【6月22日(月)】
いやあ、ドイツは粘るね。ユーゴ勝ったと思ったんだけどなあ。まあ、わたしと同い年のマテウスががんばってるので、Under38のドイツを応援したい気持ちもないではない。
ちなみに4年前の記録(日記はつけてなかったんだけど、NIFTY-Serveのホームパーティにときどき書いてたアメリカ大会の観戦記)を参照すると、「90年からタイムスリップしてきようなドイツも捨てがたい」とか書いてあって大笑い。さらに98年までスリップがつづいてるわけですね。まあ今日はタルナートとビアホフだったけどさ。
午前4時からはイラン×アメリカ。歴史的な勝利を目撃できてしあわせなことである。マハダビキアはいいなあ。
そのまま起き出して、メトロセンターのなか卯で時鮭定食の朝ごはん。地下鉄で早朝の銀座に出る。朝の7時半からというとんでもない試写にもかかわらずマリオンの日本劇場は満員状態。
「なんでこんな朝っぱらから……」とかいいながらみんなけっこううれしそう(笑)。水野晴郎と宇田川幸洋がいっしょにいる試写も珍しい気がする。映画はハリウッド版ゴジラ。
いや、オレはけっこう好きだよ。そりゃま、怪獣映画じゃなくて巨大生物映画だけど。うちでは前から「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・イグアナ」と呼んでいるので、コードネームがGodzillaでもまあ許そう。「ガズィーラ」じゃなくて、ちゃんと平板アクセントの「ごじら」だし。
試写のあとは、山岸、添野、塩澤のSF組にインターネット・アスキー編集部のN岸さんとG家嬢、わりとひさしぶりな川又(千秋)さんなどと近所の喫茶店に入り、怪獣話。なんか朝7時からの試写っていいよな。
お昼に帰宅して寝る。
【6月23日(火)】
夜中に起きてルーマニア×イングランド。いやあ、オーウェンくんはかわいい。子供ですね。シアラー×オーウェンの同人誌とか出そうな感じ(笑) ヒデ×城よりはいいと思うけど。
しかしまたしてもロスタイムに縦パス一発ですか。ルーマニアもシード国の意地だね。
コロンビア×チュニジアはちらちら見ただけ。バルデラマも全然だめそうなのに、あの一瞬だけで決定的な仕事するんだからだてに年はとってない。しかしオレよりひとつ年下なのか(笑)
起き出して仕事。ネオランガ対談の原稿整理とか。
午後8時、京極さんちに電話してProject F.F.N.の収録。山形国際ミステリー映画祭の話とか。
【6月24日(水)】
いったん寝てから夜中に起きて、イタリア×オーストリア。ビエリって、全然すごそうじゃないのになんか点とるなあ。しかしツートップがふたりとも変わったのは驚きました。デルピエロからバッジオへの交代(またはその逆)は今大会のパターンだけど、得点したビエリ下げてインザーギですか。そのかわった二人でダメ押しの一点とっちゃうんだから、さすがイタリア。でもやっぱり、イタリア人じゃなくても、デルピエロとバッジオのツートップは一回見てみたいよなあ。
ブラジル×ノルウェーは意外な大どんでん。ベベトのヘッドで決まりだと思ったのに。いくら一位ヌケが決まってても、ノルウェー相手に連敗はできないんじゃなかったのか。
最後のPKは、NHK衛星の画面で見るかぎりどう見てもミスジャッジだと思ったんだけど、ノルウェーのテレビ局がファウルの証拠ショットを流したらしい。まあザガロがあんまり怒ってなかったし、やっぱりファウルだったんでしょう。しかしモロッコはかわいそすぎる。ノルウェーが一次で消えてくれても、おれは一向にかまわなかったんだが。けっきょくまたヨーロッパの天下になりそうないやな予感が。頼みはナイジェリアだけなのか。
週明けまでに11本、百枚を越える原稿を書かなければならないことに気づいて茫然とする。無理だよ、ははは。笑っていてもしょうがないので、書かないと落ちる原稿から裂きに着手。
