【8月23日(日)】

 15時間睡眠で夕方起きる。『レッド・マーズ』を読みはじめたけど前半はけっこうだるい。これでは『火星転移』と変わらんではないか。解説もネタ割りすぎな気がするがなあ。あれじゃ読む気がなくなると担当編集者に文句言ったら、「だったら読まなきゃいいじゃん」とのお返事。まったくごもっともである。いや、読むんだけどさ。

 この一週間、翻訳しかやっていなかったので原稿がたまっている。名古屋に行くまでにかたづけるべき原稿が11本あることが判明。やっぱりSFオンラインの原稿は無理やり逃げるべきだったかも。とりあえずSF大会の《星界》企画用の原稿を書き、N村さんから来た月刊アスキー256号のコラム2本に着手。まさかアスキーにパソコンの話を書く日が来るとは(笑)

 先週、なぜか二冊届いていた柳下毅一郎の処女映画評論集(とか柳下は自分で書いて恥ずかしくないのか>処女)、『愛は死より冷たい』をぱらぱら読む。装幀はいい感じ。序文を読んで、そうか、柳下はこんなにくらいやつだったのかと愕然とする。おれも学生のときは年に200本映画見てたけど、そういうくらい情念は抱いてなかったのだが。それとも自覚がないだけなのか(笑) まあ、映画愛ってのはたしかに気持ち悪いけどさ。「映画が好きです」とかいうのも気持ち悪い。映画とか本は、好きとか嫌いとか言うもんじゃないよね。
 本の後半にWWW日記がごそっと収録されているのを知りのけぞる。いいのか、こんなの載せて。でも考えてみれば、気の利いた関係者はみんな読んでるからいっしょか。でも気のきいてない関係者がはじめて本で読んで怒るんだよね、たいてい。
 タラちゃんマブダチインタビューは爆笑。


【8月24日(月)】

 明けがた家に帰って、さあ寝るかと思いつつ、やっぱり大会前に『屍鬼』のゲラ読まないと人に自慢できないよな(笑)と思い、最初のほうだけでも手にとったのが運のつき。
 午前6時すぎから読みはじめて、上巻が終わったところではっと気がつくと11時まわってるし。これから怒濤の展開になるのは目に見えてるので、あきらめて寝る。

 扶桑社のT田くんからの電話で午後9時起床。そうそう、本が届いたんすよ、『逆襲の〈野獣館〉』。今週末には書店に並ぶらしいのでみなさまよろしく。Wonder Workz。製作のカバーはこんなの。ついでだから前のといっしょに並べよう。


 どうでもいいけど、もし三冊目が出たらどうするつもりだ(笑)>岩郷様。
 ちなみに三冊目のタイトルは『復讐の〈野獣館〉』で決まっているらしい。二冊目のとき、復讐か逆襲かで悩んでたんだけど、T田くんいわく、
「復讐は三つめですよね、ふつう」
 元SFマガジン編集部のひとはこれだからな。前作がそこそこ売れたおかげで、今回の初版は対前作比3割増し。おまけに、『殺戮』は同時に5刷がかかったそうで、めでたいことである。
 そういえば、シリーズ第三弾のMidnight Tourも、しばらく前にイギリスのインターネット書店から届いてるんだけど、1200枚ぐらいですかね。いったいいつ読むんだろう。

 藤田雅矢『蚤のサーカス』も届く。〈波〉の書評の一部を帯裏に使いたいと言われたんで、気軽にオッケーして、ちゃちゃっと書き直したのをメールしたんだけど、なんか帯の表にまで進出している。そういうことはちゃんと事前に申告するように>K村さま。って、よく考えたら、「こんなふうに使います」って報告を受けたことは一回もないんだけどさ。
 しかしあれでは藤田くんに申し訳ない感じ。中身は(ふだん大森が推薦するタイプの本とは全然違う)いい本なので、みんな読んでね。


【8月25日(火)】

 アニメージュの書評とアスキーのコラム2本(レギュラー以外)を仕上げ、馳星周インタビューの原稿を半分チェックしたところで力つき、家に帰って『屍鬼』のつづきを読む。
 下巻は700ページ以上あって、合計1253ページ。26字×22行×2段だから、これって3500枚越えてるじゃん。書き下ろし3000枚と聞いてたけど、500枚は誤差なのか(笑)。
 出版前なので感想はパス。傑作。

 京極さんに電話してF.F.N.の収録をすませ、MAG TIMEで原稿化。テレピックでMDに録音してるんだけど、ボリュウムいっぱいにしても向こうの声が小さくて聞きとりにくい。というか、片手でイアフォンを耳に押しつけてないといけないので、同時にキーボードが打てなくてふべんかも。
 ちゃちゃっとまとめてから、アスキーのレギュラーの原稿とSF Onlineの原稿をかたづける。あとは小説すばるの書評とインターネットアスキーの映画評3本か。あ、ラッカーのゲラ見なきゃ。


【8月26日(水)】

 とりあえずラッカーの原稿直しが終わったので、本を買うついでに早川まで遠征。東西線に乗ったら、となりの人が『鎮魂歌』読んでるのはいいとして、向かいの人がポケミスの『ドーヴァー3』を読んでたのは驚いた。渋いなあ。ちなみにわたしは『切断』が好きです。って全然しぶくない。あのオチは笑いました。

 残りの原稿をほぼかたづけて、ゲームォーカーだけは残るけど来週まわし。をを、行こうと思えば明日から名古屋に行けるな。


【8月27日(木)】

 8時に起きて体重計に載ったら56.6kgを計測。この10年でもっとも軽い体重かも。これで名古屋行って甘口抹茶小倉スパ(伝言板参照)食べてもだいじょうぶ。ってそういう問題じゃないか。

 試写があるので出発は明日に延期。1時から松竹本社で「岸和田少年愚連隊 望郷編」と、「大怪獣東京に現わる」の二本立て。
「望郷編」は、69年が舞台。アポロ11号が背景で、後半、月着陸船の模型を造るエピソードが傑作。しかし、利一の父親役が竹中直人っていうのはなあ。どう見ても岸和田の人じゃないでしょう。
『怪獣の出ない怪獣映画』として有名な(?)「大怪獣東京に現わる」は福井が舞台。東京に怪獣が上陸したら、関係ない地方の人はどうするでしょう的シミュレーションで、アイデア的には完璧な自主映画。なんとこれは、松竹が公開する「ゴジラ対ガメラ」なんですね。もちろんゴジラもガメラも出ないし、トカゲ怪獣とカメ怪獣なんだけど、それでもゴジラはちゃんと火を吐くし、ガメラはちゃんと空を飛ぶぞ。


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