【11月26日(木)】


 九段下からタクシーに乗って山の上ホテル。運転手が年下のおねえちゃんで、
「すみません、山の上ホテルってどこでしょう?」ときくので
「お茶の水の駅のほうです」
 と答えて本読んでたら、はっと気がつくとなぜか飯田橋。それは反対方向でわ。歩いたほうがはやかったかもしれない。

 というわけで、約束より5分遅れで山の上ホテル到着。すいませんすいませんと謝りつつ、別館の会議室で《青春と読書》の対談。お相手は新井素子さん。2月に出る新刊『チグリスとユーフラテス』のプロモーションなので、まあほとんどインタビューみたいなもんで、SFインターセクション《青春と読書》出張版。これでますますSFマガジンのネタがなくなってしまう。あ、インターセクションは終わったわけじゃなくてお休み中なので。

 新井さんとは学年がおなじで(ちなみに綾辻行人・宮部みゆき・林真須美ともおなじ学年。細田さんご指摘の通り、「がんばっていきまっしょい」のヒロインとも共通。あ、「ブギーナイツ」の巨根のひともだ)、会社入ってすぐぐらいからのつきあいだから、えーと、かれこれ15,6年ですか。新潮文庫時代は担当編集者で、『新井素子のサイエンス・オデッセイ』という本を一冊つくったんですが、いや、あれはたいへんでしたね。勉強になったけど。

 対談終了後は山の上ホテル本館の新北京で食事。K野嬢とC塚嬢を合わせて四人。新井さんは新本格ばりばり読んでるので、わりとそのへんの話。
「大森さんが誉めてる本って、ときどき、なんだこれは!っていうのがないですか」と突っ込まれる。どうもすみません。




【11月27日(金)】


 ぐうぐう寝てると宅急便屋にたたき起こされる。なんだよこの箱。と思ったら湯川専務の顔が。をを、これはドリームキャスト入交昭一郎モデルじゃありませんか。
 さいとうよしこがセガ・パートナーズ会員で、会員限定予約特権を行使して買ったのがこの入交エンブレムつきドリキャス。しかも会員の名前入り。これで入交社長が米国に逃亡すれば超レアなアイテムになるかも。でも入交昭一郎は郷土のヒーローなので応援したいと思います、はい。
 しかし発売日にドリキャスが宅急便で届くってのは、わりとお得感が強いよな。生産計画が狂ったおかげってのもあるけど。

 しかし出かけてないのでソフトはないし、だいいちドリキャスとかで遊んでる場合じゃない。横溝賞の会議が近いので一次通過作品をもりもり読みはじめる。長編15本はさすがにきつい。ゼルダもやんなきゃいけないしなあ。

 ミストラルで小説すばるの書評原稿を書いてから(今月は新津きよみ『アルペジオ』)、夕方、メディア研究会主宰のメディアセミナーを見物に渋谷へ。今日の講師はコモエスタ坂本×一瀬大志@Japan Edge。坂本さんとは「嬲リンク」事件のとき、二、三度メールのやりとりがあったんですが、実物を見るのははじめて。細田さんと気が合いそうなタイプかと思ったけど、そうでもなさそうでしたね。
 トークのほうは、WWW草創期の話題が中心。94年のウェブ状況はよく知らないのでなるほどなあという感じ。(コンテンツに関しては)「95年で燃えつきた」という一瀬くんの気持ちはよくわかる――というか、あの当時の盛り上がりかたが異常だったというべきか。個人ホームページ持ってるだけで友だちになれた幸福な時代。とか考えると、SFファンダム草創期とあんまりかわらなかったり。
「だれとだって最初は蜜月よ」ってセリフが出てくるのはなんだっけか。

 トーク終了後、渋谷駅そばの龍の髭で宴会2時間。翔泳社の人とかアスキーの人とかいろいろ。

 家に帰るとドリキャスがインターネットにつながっていた。ピピンとかセガサターンモデムとかとくらべると、画面はきれいで見やすい感じ。Dream Passportには2時間分とかの使用権がついてるので、とりあえずつながないと損でしょう。実家に一台置いて、親に自分のホームページ見せるのに使うとか。



【11月28日(土)】


 
 さらに原稿を読みつづける。月刊アスキーの連載のネタが全然ないので(ほんとは昨日、そのネタを仕入れようという下心でメディアセミナーに行ったんだけど、メインには使いにくい話だったので)、ドリキャスの話でお茶を濁すことに。でも結局、書くことは昔の家庭用インターネット端末の話とあんまり変わらなかったり。



【11月29日(日)】


 5時、六本木天城マンションのフラメンコレストランで、スカイパーフェクTVミステリチャンネルのブックレビュー年末スペシャルの収録。香山二三郎、茶木則雄、豊崎由美の三人がレギュラーで、毎月、国内/海外各30分ずつ書評番組をつくってるんですが、意外とまじめ。こないだビデオ送ってもらって初めて見たんだけど、民放トーク番組というよりNHK教育番組的。
 今回は年末スペシャルってことで、関口苑生、新保博久、吉野仁(海外のみ)、大森望(日本のみ)がゲスト参加。それぞれが提出したベスト投票をもとにベスト30があらかじめ決まってて、その中から第一段階で半数に絞り、最後はもう一回投票してベスト5を決定するって段取り。
 カメラは5台、スタッフも大所帯で、予算は民放地上波深夜番組並みかも。日本編のベストは、1位が『レディ・ジョーカー』……は順当として、2位に『屍鬼』がランクイン。豊崎・大森連合の勝利か。というより、『司法戦争』が落ちた茶木さんが激しく悔しがってたのでしめしめ、みたいな。

 日本編一時間、海外編一時間の収録が終わったのは11時過ぎ(ちなみに海外の一位は意外な伏兵『俺たちの日』。ジャック・ケッチャムが入ったのが大健闘)。おなじ場所で1時ごろまで打ち上げやって、さらに豊崎・茶木・吉野・関口・大森でもう一軒。茶木さんは法月・綾辻とは手打ちをしたい意向らしい。HMMの吉野原稿がごった日記でも話題になってましたが、あれは30枚のものを30分の1に縮めてるのでわかりにくくてもしょうがないかも。
 午前3時に解散、茶木・吉野・大森でタクシーに同乗して帰宅。



【11月30日(月)】


 M村嬢@本の雑誌から電話。締切ですと言われて愕然。まだ一冊も読んでないぞ(笑)。まあしかし、茶木さんだってどう考えても今週中は無理に違いない。
 とりあえず目先のものからかたづけるべく、インターネット・アスキーの映画評を書き、ゲームウォーカーのゼルダ評に着手。まだ「闇の神殿」までしか来てないんだけど、終わらせてるヒマはあるまい。

 ああしかも、今週末はもう京都SFフェスティバルではないか。あと合宿ってことは金曜日から行くんだよな。SFマガジンの翻訳は手つかずなのに。ううむ。


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