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【お知らせ】

●新刊の宣伝のときしか更新しないのかよ! とお怒りの人もいるでしょうがそのとおりです。なんかねえ、エディタでファイルつくってftpとかめんどくさいよね。なんとかしなきゃ。

河出《奇想コレクション》第二期の第一弾、シオドア・スタージョン『輝く断片』が6月10日に発売されます。→内容一覧
大森望編、伊藤典夫・大森望・柳下毅一郎訳。定価 1,995円(税込) ISBN 4-309-62186-4
→予約受付中: amazon | bk1 | 7&Y

●大森望『現代SF1500冊 乱闘編 1975-1995』は、6月17日発売に決定。定価 2,415円(税込)。値段が高くなっちゃってすみません。四六判で400ページぐらい。時評対象作品は全採点付き。1975〜1995年に日本で出版された翻訳SFの95パーセント以上を網羅する(推定)「翻訳SF出版年表」と、年度別ベストなど、オマケもいろいろ。詳細は目次参照。
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●10年がかりのプロジェクトがついに完成。伊藤典夫編『SFベスト201』(新書館)発売中。(→amazon | bk1

東京創元社より、ハインラインの傑作ジュブナイル、『ラモックス』(大森望訳/創元SF文庫))、犬猫フェアで重版配本中!

●北上次郎との書評対談集、読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』(ロッキング・オン)、発売中。定価1,680円(税込)、四六判ソフトカバー(ISBN4-86052-050-5)。→感想リンク開設しました。
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【4月18日】


 試写で『戦国自衛隊1549』
 外枠は劇パト2みたいだった。歴史修復ミッションってところは「ねじの回転」。世界に虚無が広がっていくところは「果てしない物語」。
 タイムパラドックス関係の説明はほぼゼロなので、時間理論の詳細は不明。行ったきりなら考える必要はないんだけど、連れもどしに行くんならもうちょっとなにか説明がほしいところ。2003年に第一陣が行っちゃって、2005年にレスキュー隊が出発するわけですが、太陽プラズマのどうしたこうしたが11年周期っていう冒頭の説明はなんだったのか。11年後に出発するほうが自然だと思うけど。まあ、論理性は「タイムライン」ぐらいのレベルですね。おなじタイムリミットもの・回収ミッションものだし。小説版ではもっとちゃんと説明されているらしい。
 オリジナル版の『戦国自衛隊』にくらべるとはるかにふつう(というかまとも)ですが、「近代兵器の火力で戦国時代の雑兵を殺しまくる」って場面がないから(メインは自衛隊同士の内輪もめ)、前作とはまったく別物だと思ったほうがよさそう。

 ちなみに26年ぶりに見た全作は、こ、こ、ここまでめちゃくちゃな映画だったのかと茫然。千葉真一と夏八木勲がふんどし姿で語らうシーンはともかく、伊佐山ひろ子に夜這いをかける濡れ場とか、あまりに意味不明。「昭和の時代ではやれないことをやれ!」ってそれかよ! 意味なく全裸女性がたくさん出てくるのはサービスだったんでしょうか。謎すぎる。

 おなじく試写でアメリカ版『リング2』
 冒頭だけ「リング」で、あとはふつうの地味な憑依霊ホラー。「ポルターガイスト」の後半からギャグを抜いたような話になってます。「仄暗い水の底から」ともあまり区別がつかない。シナリオはもうちょっとなんとかしたほうがよかった気がする。



【4月20日】


 テレビ東京、火曜深夜の『ヘビメタさん』、マーティ・フリードマンがあまりにもすばらしい。とくにメタル魂 in Japanのコーナーが傑作。毎週見よう。



【4月25日】


 古川日出男の新作『ベルカ、吠えないのか?』が傑作。犬版『サウンドトラック』って感じですね。島に置き去りにされて育つ話がそんなに好きか古川日出男。
 ところでこの小説では、ベルカは雄でストレルカが雌ってことになってるんだけど(スプートニク5号で宇宙に行って生還した犬)、実際は両方とも雌だよね? ライカ(クドリャフカ)もライカ犬だったことになってるし(ほんとは雑種らしい)。
 まあ、確信犯的に史実とわざと変えてるんだと思うけど。

 その後、小説すばるに書評を書いたところ、校閲から、「ライカは犬種ではないか? 『マイペディア』にはライカ犬とあるが?」との疑問が。あとからややこしい名前をつけるからこんなことに。



