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【12月11日(土)】


 ジュンク堂に一瞬立ち寄ってから、池袋テアトルダイヤ(東京テアトル経営の(?)ホテルテアトルにくっついてる映画館。はじめて来ました)で今ごろ「スウィングガールズ」。「ウォーターボーイズ」はすごくダメだったんだけど、こっちはかなりOK。女の子ならいいのか? うーん、そうかもなあ。ビッグバンドにしたアイデアの勝利でしょう。
 しかしこれではクラシックやってる高校生の立場がない気もする。まあこっちはファンタジーですから。

 新大久保に移動して、トヨザキ書評講座の打ち上げ忘年会@ソウルハウスに乱入。トヨザキ社長は書評王タイトルを獲得、ゲスト参加の香山二三郎氏は一敗地にまみれたというか馬群に沈んだらしい(句会方式で、名前を伏せた全員の書評を読み、点数を入れる。いちばん高得点の人が書評王で、次回の課題図書を選ぶ権利が与えられる)。
 昔、雑誌の書評欄はコンペ制(またはオーディション制)にすればいいんじゃないかと考えたことがあるんですが、それに近いかも。現役編集者や現役書店員の受講生もなかなか点がとれない模様。米光さんはこどものもうそうで自分の提出書評を公開してますが(2004/1220)、わりと飛び道具系(笑)。

 わたしは宴会三連チャンなんで二次会で終電撤退。このあと本の雑誌社・単行本担当の新人編集者A木くんとソニー・マガジンズM山嬢の掛け合い漫才が朝まで爆裂して、それはもう筆舌につくしがたい面白さだったらしいが、まあこないだも見物したからいいや。

 森見登美彦『四畳半神話大系』(→amazon | bk1)を読んだ。今回は森見版「げんしけん」というか、サークルもの。下鴨神社と賀茂川デルタが中心で、『太陽の塔』よりも西寄り。東は川端通ぐらいまでですね。しかし賀茂川デルタはコンパの基本の場所なので元京大生的にはストライクゾーン。忘れかけていた記憶がいろいろと甦る。しかし糺ノ森ってルビなしでみんな読めるのか?(「ただすのもり」が正解)
『太陽の塔』と違ってきっぱりSFなので、前作を読んでいない(京都ネタに関心のない)SF読者も必読。しかしソフトボール同好会編はなくてもよかった気がするなあ。ていうか、なぜそんなサークルに入りますか? マルチシナリオのノベルゲームを紙で読んでるような気になってきて、途中、さすがにちょっと飽きる部分も。まあ、第4部への伏線として機能しているとも言えるんですが。全体としては、『太陽の塔』のインパクトには及ばないものの、前作の心地よさは踏襲。いい感じの仕上がりです。



【12月12日(日)】


 三軒茶屋で「ミク中のクリスマス」。要するにmixiオフですね。かおりんとかちみもさんとかSpinn寺本氏とか諸星ともろとかあみこ夫妻とかゲームフリークの富沢さんとか、超ひさしぶりに対面する人多数。部分的に津田日記リンクス同窓会な感じ。いや、そっちはそっちで、来年5月18日に10周年記念イベントを開催する計画が進んでるんですが。
 寺本氏はナムコでPSP版リッジレーサーのプロデューサーをつとめ、本日発売のソフトをプレゼント用に持参してヒーローに。主催の森嶋さんは床に座り込んで必死に遊んでました。まあ中2女子だからな。
 プレゼント交換では、かおりんが買ってきたやつ(木製ミニチュアのブレーメンの音楽隊セット)をゲット。メイド姿の人からプレゼントをもらってちょっとうれしい(笑)。



