【9月27日(金)〜28日(土)】

 2時にミストラルで読売新聞日曜版の取材。なんかホームページ紹介のコラムがあるそうで、大森SFページを取材したい、と。いままでのやつを見ると、タレント、作家、ミュージシャンとかそういう流れなんですが、たまには有名じゃない人間も載せてバランスをとりたいということらしい(笑)
 10月20日と27日の読売日曜版掲載予定らしいので、読売とってる人は見てね。わたしは読売めったに読まないし、ふだんから日曜版は開かずに捨ててしまうのでよくわからないけど、やっぱりアクセスが増えたりするんだろうか。
 そういえば読売でも仕事したことがない気がするなあ。かつては毎日新聞に毎月一回SF時評を書いてたこともありましたが、いまとなっては遠い昔だ。SF時評の載ってる新聞っていまや週間読書人だけなのでは。
 4時半、アスキーの第七書籍の人が二人、11月だかに出る新人の書き下ろし長篇のゲラを持ってやってくる。読んで気に入ったら推薦よろしくとか、そういう話。これからSFに限らずミステリーとかも出していく予定とか。最近は中井紀夫氏が「天地創造」のノベライズとか書いててアスキーもSF作家の受け皿になってる感じ。大場惑氏はすっかりイース作家だし。ジャストシステムとアスキーがSF出版を支えることになるのだろうか。
 それにしてもアスキーは書籍編集部が7つも8つもあるのでわけがわからない。最近の社内事情(カンパニー制移行etc.)についてレクチャーを受け、こちらからは古神陸のブルー・アイズ・ブルーの再刊を提唱する。
「馳星周、幻の処女長篇ハードボイルド!」と帯に大書すればハードカバーでも3万部はかたいね。ってもう角川が押さえてるかもしれないけど、アスキーの笠原さんはそもそも剄文社の編集者として坂東齢人にブルーアイズ・ブルーを書かせた人なので、無理やり持ってくることも不可能ではないだろう。そういえばアストラル・シティもどこかで出直すんだろうか。

 今日から東京国際映画祭。すっかり忘れてたけど、昨日WOWOWで添野に言われて、今日がファンタスティック映画祭の香港映画オールナイトだってことを思い出したので、夕方一眠りしてから渋谷に出かける。
 10時前にパンテオンに着くと、添野と堺と良平さんが勤勉に列に並んでいる。んじゃ席とっといてね、よろしく。と挨拶してひとまわりしたら、馳星周先生もいちばん前のほうに並んでいた。まあこんなペンネームをつける以上、並ぶのは義務かも。だいいち今日のオールナイトは「香港冒険不夜城」だもんな。そういえば来週の木曜には周星馳特集上映もあるのだった。ううむ、まるで馳星周のための映画祭みたいだな。ちなみに馳氏は列に並んで北川歩実氏の新作『模造人格』を読んでました。わたしは半分まで読んだところで横溝賞の原稿の山に突入したため、現在は棚上げ中。
 宮益坂のロッテリアで腹ごしらえしてから、会場時間を待ってパンテオンにもどる。香山二三郎、吉野仁、関口苑生夫妻、青井美香夫妻、伊藤卓氏なんかも来てました。小江さんも途中から合流、SF勢(笑)で二階席に陣取る。上映前の舞台挨拶をロビーでやりすごし、昔ベストロンにいたロケット筒井氏と雑談。いまはケイツーで配給やってるそうで、ツイ・ハークの「ブレード」とか買ってるらしい。
 映画は11時半スタート。タイトル書くのが面倒なので、NIFTY-Serve某所に発表された添野くんのレポートを無断引用する(笑)

▼冒険王
ファンタスティック映画祭オールナイトの1本目。細部の演出の巧みさ・創意工夫と
全体の整合性のなさが、みごとなまでにアンバランスなところが程小東らしい。
つまり今となってはいささか懐かしい、古いタイプの香港映画。
リー・リンチェイとロザムンド・クワンのカップルは「ワンス・アポン」シリーズと
何ら変わるところがないし。それでも面白いのは、映画の醍醐味は動きにのみあり!
として、筋の通った物語をばっさり切り捨てた割りきりが気持ちいいから?
ちなみに、やっぱりというべきか、
香港公開版では主役4人が二役を演じる現代篇が含まれていたそうです。4点
▼古惑仔(こわくちゃい)
人気劇画の映画化ヒット作。若い俳優の束になった魅力で見せる
ウエルメイドな万国共通のやくざ映画。特に気の利いた演出があるわけでもない
こういう映画が、そこそこ面白い理由というのは、一考の価値があるかも……。
「代紋TAKE2」と同じだからダメ、というのは水鏡子論法でしょう>堺さん(笑)。
来年同時公開される続編は、陳小春のほうを中心にした台湾篇とのこと。3点
▼大冒険家
この映画で寝ていた者は幸せである。アンディ・ラウに当たりなし。
どう撮っても絵にならないこの悲恋アクション大スターの呪いが全体を覆っている。
ということにしてリンゴ・ラムの監督としての資質は問わないでおこう。1点
▼ハイリスク
「ダイハード」香港版なのだが、わきすじのジャッキー・チュン演じる「死亡遊戯」
パロディに完全にくわれている。同じボディガード役で「ターゲット・ブルー」という
佳作のあるリー・リンチェイだが、今回は損な役回りでした。3点
 大森の採点は、上映順に2、4、1、3かな。「古惑仔」はちゃんとヤクザ映画の文法を踏まえてるくせにいまどきの若者映画になってて、たとえばエドワード・ヤンの「カップルズ」なんかよりずっと面白い。香港製有名マンガが原作らしくて、要所要所にマンガの絵のカットが入るのがちょっと興ざめでしたけど、それをのぞけばここ数年見た香港映画でもピカイチだな。吉野仁、関口夫人も絶賛。
「冒険王」はあいかわらずの程小東アクションで、もういいかげんこういうのは飽きたっす。あと2本は添野感想通り。

 四本終わるとすでに7時。良平さんが朝飯を食おうというので、開いてる喫茶店さがしてモーニングを食らい、最近のSF映画と最近のSFマガジン/SF文庫の話を一時間くらいくっちゃべり、8時過ぎに帰る。ベッドに入ってお昼まで横溝賞の原稿読んで寝る。


【9月29日(日)〜30日(月)】

 午前0時起床(笑) 週明け締切原稿が四本あるんだけど、とりあえずゲームウォーカー用のSSソフト、「サクラ大戦」をプレイ。いやあこれが意外に面白くて大ハマり。適当なところで切り上げて原稿書くつもりだったのにやめられない止まらない状態。
 けっきょく仕事を放り出して遊びつづけ、日曜の夜もつぶして月曜の昼まで遊んでしまう。トータルで12時間以上は浪費したかな。そうだ、しばらく原稿をputしてなかったので、ついでにhtml化しておこう。サクラ大戦に興味がある人はここを見てね。  と、そんなことをやってたので月曜日に上がった原稿はゲームウォーカーだけ。やれやれ。横溝賞の下読みも今月いっぱいなんだけどなあ。まだ一箱まるまる残ってるし、「サクラ大戦」の誤算は痛い。

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