【4月22日】


 単行本刊行後も《SIGHT》誌上では継続中の「読むのが怖い!」ですが、今回、北上次郎イチ押しは島本理生『ナラタージュ』。わたしにはどこがいいのかさっぱり。ベッドシーンでは頭の中が疑問符だらけになりました。
 あと2冊も『オルタード・カーボン』と山田深夜『横須賀Dブルース』で、オレにケンカ売ってんのか! みたいな。まあ、おかげでたいへん盛り上がったけど。
 オレが選んだ井口昇『恋の腹痛 見ちゃイヤ!イヤ!』は「読めないよこんなの!」でおしまい。やっぱりねえ。




【4月27日】


新書館『ベストSF201』のゲラをやっと返したら河出のスタージョン『輝く断片』の再校が来て、返したと思ったら太田出版『SF1500冊』の再校。再校なのに別表が入ってないのでページが確定しません。見出しもぜんぶ仮打ち。ページが決まらないと索引作業に入れないのに。小説すばる新人賞の段ボールはやっと開けたが今週中に終わるのか果たして。SFセミナー用に鈴木いづみの再読もしなきゃ。セミナーにはなんか鈴木いづみのお嬢さんが来るらしい。



【5月2日】


「本好きへの100の質問」っていうめんどくさいアンケートに1000人ぐらいの人がウェブ上で回答してるんですが、その質問項目のひとつがこれ、
「信頼できる書評家は誰ですか?」
 ほとんどの人は「知りません」「いません」「書評なんか読みません」というお答え。個人名を上げてるのは5パーセント以下じゃないかな。
 ざっとgoogleしたところ、その中で一番人気は北上次郎(30票弱。目黒考二含む)。二番手はたぶん斎藤美奈子(16票)。北上次郎は「日本でいちばん信頼できる書評家」と認定。ええ、もちろんわたしもたいへん信頼してますよ!(歪)。

 もうひとつ、「翻訳小説は、訳者にこだわる方ですか」という質問もあって、イエスと答えてるのはやはり5パーセントぐらい。 ま、「本好き」を自認する人々の中でさえ、書評や翻訳を気にする人はほとんどいないってことですね。



【5月3日】


 けっきょく徹夜でSFセミナー
 鈴木いづみ企画、源一郎さんがあんなに予習してくるとは思ってなかったんで予定が狂いまくり。全然時間が足りなくて森奈津子さんには申し訳ないことでした。いやまあ、ご本人から「あんまり話を振らないでください」とは言われてたんだけど。言うつもりだったのに時間がなくて言えなかったネタ多数。1時間は短いねえ。

 水鏡子師匠からは、「夜のピクニック」ならホーカより「ケルベロス第五の首」に言及すべきではとの指摘。なるほど。米沢嘉博氏からは、(岡崎京子以前に)岡田史子・つりたくにこの名前を出すべきだろうとの指摘。いちいちごもっともです(岡田史子の話はするつもりだったけど時間がなかった。つりたくにこは一冊しか読んでないのでよくわかりません)。

 合宿は喫煙部屋が異様に濃かったな。主に1970年代の話をしてました。

 始発で帰って夕方まで寝て、水鏡子・酒井昭伸両氏と西葛西・大将で焼肉の会。主にジョージ・R・R・マーティンの話題。『タフの方舟』は、正直、昔だったら水準作だと思うんですが、いまや得がたい傑作になりかけている。最近のハヤカワ文庫SF娯楽路線の中ではダントツに一番だもんなあ。



【5月7日】


 連休後半は栃木。芳賀ロマンの湯は広くてなかなかよかった。田植えシーズンなので、トキオはさいとう弟に田植えトラクター(マイレディ)に乗せてもらって喜んでました。→写真

《ユリイカ》の特集・ブログ作法トークショーをめぐるその後のいろいろがあまりに面白かったんで、ちぇ、見にいけばよかったと後悔しきり。ばるぼらさんが出たネットラジオも聞き逃したんだけど、再放送があったんで後半はちょっと聞けた。



【5月12日】


 ゲラで吉村萬壱『バースト・ゾーン』を読む。早川書房からもうすぐ発売の戦争SF長編。ぐちゃぐちゃのぬとぬと。「クチュクチュバーン」をはるかにパワーアップした傑作。今年上半期の日本SFベストワンかも。第二部が凄いので、SFの人はくれぐれも第一部の立ち読みで投げないように。



【5月9日】


『姑獲鳥の夏』映画版@よみうりホール。
 堤真一は意外とがんばってました。宮迫の木場修はいくらなんでも。阿部寛の榎木津はキャスティングは間違ってないけど演出が間違っている。まあ、実相寺映画ですから。
いや、原田知世独身最後の映画として記憶するべきか。
 松尾スズキはむしろ里村をやればよかったのに。田中麗奈の中禅寺敦子もなあ……。というふうにキャストを品さだめしてるうちに終わっちゃうから、そんなに退屈しないのが利点。



