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【12月21日(火)】


 メディアボックス試写室で池田敏春監督『ハサミ男』試写。うーむ。原作を読んでない人が見てどう思うのかは知りませんが(シャマランの亜流とか思われそう(笑))、原作ファンは納得できないだろうなあ。麻生久美子は悪くないんだけど。
 
 試写のあと、近くの珈琲館で《サンデー毎日》の取材。ハリポタの次巻予想。無責任なことをいろいろ言う。



【12月22日(水)〜23日(木)】

 感想を書くのを忘れてましたが、田中啓文『笑酔亭梅寿謎解噺』(→amazon | bk1)は意外にもちゃんとした傑作。駄洒落でもグロでもなく、たいへんまともな落語ミステリ+成長小説。上方落語ミステリのインスタントクラシックというか、落語小説全体の中でもけっこう高い位置につけるかも。古典落語が題材なのに伝統芸能臭さがないのもポイント。しかし主役は暴走族上がりとかより特撮おたく上がりとかにしたほうがリアリティが出たかも。
 ちなみにタイトルロールの笑酔亭梅寿は六代目松鶴がモデル。事始めの日に田中啓文が墓参りに行ったら意外な人と会って――というめちゃめちゃいい話は読者が13人しかいないmixi日記でしか読めません。あまりにもったいなので書評のネタに使いました(笑)。

 国書刊行会《未来の文学》第三弾、若島正編『アジアの岸辺』(→amazon | bk1)は日本初のトマス・M・ディッシュ短編集。ディッシュの短編集がハードカバーで出る日が来るとはねえ。もっとも表題作以外はわりと軽めの底意地の悪い話が中心。「降りる」とかめちゃめちゃ懐しい。食糧持ってたことなんかすっかり忘れてました。最近のやつとか、まったく初めて読む作品も5、6本。The Man Who Had No Ideaを「話にならない男」と訳したのは名訳ですね。これが表題作になってる短編集は持ってて、学生の頃、表題作だけ読んで、なんかたいしたことないなあと思った記憶があるんだけど、いま読むと妙に面白い。
「アジアの岸辺」は難解という話だけ聞いてて読んでなかったので今回が初読。SFになりそうなところを寸止めしてる感じの幻想ホラー。「アメリカの七夜」と読み比べるといいかも。話自体は、ルーシャス・シェパード「ジャガー・ハンター」と一緒ですね。グレアム・ジョイスの『鎮魂歌』ともちょっと近い。これと「リスの檻」が別格かな。
 その他の作品はどれも悪くないんだけど、いまいちハマれない。理知的すぎるっていうか、頭でつくってる印象。まとめて読んでみても、やっぱり玄人受けする作家だなあと。冗談ぽい最近作以外はSFファン受けしにくい気が。



【12月24日(金)】


 クリスマスイブなので携帯とPHSを機種変更。西葛西メトロセンターのショップで京ぽん機種変が0円だっていうので、エッジの端末はそれに決定。もっともコンパクトフラッシュ型のAirH"端末を128kbps使い放題契約にしてるんで、京ぽんは音声通信専用。カード型のほうを解約しようかとも思ったけど、挿しっぱなしに慣れちゃうといちいち電話につなぐのはめんどくさい。2回線契約だとデータセット割引があって音声通話の使用料が半額になるんで、解約してもしなくても料金総額はほとんど変わらないのだった。
 auのほうは、talbyの緑。リモコンにしか見えない(笑)。電話としては思いきり操作しにくいんだけど、まあこっちは受信専用なので。と思ったらカメラとしての性能はけっこういい。わりと暗い屋内でもフラッシュなしでふつうに撮れます。ズームとか9枚連射とか接写モードとか。こっちは機種変の現金支払額が10,000円ぐらい(3000円分はポイント使用)。インフォバーはジーンズの前ポケットに入れると折れそうで怖かったんだけど、talbyは問題なし。持ち歩きの利便性はかなり向上してます。

