【10月16日(金)】


 サントリーミステリー大賞優秀賞の川端裕人『夏のロケット』(文藝春秋)を読む。昔は「裏庭でロケット打ち上げる話」はSFだったんですが、今は10億もあれば実現可能かも。という話。「小室哲哉がロケットおたくで昔の仲間はみんな天才」みたいな設定はファンタジーだけどさ。現在の技術で実現可能ならSFとゆわないのだろうか。
『ロケットガール』の前日譚と言えなくもないし、オレ的にはやっぱりSFな気がしますが。しかし冒頭の有人火星探査のエピソードはもうちょっとなんとかしてほしかったような。着陸したときのコメントなんて、ふつうもっと前からさんざん考えるでしょ。



【10月17日(土)】


 今月のアニメージュのネタを「デビュー作かつ青春小説」で行くことにしたので、石田衣良『池袋ウェストゲートパーク』を読む。ヤングアダルトなハードボイルド。初期大沢在昌ですか。文体的にはもうちょっと村上龍っぽい感じ。どろどろを回避する手段としてはヤングアダルト有効。

 ぶんか社《Horror Wave》用に東雅夫氏からレイモンの短編をリクエストされたので、短篇集をしこしこ読む。Powelsで注文したやつね。600部限定サイン入り35ドル、送料がUPSで25ドル。でも注文してから一週間で届いたからよしとしよう。「3000円余計に出す覚悟さえあればどんな本でもすぐ手に入る」っていうのはありがたい。
 しかし鬼畜な話は意外と少なく、30枚前後の短編はお約束をちょっとひねってみましたパターンのがほとんど。けっきょく表題作の長めのやつがいちばんよさそうだな。

 7時、馬場でユタの例会。『時空ドーナツ』を適当に配る。雑破業も新刊が出たらしい。女教師凌辱物。おやぢ化した自分を認めることにしたらしい(笑)。でもそうやって自己分析しているようではまだまだ。知らないうちになってるのがおやぢだ。



【10月18日(日)】


 12時起床。1時半、柳下毅一郎と早稲田で待ち合わせて、寺島令子・五十嵐久和邸。Urza's Sagaの箱が届いたので、その引き取り&シールド戦。
 あとのメンバーは、三村美衣(遅刻)、ベニー松山田中としひさ、それとアートディンクのS田嬢(とは初対面)。8人でクジを引いて、2人組を4チームつくって対抗戦。2人分8パックのブースターからデッキを2個構築、それぞれで闘うわけですね。
 オレは田中画伯と組み、赤白ゴブリンデッキをつくる。come into playでライブラリのゴブリンを引いてこられるやつと、ダメージが通ると手の中のゴブリンを出せるやつと、山渡りのゴブリンと、あともう一種類とで合計8体くらい。相手が青くて飛んでる場合は、赤をほとんど全部抜いて青のフライヤーと交換する戦略。オレ個人はベニーさんと引き分け、柳下・S田嬢に勝ち、2勝1分けだったんですが、田中画伯が1分け2敗のため、チーム成績は3位。五十嵐日本代表提供の賞品をもらいそこねる。

 シールド戦終了後、早稲田駅前の焼肉屋で食事して帰宅。



【10月19日(月)】


 2時、宝島社。匿名座談会も今回で最終回ってことで、会場はダイヤモンドホテルになりました。吉野仁氏が初参加、あとは大森、茶木、関口、D、A。ほかに見学者あり(笑)。『ミネルヴァ』関連の話がほとんどだったような。

 終了後、遊びにきたトヨサキ嬢、香山二三郎氏も交えて、いつものように麹町の《おーきーどーきー》。さらに一杯飲み屋に流れて午前2時解散。



【10月20日(火)】


 U-19アジア選手権が開幕。その日の試合を録画で夜中に放送するので、スポーツニュースで「次はサッカーです」と言ったとたんにチャンネルを変えなければならない。結果がわかってから安心して見るほうがいいかもしれないけど、ユースだしなあ。
 今夜は中国戦なんですが、けっこういらつく展開。梶くんが交替し、金古がセンターバックに入って市川が右に行ってからはだいぶ安定したけど、それなら最初からそうしとけよっていうか。しかし稲本が退場になったとたん、笑っちゃうくらい浮き足立つところが若い。あそこはすかさずメンバーチェンジだと思いますが、どうも日本人の監督は交替カードを温存したがる傾向が強いのでは。稲本退場も小野のファウルもややアンラッキーだけど、まあ緒戦に中国だから、負けなかっただけよしとしよう。とか言ってるとU-16みたいなことになるんだよなあ。




【10月21日(水)】


 3時、日本橋東急2Fの喫茶店で、洋泉社のT氏と打ち合わせ。しかしはやくウェイン町山が帰ってこないと洋泉社は電話代で破産するのでは。社外編集者は珍しくないけど、海外編集者は珍しいと思うな。