【5月13日】


東映→松竹→ギャガと回って、『四日間の奇蹟』『ヒノキオ』『空中庭園』と邦画試写3本立て興行。

100万部突破したらしい「四日間」は「半落ち」組で映画化。クライマックスが原作と違うとは聞いてたけど、これほどとは……。ピアノ弾く人が違いますよ! 途中、コテコテの泣き映画につくってるわりに、ラストは抑え気味。映画だけ観ると、このミス大賞というよりラブストーリー大賞受賞作の映画化みたいだと思った。

「ヒノキオ」はCGがすごい。プロップ実写とまったく区別がつかない。「ショート・サーキット」からここまで来たか。もっともこっちはテレロボティクスもの。子役鑑賞映画としても楽しめる。しかし最後はオカルトに。ロボット以外はリアリズム路線でやればいいのに。

「空中庭園」は小泉今日子と鈴木杏が母娘というだけでOKです。映画だと21世紀版「家族ゲーム」。大楠道代の大芝居はじめ、演技のレベルは高い。ワンシーンワンカットの長回しは好き好きか。セリフはだいたい原作どおりだったと思った。ちょっとくどいけど、出来は悪くない。



【5月14日】


『監禁モノも首輪モノも応援します』とは、裏ビデオデータベース、今日のスパムのタイトル。
「このご時勢物騒である。なにやら世間では監禁だの首輪だのと騒がれている。またオタクが全て犯罪者のような論評も気にかかる。実際、サラッて強姦監禁などはもっての外であるが、そのプレイには何の罪も無くそのプレイを好む愛好家にも何の罪の無い。さあ、監禁を大いに楽しもう!監禁&変態充実!!」



【5月15日】


 朝からはるばる八王子の東京造形大まで出かけて、押井守の新作「立喰師列伝」に一家でエキストラ出演。ロッテリアに並ぶ家族連れの客の役。トキオはいきなりゴネておんぶで出演。並んで疲れた子供の演技は完璧?
 HAMACON2(今年の日本SF大会)では、一部を上映する模様。トークもあります。参加費払って宣伝に行くという正しい態度。

 関係ないけど、造形大にはSF愛好会がありました。

 どうせ半日つぶれるだろうと覚悟してたらスケジュールどおりに撮影が終わったんで、せっかくここまで来たんだからと多摩動物公園。
 広いねえとのんびり歩いてたら、いきなりヒョウに襲われて阿鼻叫喚の地獄。
 豪雨とともに大量の雹が降り注ぎ、園内で立ち往生。かなり大粒の雹でした。
 雨が上がったあと、閉園時間間際にダッシュで昆虫生態館。蝶の群れは凄かった。



【5月15日】


 MXテレビの深夜おたく番組「大進撃放送BONZO」でライトノベル話の収録。
 OTC製作のバラエティで、地球防衛放送パンドラ(フジ721)→侵略放送パンドレッタ/衛星中立放送パンドレッタプラス(MONDO21)→大進撃放送BONZO(MX)という流れらしい。各局をさすらう流浪のシリーズ。
 MONDO21のはたまに見てたけど、MXでやってるのは知らなかったんで録画して見たら、けっこう面白かった。池田憲章・切通理作のウルトラマン話がとくに。

 番組の収録は青海MXテレビのスタジオ。
 段ボールで三箱ライトノベルを持ち込み(自力でタクシー搬入)、スタジオのテーブルに並べてもらったんですが、スタッフの人が寄ってきて、「『左巻キ式ラストリゾート』があったら前のほうに出したいんですけど。作者が友だちなんで」。
 畏るべし海猫沢めろん。どこに行っても友だちがいるな! しかしさすがにパンプキンノベルズは箱に入れてませんでした。
 話を聞くのは若いお嬢さんたち。最近読んだ本は「ポリアンナ物語」と自慢する子が1名、あとは小説なんかまったく読まないらしい。通じた固有名詞はガンダムとローレライ。なるほど。 それでもちゃんとリアクションするから偉い。




【5月18日】


 東京都庭園美術館で、森下唯ピアノリサイタルを鑑賞。三村美衣と待ち合わせてたのに、うっかり13時間寝てしまい大遅刻。曲の合間に入れてもらってシューベルトのピアノソナタ19番だけ聴きました。クラシックのコンサート聴くのは四半世紀ぶりかも。「四日間の奇蹟」と併せてクラシック週間?
 美術館カフェでお茶してから、夜はベリーダンサーになってミステリチャンネルを旅立つ黒山ひろみレポーターの送別会@KKRホテル。KKRの料理は意外とレベルが高かった。