 手続きを待つあいだに、AirH"のウェブブラウジングを高速化するデータ圧縮サービス、トルネードをダウンロードしてインストールしてみる。あー、なるほど、画像の解像度を落として表示を速くするわけですか。体感速度はけっこう向上するかなあ。しかしgoogle desktopとぶつかるらしい。そっちはあんまり使ってないんで、アンインストールして試してみるか――と何の気なしにアンインストールしたところ、終了時にフリーズ。強制終了して再起動をかけたところ、立ち上がることは立ち上がるんだけどネットワーク関係の設定がめちゃめちゃなことに。
 IEもメーラも起動せず、常駐ソフトも半分は動かず、ネットワーク接続の選択肢がひとつも表示されず、デバイスマネージャも呼び出せない状態に。safe modeからコマンドプロンプトでシステムの復元を試みても「システムの復元では保護されません」のアラートが出る絶望的な状況。こ、これはOSの再インストールしかないのか……。

 とりあえず原稿は書けるので、ネットにつなぐときは先代のDynabookを使うことにしよう。と思ったら部屋の中で行方不明。かたづけなきゃダメだ。と思ったが気が遠いのでとりあえずさいとうのW2を借りてしのぐことに。とほほ。

パソコンが壊れてもクリスマスイブなのでLaputaでケーキを買ってクリスマス宴会。白石朗ファミリーから頂いたきかんしゃトーマスに興奮するトキオ。しかし名前がわかりません。英語でいいから本体にこっそり名前入れといてほしい。



【12月25日(土)】


 クリスマスの朝にサンタクロースから届けられたプレゼントはジャスティライザーのインローダーとライゼロス。去年はアバレンジャー一筋だったのに、今年はジャスティライザーに大ハマりで、週に8回ぐらい見てるらしい。

 一念発起して本と雑誌と紙資料の山を段ボールに詰め込み、書庫に搬送。プレスシートとか書類とか、なんかもう紙はぜんぶ捨てちゃってもいい気がするが、判断がめんどくさいので箱にしまう。いや、それが悪いのはわかってるんですが。



【12月26日(日)】


 キネ旬のホラー映画オールタイムベスト投票。内外合わせて10本、邦画は劇場公開作品のみって縛りがあるので、あんまりへんなものを入れる余地がない。
 ゾンビ(ロメロ版)、呪怨2(劇場版)、ツィゴイネルワイゼン、ZOMBIO、女優霊、死霊のはらわた、アンブレイカブル、エルム街の悪夢、CURE、ビデオドロームみたいなわりとあたりまえの10本をチョイス。

 電撃文庫の新刊、秋山瑞人『ミナミノミナミノ』の書評原稿。『イリヤ』アニメ化記念で、それっぽいボーイ・ミーツ・ガールものをリクエストされたらしいんだけど、むしろ南の島版『学園戦記ムリョウ』みたいな感じだなあ(ただし、ムリョウは出ません)――と思いながら読んでたら(楽しい日常の裏側で別のドラマが進行するパターンね)、ラストがこれかい! 強引なヒキで終わってるので、即刻つづきを出していただきたい。

 共同通信のSF時評第一回分の原稿。海外ミステリー、国内ミステリー、SF(ファンタジー含む)、時代小説、漫画、ノンフィクションの6ジャンルを6人の筆者が分担して書く時評コラムで、6週に1回、担当が回ってくるらしい。前任の風間賢二はなんかファンタジーばっかりやってたみたいですが、オレはSFばっかりかな。

 《Men's EX》の映画評は『THE JUON/呪怨』。次号からカラー1ページになるらしい。原稿料が上がることに期待したい。



【12月27日(月)】


 今年の雑誌原稿もぜんぶ片づいたし、いよいよR3のOS再インストール作業に着手しなきゃいけないかと思いつつ再起動したら、ありゃ、メニューバーの表示がなんだか正常になってる。ためしにEudora立ち上げてみたらふつうに起動するじゃありませんか。どうしたんだいったい。
 ネットワーク関係は相変わらずダメなんだけど、もしやと思って「システムの復元」を試してみるとあっけなく成功。トルネード入れる前の状態に復帰して、問題なく使えるようになりました。
 クリスマスイブからシステムには全然さわってなかったのにどうして。休ませてる間に自己診断して自力で直したのか。えらいなあ、XP。
 まあとにかくこれで無事に年が越せそうです。
 SP2は入れたほうがいいのかまだ迷い中。