とりあえずアニメージュの原稿2本。すでに読み終えた本で書評を書き、「クロアチア戦の最中に山形の京極夏彦と電話をしている」という(オレ的には)ありえない設定でF.F.N.の原稿をまとめる。これで一割終了。
6時、新橋の第一ホテル東京で推理作家協会賞。
今回の受賞作は、長編部門が馳星周『不夜城』と桐野夏生『OUT』、評論その他の部門が笠井潔編『本格ミステリの現在』と風間賢二『ホラー小説大全』。カバーする範囲が広いだけあって、出席者の顔ぶれも多彩。本格系、冒険系の人はもちろん、翻訳系の知り合いも多数。風間夫人と馳夫人は、昔から噂はよく聞いてたけどどっちも初対面で、いや、いいものを見せてもらいました。馳星周夫人なんか金髪だもんなあ。
しかし受賞者が知り合いばかりだと困るのは二次会。とりあえず、第一ホテルからいちばん近い笠井さんのところに顔を出し、『ミネルヴァ』問題で対決。というか、笠井説の説明を聞く。基本的にはほぼ納得。
笠井さんは『この文庫がすごい'98』の匿名座談会に怒り爆発状態らしく、ミステリマガジンの『ミネルヴァ』では、しばらくアレを徹底的に撃滅するシリーズをやるらしい。いや、他人事じゃないんだけど(笑)。でも直接の標的はやっぱりシンポ教授でしょう。教授も二次会会場にいたんだけど、さすがにやや及び腰。ちなみにこの会場には福井健太もいて、わたしの知らないところで我孫子×福井対決があったらしい。福井健太は逃げの一手だった模様。あ、『本格ミステリー宣言II』の解説まだ読んでないや。
一時間ほどで笠井二次会を抜け出し、ワールドカップ土産話を聞くべく、『不夜城』二次会へ。なんかやたら広いイタリアンな店を貸し切りにしてて、全員着席の不思議なムード。しかし疲れてるのですわれるのはありがたい。総勢40人ぐらいだけど、やたら編集者が多かったなあ。
というわけで、じっくり馳星周のフランス話を聞く。ジャマイカ戦の観戦はとりやめにしたそうで情けない。中山が一試合で得点王になるかもしれないじゃないかっ。しかしフランスまで行って三作目の原稿を書いていたとは立派なことである。一カ月は仕事休みにすると思ったけどなあ。ところで金子達仁は、誌面ではずいぶん自己規制しているらしい。ナンバーの対談その2も、ゲラではけっこうおとなしくなってたとか。
スピーチを要求されたので、「馳星周が推理作家協会賞をとったりするから、日本代表が三連敗したのである。このうえは責任をとるように」とか放言する。
馳星周二次会がお開きになったところで、桐野夏生二次会に流れ、喜国雅彦絵の『OUT』特製テレカをいただく。桐野さんと喜国さんにサインしてもらってラッキー。
そのうち笠井組が合流し、総勢20人ばかりで三次会。場所は銀座のパスポート。ごった日記既報のとおり、ここでは我孫子×シンポ対決があった模様。ま、「新保博久にはなにを言っても無駄」という結論にならなかったのはさいわいなことである。笠井×新保直接対決はなく、これは誌面に持ち越しか。宝島社サイドの対応にも注目ですね。
笠井組といっしょなら新宿まで出ないですむと思ったのに、四次会はやっぱり新宿。我孫子武丸大爆発の話は河内さんの日記にくわしい。しかし我孫子さんはもうこのへんから記憶がなかったようで、だいじょうぶか。
四次会場にはたまたま高取英が居合わせて、間近に観察。薄井ゆうじに似ているかもしれない。いしかわじゅんの昔のマンガとくらべるとかなり巨大化してるかも。
室井佑月嬢は今夜もハイテンション。津原さんは茶木ネタで飛ばしまくってたと思ったらいきなり電池切れ。
六次会は蕎麦屋。アビー「蕎麦がない」事件は河内さんのマンガをお楽しみに。
そういえば、我孫子武丸から、「大森さんは日和見主義者だから」と言われた記憶が(笑)。たしかに日和見観戦症かも。カリニ肺炎とかそういうやつ。
さすがにぐったり疲れてタクシー帰宅。
