【5月6日(水)】

 ポスト・コンベンション・アパシーで無気力状態。仕事しなきゃいけないんだけどなあ。
 渡辺浩弐『アンドロメディア』(幻冬舎文庫)の解説のためにGTVのサイトとかバーチャルアイドルのサイトとか見てるうちに時間が経つ。
 GTVと言えば、さいとうよしこが初代編集スタッフだったわけですが、手塚治虫が死んだ日に渡辺浩弐と大喧嘩して辞めちゃった話は秘密だよ。
 あとは各地のセミナーレポート・サイト探訪とか。柳下毅一郎に借りた秘密のビデオを見たりとか。


【5月7日(木)】

 SFインターセクションの浅倉インタビューをまとめ、『アンドロメディア』解説に着手。本の雑誌の締切も今週いっぱいなので、『リングワールドの玉座』とか読みはじめる。ああリシャスラがしたい(笑)。しかしこいつら、メシ食ってるかリシャスラしてるか戦ってるかの三つしかないのでわ。いや、けっこう笑えますけど。


【5月8日(金)】

 えいやっと『アンドロメディア』解説を仕上げたところへ、サンフランシスコから斉藤友子到着。今回はCレボ合わせらしい。
 うどんを食べたいというトモコにつきあってから帰宅、《マジカルランド》シリーズ4冊目のゲラとか、ディーツの『戦闘機甲兵団レギオン』とか。
 しかし今月驚いたのは、青心社文庫の出海まこと『邪神ハンター』でしょう。士郎正宗の描き下ろしカラーイラストが、上下合わせて20点ぐらい入ってる。内容的にはややソフトコアなナポレオン文庫なので、当然イラストもえっち系。アダルトな美少女対戦格闘ゲーのキャラデザイン、みたいな。魔物に凌辱される美少女な絵柄は、くりいむレモンの3本め……だっけ? ああいうの。士郎ファンはマストバイでしょう。アメリカで高く売れそうな文庫だね。しかしなぜこんな仕事するかなあ。謎。
 おなじクトゥルー系ポルノなら、内容的には安達瑶の『世界最終美少女戦争』のほうが面白かったな。プレリュード文庫の第一弾。安達B嬢のほうはNIFTY-ServeのFBOOKCで細田均氏と凄絶な死闘をくりひろげてたわけですが、うちに本を送ってくれたのはたぶん安達O氏のほうでしょう。しかし本が届く前日に明和書店で見つけて買ってしまったので、届いたときにはもう読み終わってたんでした。中学生がところかわまず性交しまくらないと世界が滅亡するって設定はマル。


【5月9日(土)】

 トモコ嬢のリクエストにこたえて夕食はメトロセンターの寿司屋。三人で嵐のように食って一万円でお釣りが来たんだけど、明日なら半額だったらしい。ちぇ。
 家に帰って本を読みつづける。『伝説の船』はダメでしょう。マキャフリーの品質管理能力も衰えたか。ダメだったので自分の名前をはずしたという考えかたもあるな。
 ふとったエヴァなカバーが話題のレギオンは、「スターシップ・トゥルーパーズ」のようにはじまり「ジェダイの復讐」のように終わる珍しい戦争SF(笑)。後半の展開はブリンっぽいね。
 しかし解説の牧眞司がフダサ人の「異質性」を強調してるのは謎。こりゃどう見ても人間でしょう。ただのドイツ人かロシア人。菊池理論にしたがえばすでに現代SFじゃないわけだが、コミュニケーションが成立しない相手と戦争したってつまんないからなあ。


【5月10日(日)】

 マジカルランド既刊分をざっと読み返し、解説に着手。『おさわがせ中隊』の解説コンビの漫才にしようとかと思ったけど、FT文庫だしなあと思い直し、水玉画伯に電話。百パーセントでっちあげ対談から、五十パーセントでっちあげ対談に変更する。水玉さんはちょうどイラスト描いてる最中らしい(笑)。

 コバルトノベル大賞の『機械の耳』とか、金蓮花《月の系譜》の新刊とか、図子慧の『猫曼魔』とかを読みつづけるが新刊SFレビューの柱がない。
 すごかったのはサントリーミステリー大賞の『ゲノム・ハザード』ですね。
 「ぼくの秘密のフロッピーにすべての情報が……」みたいな話はさすがにもうなくなりましたが――とか、こないだのメディア研でしゃべってたんだけど、『ゲノム・ハザード』がまさにそれ。しかもウィルスの遺伝子組み替え実験とかやってる研究者が失踪して、すべてのデータをおさめたフロッピーが行方不明になっちゃうという。まあフロッピーは100メガ入るやつとかありますが、この研究所ではデータ共有しないんでしょうか。遺伝子組み替えウイルスの入ったシャーレが割れて、所長が連れ込んだ部外者がそれを浴びちゃうとか。中学生の理科の実験じゃないんだからさあ。


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