 《週刊現代》新年合併号の「2004年ベスト・エンターテインメント」で、ウィリス『犬は勘定に入れません』がプリースト『奇術師』と並んで「2004海外文学BEST15」の第6位にランクイン。『文学賞メッタ斬り!』は「エッセイ&ノンフィクションBEST5」の第3位でした。ぱちぱちぱち。
 しかし『犬』はなんだか全方位的に評判がいいみたいだなあ。ウィリスの営業力もこの3年間でかなり向上したと思われるので、あとは『わが愛しき娘たちよ』の復刊に期待したい。『スタージョンは健在なり』だって創元から再刊されたんですから。



【12月28日(火)】


 スタージョン短編集第二弾の翻訳作業をようやく再開。半年ぶりです。まあ、長いやつ1本はあとちょっとで終わるし、いちばん長いの2本は柳下毅一郎がやってくれることになってるんで、あとは短いのを3つか4つかたづけるだけなんで、そんなに時間はかからないはず。
 ……と言いつつ、年明けにはまたしても
エキサイト・ブックスで、メッタ斬り!チームによる第132回芥川賞・直木賞の受賞作予想対談をやんなきゃいけないので、そのために読むべき本が山積み。噂に聞くところでは、今回の候補作は両賞ともにわりと意外な顔ぶれが集まっている模様。とくに芥川賞がねえ。

 エキサイトと言えば、「今月の人」は喜国雅彦。『本棚探偵の回想』刊行記念ってことで、キクニ宅の本棚写真が山盛り。この数年、本棚造りに燃えてるのは聞いてたけど、いやあすごいことになってます。うちにも本棚造りにきてほしい。いや、本の整理だけでもいいですから。

 トキオを保育園に迎えにいって風呂に入れてから、新宿に出撃。北上次郎を囲む(主に)女子編集者の忘年会。なんだけど、この2カ月でmixi率が飛躍的に向上し、(主賓をのぞいて)ほとんどmixiオフ状態。mixi未体験の北上次郎にその魅力を説明すべく、めいめいがケータイをとりだして、「ほらほらこうやってみるんですよ目黒さん」。
「オレはケータイなんか電話さえできればいいんだよ。それも土日にしか使わないの。競馬場で仲間と落ち合うときに使うだけだから。ほらほら」と発信履歴・着信履歴を見せ、「土曜と日曜しかないだろ。カメラとかも要らないの。だから買い換えられないんですよ。最近のはみんな余計な機能がいろいろついてるから」
 もっとも、あんな人やこんな人の日記がmixiで読めると聞いて、北上次郎も多少は心が動いた様子。
 その北上次郎のmixiに関する最初の質問。
「その足あとっていうの見てさあ、こいつ見にくんなよと思ったら拒否できるの?」
 ふつうそういうことを最初に聞きますか? さすが大人。

 しかし、いちばん驚いたのは吉田伸子の、
「『ひろしです』ってなんだよそれ。そんなやつ知らないよ!」発言。さらに驚くべきことに、
「青木さやかって誰? ギター侍? はたよーく? なにそれ?」
 いろいろ調査した結果、今年ブレイクした若手お笑い芸人はほとんど知らないことが判明。ついには北上次郎にまで、
「なに? 青木さやか知らないの? オレだって青木さやかぐらい知ってるよ」と言われる始末。北上次郎は週末の夜、息子と一緒に(息子が選んだチャンネルの)テレビを見る習慣なので、お笑いとリーガ・エスパニョーラにはいつの間にか詳しくなってるらしい。
「じゃあ、毎週ロナウジーニョとか見てるんですね?」
「ロナウジーニョはすごいよなあ。あんな面白いやついないよ。あいつひとりだけ別次元だね」とか。まさか北上次郎がバルサの動向について熱く語る日が来ようとは。



【12月29日(水)】


 15:45ののぞみで京都。キリカは初の遠出。子供二人連れての新幹線はなかなかたいへんです。しかも帰省ラッシュで並びの席がぜんぜんとれず、なんとか予約できたのが3人掛けの真ん中、前後3席。5、6、7のBBBみたいな。トキオはもはや自分の席がないと納得しないので仕方ない。結局、通路側の席にやってきたサラリーマンのおじさんと席を替わってもらってトキオと母親が並び、うしろでオレがキリカを抱くパターンに無事おちついて2時間半をやり過ごす。