【6月25日(木)】
夕方起きてビデオを見る。
いやあ、スペイン人は思いきりナイジェリア嫌いになったに違いない。けけけ。パラグアイにあっさり負けちゃうんだもんなあ。6点とっても無駄でした。ご苦労様。しかしあのD組からパラグアイが抜けるとは。なにがあるかわかりませんね。
なにがあるかわかりきってるC組の試合は部分的に見る。トレゼゲはけっこう好きかも。
さて、仕事はあと9本。そのうち一本は明日取材して書くんだよな(笑)。簡単そうなものから手をつけることにして、インターネット・アスキーの映画評(「ゴジラ」と「アナスタシア」)を書き、小説すばるの書評を、今朝寝る前に読んだ貴志祐介の『天使の囀り』で書きはじめる。
が、全然調子が出ないので、現実逃避のため、高田馬場ビックボックスで開催中の、夏来健次迎撃カラオケに合流。メンバーは東、倉阪、三村、小浜、山岸、福井&てぃんか〜べるの迫水嬢。
昨日はカラオケに流れなかったのでちょうどいい感じ。二時間ほどなごやかに歌って(夏来健次も歌ってるときはしごくなごやかである)帰宅、ひたすら原稿を書く。見たのはドイツ×イランだけ。
【6月26日(金)】
今日は光文社で出る国際おたく大学本の取材。
通信カラオケネタで30枚という謎の仕事。アニカラ原稿ならさいとうよしこに、と振ろうとしたが失敗し、アニカラ者の話を『創』ふうにレポートするのもおかしいかと思って引き受けたんだけど、週末取材に行こうと思ったらずっとワールドカップなんだよな。
ほんとは先週の土曜日、「クロアチア戦視聴率70パーセントを横目にパセラでカラオケを歌う人たち」を取材して原稿書くつもりだったんだけど、あまりにも疲れてたんでパスしたのでした。『ループ界』の百枚原稿書いてる最中だったし。
しかし、締切のほうはいよいよデッドらしくて、日曜の夜中までにと言われてしまったのでしかたがない。日下三蔵がOESの人々と今夜ゼニスで歌うってんで、そこに混じることにする。
昼間は『ループ界』のもう一本の原稿30枚をぶっ書き(これは半分引用でコラージュふうに逃げることにする)、6時半、新宿東口で日下三蔵と合流。カラオケ前に滝沢で予備取材。ゼニスのカラオケは11時からなんだけど、ジャマイカ戦のキックオフもおなじ時間なんですね。
いくら原稿のためとはいえ、ジャマイカ戦見ないでアニカラ見物するオレではないので、10時半に日下三蔵といったん別れ、ゼニス徒歩2分のセントラルホテルにチェックイン。ああ、また日本代表のためにカネを使ってしまった(笑)
ジョホールバルのイラン戦は京都のホテル、アルゼンチン戦はフォーシーズンズ、ジャマイカ戦はセントラルですからね。自宅で見たのはクロアチア戦だけじゃん。
しかしセントラルホテルは外見に似合わず意外と快適。TVの大きさ優先でツインの広めの部屋をとり、シャワーを浴びて浴衣に着替え、クーラーぎんぎんにかけてベッドに寝転がる。
結果については多くを語りません。オレの予想は0-0引き分けだったのになあ。しかし、ジャマイカ戦、クロアチア戦とちがって、今日は勝っててもおかしくなかった試合だからまあいいでしょう。勝負は時の運。いや、あれだけ入らないと日本の風土病かもしれないって気がするけどさ。しかしジャマイカが決定的チャンスほとんどなかったのに二点とったのは、運だと思うね。
フォーシーズンズとセントラルと、合わせて5万円近く使って1ゴールも見られないと悲しすぎると思ってたので、まあ1点とってくれてよかったす。1ゴール5万円。日本代表のW杯初出場初得点としては、オレ的にはそう高くないさっ。
試合終了後、地上波に替えてラモスの愚痴を聞いてから、終了直前にやってきたさいとうよしこといっしょにゼニスへ。2時間取材して(というか、アニカラな人々の歌を聞いて)またホテルにもどり、速攻で原稿書きながら、4時からのイングランド×コロンビア戦を見る。