【5月11日(月)】

 本が足りないので、菊池秀行『〈魔震〉戦線』2冊を急遽読み、反則ながらこれをメインで行くことに決定。まあ、《魔界都市ブルース》はいままで一度も紹介してないのでちょうどいいかも。獏さんの《キマイラ》とか《新・魔獣狩り》とかもやってないんだけどシリーズ物はタイミングがむずかしいよな。「完結しないシリーズ」(長大な長編の一部みたいなやつ)の書評方法を考えなきゃ。
 というわけで本がやっと決まったんで《本の雑誌》を書く。前半はミステリマガジン6月号の笠井潔原稿に対する反論。「響きと怒り」に投書してポケミスもらおうかと思ったんだけど、せっかくなのでこっちでネタにさせていただきました。
 しかしあの連載はなぜHMMでやってるのか謎ですね。HMM読者で『六枚のとんかつ』とか『Jの神話』とか読んでる人は少ないと思うのだが。


 書評をかたづけてTP535プリインストールのFaxWorksで送ろうとするが、なぜかWZ3.0から送れない。もともとWZとは相性よくないんだけどなあ。他のアプリからは正常に送信できるみたいなので、ためしにWZ2.0に変えてみるとOKでした。なんのこっちゃ。まあ結果オーライなので2.0からファックスを送る。前のマシンではファックス送信ができなくなってて、いちいちNIFTY-Serveのファックス送信サービス使ってたんだよな。とりあえずアプリからのfax送信がふたたび可能になったのはめでたい。前の電話帳そのまま使えるし。  もっとも、いまやレギュラー原稿でメール送稿できないのは本の雑誌だけなんですが。

『アンドロメディア』の解説なんか、担当者のメールアドレス知らなかったので、アンドロメディアBBSのログを担当者名で検索して勝手にメールで送っちゃったんでした。


【5月12日(火)】

 午前11時に寝て、午後7時に起きる。本の雑誌がかたづいたのでミステリを読む。半分で中断していた渡辺容子の『無制限』とか、有栖川有栖の『ジュリエットの悲鳴』とか。  なぜか書評を頼まれた柴田よしき『フォー・ディア・ライフ』は男性一人称の私立探偵物――だが、背景は緑子シリーズと共通。ちょっと盛りだくさんすぎる気がしないでもないが、緑子シリーズほどアクは強くないので、こっちのほうが読みやすいかも。

 体重は59.6キロまで減少。体脂肪率は25パーセント。しかし今からあんまり減らしてると夏を乗り切れないかもだな。

『本の雑誌』6月号が届く。どうでもいいけど、「やまがた林間学校」のカラー広告6ページはちょっとなあ。表2と表3のつるつるカラー広告もいやな感じですが、雑誌の途中にマット系の紙がはさまってるのはもっといや。アウトドア雑誌じゃないんだからさ。


【5月13日(水)】

 午前3時ジョナサン→7時ロッテリア。仕事する気なし。
 5時ごろNIFTY-Serveをまわったら、ねこぢる自殺の報があり愕然。あわてて新聞見たら朝日の朝刊に載ってました。
 ねこぢるさんとは一面識もなかったんだけど、3年前、リットーミュージックの雑誌Siftにマンガ評を連載してたとき、『ねこぢるうどん2』の書評を書いたことがある。

 (前略)ノスタルジックな背景設定とシュールな狂気って意味じゃ「猟奇王」系列だし、「ガロ系へんなマンガ」で括ることも不可能じゃない。しかしねこぢるの狂気は川崎ゆきおの狂気よりはるかに輪郭がシャープで、絵柄とは裏腹にほのぼのしたところが一切ない。しかもその狂気のディテールがある種身体的なリアリティを持っているってとこがポイントね。
 たとえば『2』巻末におさめられた特別編「かぶと虫の巻」のラストシーン。胸の奥を風が吹き抜けていくような心細さは、かくれんぼで遊んでたらいつのまにか日が暮れてひとりぼっちでとり残されてる自分にふと気づいたときの不安と焦燥を鮮やかに再現する。真夏の白昼の狂気と、真夏の夜の恐怖が交差する場所に、ねこぢる世界があるわけです。
 わが家でねこぢるがマイブームだったころ、うちの妻は毎月せっせとガロのページをコピーしてはサンフランシスコ在住の妹に送りつけ、コミケで買ってきた海賊版(たぶん)ねこぢるポスターを壁に貼ったりしてた(いまも貼ってある)くらいだから、「キュートでウィアードなマンガ」としてがんがん消費されちゃう可能性もあるんだけど(アニメージュのカットとかは健全キュート路線だしさ)、しかしそれがねこぢるである以上、日清カップヌードルねこぢるうどん新発売的な事態が生じる心配だけはないわけで、それはそれで痛快かもしれない。
 その後、小説すばるでねこぢるマンガの連載がはじまったりとか、東京電力のCMにキャラクターが起用されたりとか、順調な活躍ぶりを遠くから見てただけの人間からすると、今度の自殺は突然としか言いようがない。夫の山野一氏も、「家庭や仕事などについて悩んでいた様子はなかった」と言ってるようだけど、まだ31歳で死んじゃうとはなあ。
 それにしても、某紙の『漫画家ねこぢる「hide風」自殺』っていう見出しの無神経さには腹が立つ。自殺っていうのは個人的なもんでしょ。

【5月14日(木)】

 午前1時起床。ファンタジーノベル大賞の原稿を読みつつ、ウェブをぶらぶら。Altavistaが日本語検索に対応したっていうんで、さっそくためしてみる。検索設定をカスタマイズして、そこをbookmarkできるのがべんり。たとえば、広告グラフィックなしで日本語と英語のサイトを検索する設定をaltavista日本語検索とか名前つけてbookmarkしとけば、gooやinfoseekとおなじ日本語検索サイトとして使えるわけです。  ちょっとためしてみた感じでは、ヒット数はgoo並みかそれ以上。海外サイト検索にaltavista使ってる人は、ページ切り替えなくてすんで便利かも。

 最近まめに読んでるのは購書日記系のページなんですが、「Alisato's Room 〜ありさとの蔵〜」の「本買い日記」が面白い。SFに加えて、FTと少女マンガの古本情報が多くて勉強になりますね。  このサイトは井辻朱美や花郁悠紀子の紹介ページ、ハヤカワ文庫FTのリストなんかがあって、ファンタジー系だと思ってたんだけど、じつはSF度も高いのだった。

 というわけであちこちまわってるうちに、ぼちぼちリンクページも直さなきゃ、ってことで2ヶ月ぶりに更新。

 全然知らなかったんだけど、NIFTY-Serveに「オープンコース」っていう、月額1200円使い放題な料金体系が誕生していたらしい。ただしtelnet接続のみ――だけど、NIFtermはそのまま使えるから問題ないじゃん。つーことは、フォーラムでいくらチャットしても一銭もかからないってことか。しかし95用のチャットアダプタ持ってない(笑)
 まあどっちみちNIFTY-Serveに毎月払ってる使用量って2000円〜3000円なんだけど、時間気にする必要がなくなるのはうれしいかも。さっそくコース変更してこなきゃ。

 とかやってるうちに時間が過ぎる。あとは『フォー・ディア・ライフ』の書評書いて、ファンタジーノベル大賞の原稿読んだだけ。こんなだらだらしてていのか>自分。


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