 京都は毎年恒例のSF忘年会なんですが、会場はいつものいろは旅館から、斜め向かいのホテルニュー日昇に変更。総勢43人。主力は50歳台。同居家族の平均年齢ではうちがいちばん若いらしい(笑)。いや、パパ世代でくらべても、オレは下から3番目ぐらいですが。
 若い力の強さか、恒例のビンゴでは賞品あたりまくり。家族4人全員がはやばやと賞品をゲットし、トキオ社長は勝利の高笑い。
 トキオは、サンタが三日遅れで送ってきたジャスティライザーなりきりスーツ姿で出陣したんですが、50歳を越したおたくのおじさんおばさんたちにはいまいちわかってもらえず、「それなに?」と訊かれる度に「らいざーぐれん! けんざん!」とかポーズをとる。せめてデカレンジャーかブレイドなら、お年寄りとも会話が成立しただろうに。

 下の写真は、ビンゴの賞品で遊んでるところ(冬樹蛉撮影)。青いリンゴみたいなUFOが基地から上昇し、空中に浮遊するという重力制御システムです。レバーでアップダウンをコントロール。横方向への移動はできません。うしろに写ってる壁ぎわのおじさんたちは堺三保、小笠原成彦、佐脇洋平。

 宴会終了後は部屋に分かれてゲームと雑談とカラオケ。母親はカラオケに去り、オレは部屋で子守りをしつつ読書。



【12月30日(木)】


 旅館を出てから総勢40人で河原町三条のリプトン。一家四人で佐脇家のクルマに乗せてもらい、ダイヤモンド・シティ経由で伊丹空港。夕方のANAで高知入り。夜は実家でしゃぶしゃぶ。



【12月31日(金)】


 昼食後、キリカを祖父母に預けて外出。鏡川の川縁でしばらくトキオを遊ばせてから土電で堀詰まで。トキオ連れで『ゴジラ・ファイナルウォーズ』@高知東宝。怪獣が出ない場面で寝てくれるだろうという予想を裏切り、トキオは最後まで真剣に見てました。オレのほうが寝ちゃったよ。
 この映画に関しては額に青筋立てて怒ってる人や、その反対に絶賛してる人がいますが、オレはゴジラにはなにも期待してないので、まあこんなもんかなあ。菊川怜は相当ひどいと思ったが、それでも『デビルマン』の主演コンビよりはましだし。北村一輝のX星人はよかったね。怪獣プロレスがもうちょっと長くて、怪獣の名前と身長・体重をテロップで出せばよかったと思った。

 夕方実家にもどって、おせちの夕食。紅白をちらちら見つつ、PRIDEとK1をザッピング。年越しは去年につづいてジャニーズ・ライブ。おお、少年隊7年ぶりの再結成ですか。来年はぜひシブがき隊を復活させていただきたい。

 ということで、2004年も無事終了。今年は新年早々から『文学賞メッタ斬り!』で締切地獄にハマりつつなんとか3月に刊行、4月には遅れに遅れた『犬は勘定に入れません』をやっと出し、連休前には(実働2週間で仕上げた)『ホーンテッド・マンション』のノベライズが店頭に並び、5月にはLet's Note R3を購入、6月はEURO2004の興奮もさめやらぬうちに第二子が誕生、7月8月は子育てに追われ、9月から『ライトノベル☆めった斬り!』地獄に突入するもどうにかこうにか予定通り12月初めに初版を刊行、すぐ続けて『航路』ヴィレッジブックス版が出る――というたいへんよく働いた(公私ともに激動の)一年でした。さいわい、出した本はどれもそれなりに好評で、新年に向けて勤労意欲も高まってるんだけど、やるべき仕事の量がすでに能力の限界を超えてるんで、はたしてどうなることか。とりあえず目先のことをひとつずつかたづけるしか。

 というわけで、2004年はたいへんお世話になりました。2005年もひとつよろしく。




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