にすわった夫の人が「1300円」とか「800円」とか耳打ちする係らしい。こた本とカレンダー、ありがとうございました>国樹由香様。

 ひととおりまわったところでまたしてもコルドン・ブルー。軽くごはんたべて、小浜夫妻、喜国夫妻に高橋くんとお茶飲んでなごむ。小森健太朗・鷹城宏・宇都宮斉の各氏も合流。買ってきたものを見せ合う。日下三蔵から携帯に電話。なんか十人ぐらいで落ち着き先をさがしている模様。
大森「これからまたカラオケ?」
日下「なに言ってるんですか。今日はカラオケなんか行きませんよ」
大森「ぜったい行くね」
日下「行きませんよ」
大森「じゃあ賭けようか。カラオケに行くほうに千円」
日下「いいですよ、わかりました。じゃあ結果は年明けに」

 というわけで賭けが成立。しかし、この日深夜、お茶の水パセラにいる日下三蔵の姿が木川明彦によってすでに目撃されているのだった。はっはっは。日下三蔵は大森に千円払うことを忘れないように。

 5時過ぎに会場を出て、高橋MAKI、喜国夫妻といっしょに臨海副都心線で新木場。なんかえらい混雑で、ゆりかもめよりたいへんかも。
 新木場では、スタジオ・ハードの木川明彦ご一行さまにばったり。木川氏は今夜のオールナイト邪悪カラオケの幹事なのだが、これから会社にもどってふたたび出撃するらしい。
 ちなみに『国際おたく大学』収録の拙稿にもあるとおり、木川一派と日下一派はおなじアニカラでも流派が違うため、不倶戴天の敵として知られており、木川アニカラ宴会招待チラシには「×××××(五字抹消)と日下三蔵は参加お断り」と明記されているほどである。よくわからないが、どっちも凶悪だと思うな。

 にもかかわらずお茶の水パセラでばったり出会ってしまうあたり、赤い糸で結ばれているかもしれない。



【12月31日(木)】


 駅前で寿司買って、レコ大と紅白見ながら家で食事。年賀状は絶望的な状況。大掃除も手つかず。
 現実から逃避すべく、午後10時過ぎに家を出て、BOX東中野の年越しオールナイト上映会へ。11時に着いてみると場内はすでに満席。映画館の人に座布団貸してもらって通路に座り、ファビュラス・バーカー・ボーイズ久々の生トークを拝聴する。ウェイン町山はテンションが高い。
 ベストテンはまああんなもんでしょうが、『地獄のアメリカ観光』メイキングはもっと見たかったかも。というか、あれだけでロフトプラスワンのトークショウができるんでは。ただしビデオの編集には一考の余地あり。

 バカ映画大賞は、なぜかオープニングが「七人の侍」の絵に「ワイルド7」の主題歌かぶせたやつ。河崎さんとかがつくったんだっけ? 早稲田のテックノワールで見たマッドビデオに入ってたと思った。たぶん有名。しかし客層が違うので、「なーにーかーありそーーな、あーのーしーちーにーん」まで流れてようやく笑いが。やっぱりこういうオタアミ系のネタをここでやっちゃいかんでしょ。
 ZARDの「揺れる思い」にアニメの乳揺れカットを合わせた応募作とかもけっこうよくできてましたが、その手の「他人のふんどし」モノはここでは邪道ってことで。
 けっきょく優勝したのは「前科者のバラード」とか。オレ的には素っ裸の原人が走ってくやつがよかったな。あれで昼間の銀座とか夜の渋谷とか走ってくれたらもっとよかったのだが。

 当日までタイトルが伏せられていた作品は、ピーター・ジャクスン監督『コリン・マッケンジー/もうひとりのグリフィス』。PFFでやったらしいけど、オレは初見。D・W・グリフィスに匹敵する幻の巨匠がニュージーランドにいた! という驚天動地のドキュメント。前半は傑作。盗んだ卵を使って自前でフィルムをつくる話とか、涙なくしては見られませんね。しかしニュージーランドの人は川口探検隊を見てないので、密林の巨大セット遺跡発見場面がいまいち。

 2本目は「スイッチブレード・シスターズ」。まるっきり70年代の藤田敏八監督作品。「野良猫ロック」とかそういうの。あのころは世界的におなじような映画がつくられてたわけですね。しかし客席の若者の話を聞いてると、「セーラー服反逆同盟」みたいとか、石井聰互だよねとか、いちいち固有名詞が新しくて世代の差を痛感。さいとうよしこはファッション的にけっこう気に入ったらしい。

 3本めの「ピンク・フラミンゴ」はパスして、柳下夫妻と飯田橋に出て、なか卯でごはん。東京大神宮に初詣。

 というわけでいよいよ1999年です。


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