【10月22日(木)】


 12時半、マガジンハウスで《Pink》の座談会。浅羽莢子さんと若竹七海さんとオレ。今年のベストミステリーってお題で、それぞれ推薦作を披露するんだけど全然一致しない(笑)。国内に関しては、今年はけっこうたくさん読んでるので(『このミス』の参考リスト中、既読が100冊。例年60冊前後なので、今年はかなり多かった)、主に他人の推薦作にケチをつける係。自分で推薦したのは『密室・殺人』とか『金のゆりかご』とか『ヴードゥー・チャイルド』とか。『夏のロケット』の話をするのをすっかり忘れてました。

 座談会が終わってエレベーターホールに向かったら、かめちゃんこと鵜條薫発見。3時から、おなじ《ピンク》のべつの座談会に呼ばれてるらしい。すげえひさしぶり。なんかマイケル・ジョーダンの追っかけでアメリカを放浪したり、メキシコでどんちゃん騒ぎしたりで暮らしていたらしい。あいかわらずめちゃめちゃ元気である。
 その座談会に出るもうひとりが永江朗氏で、こちらはもっとひさしぶり。10年ぶりぐらいじゃないですかと言ったら、こないだDUGで会ったじゃないですかと言われたけど、そうだっけか。すでに記憶力がゼロかも。

 マガジンハウスを出て、新装オープンのナイルレストランで遅い昼飯。当然ムルギランチっす。味は全然かわりませんね。
 食後、江戸川橋。4時から竹本健治氏の仕事場でアニメージュProject F.F.N.の収録。どうして竹本さんちでやるのかよくわかりませんが、京極さんの発案なので。今月はやっぱり竹本健治一人称で『天啓の器』やるしか。
 葉書をネタに一時間ほどしゃべり、アシスタント状態で写真撮影by福井健太。京極さんが次の仕事に去ったあと、W辺T子嬢@AM編集部がベタ塗り。女性自身の連載もめでたく終了したので、竹本描き下ろしマンガはこれからラストスパートでしょう。
 あとは近所の蕎麦屋で、竹本、大森、福井、W辺の4人で蕎麦を食ってから帰宅。

 やっぱり風邪っぽくて仕事する気力がないので、明日に備えて『火星物語』のつづき。1時間1話ペースで9話まで。
 途中、U-19アジア選手権一次リーグの日本‐イラク戦。あいかわらず守備は安定しない。ひとり少なくなってくれた相手に同点にされたときはどうなることかと思いましたが、終わってみれば6-2。しかしスロースターターなチームだな。



【10月23日(金)】


 4時、新宿東口滝沢別館で、LOVE&PlayStation「たこあしマル秘トーク」の水玉さんインタビュー。ほとんど「火星物語」の話。SONYチェックとASCIIチェックがあるらしいので、実は使えない話が多かったかも。

 インタビュー終了後、「がんばっていきまっしょい」を見て帰ろうと思ったら、どこでやってるのかわからなくなり、かわりに「生きない」を見る。ダンカン脚本のやつ。ところどころいいシーンもあるんだけどなあ。

 帰って仕事しようと思ったがやっぱり調子が悪いので茫然と『火星物語』のつづき。



【10月24日(土)】


 ひきつづきだるい。気力がないのでだらだら書いても原稿が進まない。SFオンラインの今月号はどういうわけか他の原稿はみんな入ってる(岩郷重力の怒りが爆発したおかげらしい)そうで、まさかオレが最後とは。
 いったん家に帰って『六番目の小夜子』を読み返して勢いをつけ、それから3時間で無理やり2本かたづけてから、U-19のカタール戦。

 U-16でも、こりゃどう見ても20歳越えてるだろうみたいな選手が中東や西アジアにはたくさんいましたが(アラブ某国はアフリカから選手を連れてきてるという噂もあるらしい)、国のバックアップがあれば年齢なんかいくらでも詐称できるもんなあ。
 カタールの選手もけっこうおっさんに見える人がちらほら。一対一で勝てないのはしょうがない感じ。あんなドリブルされちゃ止まらないでしょう。

 今日も前半は0-0でイライラ度の高い展開。まあカウンター一発でそうそう毎回点をとられるものではないっていうのは確率的にたしかなんだけど、あれで先にカタールが点とってもっとガチガチに守られたらどうしようもなかったかも。
 まあしかし、今夜に限っては正直者に福がありました。ゴール前のディフェンダーからのバックパスをカットして1点なんて初めて見たような。キーパーからのフィードがカットされるケースはたまにあるけど、あのバックパスはなあ。
 1点とっちゃえばあとは楽勝な試合だったので、後半は楽しく見ました。なんか市川は異常に調子悪かったけど、かわりの選手はいないんでしょうか。
 ともあれ、これで得失点差は+8だから、最終戦で韓国に負けてもほぼ安心。0-3で韓国負けて、中国がイラクに5-0で勝っても、まだ総得点で上回る。というか、韓国とは握手して終わりにすればいいんだよな。はたしてそういう試合ができるのか。たぶんできない気が。


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