 家に帰ったらauの携帯電話が行方不明。どこでなくしたんだろう。とりあえずPHS端末があるからいいんだけど。携帯にかけても全然通じないと困ってる人はメールまたは自宅の固定電話をご利用ください。PHSの番号知ってる人はそっちで。



【5月23日】


 本広克行の新作「サマータイムマシン・ブルース」の試写状が来たんですが、その紹介文。
「マジに暑すぎる夏、とある大学の「SF研究会」部室。SF研究などせず夏休みを過ごす5人の男たちと、写真部の2人の女性部員。前日にクーラーのリモコンが壊れて猛暑に悩まされるなか、ふと見ると部屋の隅に突然タイムマシンが!! 「ためしに昨日に帰って壊れる前のリモコン取ってこよう」と軽い気持ちで乗ってみたら、さぁ大変……」
 とりあえず、SF研に女性部員はいないらしい。

 しかしこれ、ハヤカワ文庫JAから来月出る新城カズマの『サマー/タイム/トラベラー』とめちゃめちゃネタがかぶってるんじゃ。映画の原作は舞台だそうですが。

 徹夜で六本木ヒルズに出かけて、朝8時半からの『エピソード3 シスの復讐』試写。
 ルーカス、やればできるじゃん! 冒頭のR2D2大活躍でいちはやくOK認定。ダークサイドに落ちてからのアナキンの暴れっぷりが素敵。そりゃまあ、文句は山ほどありますが(とくにパドメ関連)、贅沢いったら罰が当たる。『エピソード2』のひどさにくらべれば天国ですよ! これからオレ『スター・ウォーズ』は、エピソード3、4、5の三部作ってことにしよう。1、2と6がなきゃ素晴らしい三部作ですよ。

 高橋良平、S水N樹@SFM編集部の両氏とお茶飲んでから、映画美学校に移動して、「ユリョン」の監督が撮った韓国製SF映画「ナチュラル・シティ」。主演はユ・ジテ。
 まんま「ブレードランナー」+「攻殻機動隊」に純愛をプラス。激しく退屈。半分ぐらい寝てました。

 さらに東映に移動して「フライ、ダディ、フライ」。岡田准一鑑賞映画? 主人公の中年は堤真一。

 本日のトリは「亡国のイージス」完成披露試写。朝、六本木ヒルズに敵情視察(本人談)に来ていた福井晴敏氏も舞台挨拶に登場。あとは真田広之・中井貴一・佐藤浩市の同世代トリオとか。わたしも同世代です。
 阪本順治監督なんで、映画らしい映画には仕上がってるけど、話は詰め込みすぎ。これだとジョンヒを出す意味が……。真田広之のがんばり中心で見てると、船版ダイ・ハードみたいな感じ。



【5月27日】


『バットマン・ビギンズ』披露試写。
 冒頭を別にすればけっこう王道のバットマン。ちゃんとしてるんだけど、うーん。
 Year One が原作だと思ったら、話はぜんぜん別でした。 刑事のキャラがそのまんまな程度かな。
 ケータイ電話がある世界(必ずしも現代ではない)とアーカム・アサイラムが同居してるのは違和感ばりばり。ラストの列車アクションは……このタイミングでよく公開を決めたというか。

 しかし、これがありなら、「スター・ウォーズ・ビギン」というのはどうか。あ、それが特別編エピソード4か。



【5月28日】


 『現代SF1500冊 乱闘編』の索引作業。有里さんにつくってもらったデータをさいとうよしこにエクセル化してもらい、三校ゲラで大森が鉛筆チェックした追加人名を片っ端からさいとうがデータ化。もうちょっと効率のいいやり方がある気もするが、まあレコードが2000件ぐらいなので。人名索引に五木ひろしとかオジー・オズボーンとか入ってるので笑えます。



【5月29日】


 昼間は葛西フラワーガーデン。うちからタクシーで980円。こんなに薔薇がすごいとは。しかしトキオは富士見公園で主に砂遊び。

 夕方、池袋に出て、お好み焼き屋、しま屋で日記リンクス開設10周年記念大宴会。集合は9人。ほとんど10年ぶりぐらいに会う人も。あれから10年かあ。



【5月31日】


 昼から早川書房でスター・ウォーズ座談会。メンバーは高橋良平、渡辺麻紀、添野知生。「こんなんじゃダメ!」派は添野くんひとりだけ。ぜいたくですよ、きみは! ブルガリア帰りの渡辺麻紀は明日からニューヨークだって。



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