【12月15日(水)】


 渋谷でいまごろ「オールドボーイ」。すばらしい。狩撫麻礼/谷口ジローのやつも映画化してくれないかなあ。

 デイナ・ルイスに呼ばれて、赤坂の小料理屋で、ブリティッシュ・コロンビア大学のDianne Newell教授(および旦那さん)と対面。ジュディス・メリルの研究者で、欧米ではほとんど知られていないメリルの日本時代のことを調べるためにヴァンクーヴァーからやってきたそうです。研究費で。
 メリルの蔵書はまるごとトロント大に寄付されたのち、今はトロントの市立図書館のSFコレクションの一部になってるんですが、なんでもメリルがいろんな作家にインタビューした取材テープ数百本が残ってて、その分類作業が進められているとか。
 デイナはミシガン大在学中、メリルが日本SF英訳プロジェクトの相談にのってほしいといきなり訪ねてきた経験があるそうで、そのときの話を提供。
 大森はもちろんメリルには一回も会ったことがないんで、ほとんど聞き役。いま40歳前後の翻訳者や批評家に、メリルがいかに大きな影響を与えたかという話をひとくさりしゃべった程度。
 一行がいきなり値段も書いてないような割烹に入ったんでデイナはしきりに心配してましたが(お品書きにも値段なし)、高級感漂う凝った和食が並んだ割にリーズナブルなお値段(店は割烹 三佐和ってところ。おまかせコースは8,000円から)。おまけに勘定は研究費持ちでした。いいなあ、カナダの大学は。



【12月16日(木)】


 北海道新聞の「今年の本ベスト3」原稿を送ってから、『文学賞メッタ斬り!リターンズ』(仮)の打ち合わせ@PARCO出版。年明けから始動して、あんまり暑くならないうちに出す作戦らしい。年末年始はA賞とN賞の下半期候補作を読んで過ごすことになりそうな気配。
 打ち合わせ後は、佐賀料理の店、雑穀で忘年会。なんと、メッタ斬り!チームがいちばんの若者? というか、この席は「若いお姉ちゃんがいっぱいいていいねえ」とうらやましがられる状態? ほかのお客さんは全員男性で、50歳以下はひとりもいなかった気が。渋谷のど真ん中でこんな店も珍しい。おやじの隠れ家?

 「2004年週刊文春ミステリーベスト10」発表。コニー・ウィリス『犬は勘定に入れません』(→amazon | bk1)が第4位にランクイン。《このミステリーがすごい》で9位に入っていきなり増刷がかかったのも驚いたけど、文春で4位とは。しかも5位は『奇術師』と『誰でもない男の裁判』。アルテまで10位に入ってるし。ウィリスとプリーストは、このミス、文春ともに、両者そろってベストテン入り。
「うちはミステリの編集部がいっぱいミステリ出してるのに、今年ミステリのベストテンに入ったのはSFの編集部がつくったやつだけなんですよ」と早川書房の某氏が語ってましたが、どうしてこんなことになったのか謎。まあ、『奇術師』は一種のバカミスとしても読めるし、瞬間転送トリックは一部本格ファン好みだからまだ理解できるんだけど、『犬は勘定に入れません』のミステリベストにおける人気はどういうことなのか。『航路』とくらべても、SF度が高めでミステリ度は低めだと思うんだけど。だいたい今回は媒体資料も書評用プルーフもつくってないし、献本の数も少ないんですが……。
 考えられる理由としては――

・無理やり「消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」という副題をつけたのがよかった。
・『航路』で蒔いた種がやっと実ってきた。
・実は隠れSFファンの投票者が多い。
・タイムトラベルはもはやミステリの一部として認知されている。
・ヴィクトリア朝好きが多い(『荊の城』『奇術師』と一緒に読まれている)。
・セイヤーズの新刊が出ないのでその代替物として投票。
・みんなが読んでる翻訳ミステリが少なくなり、固定読者のいるSF系作品の地位が壮大的に向上した。
・長いので、うっかり最後まで読んでしまった人は元をとるために投票しがち。

 てなところか。なんにしても投票してくださった皆様、ありがとうございました。おかげで発売後8カ月を経てもまだぼちぼち売れてるみたいで、amazon順位は『ライトノベル☆めった斬り!』と競ってたり(笑)。
 ちなみにミステリチャンネル《闘うベストテン》では第5位、鏡明の《SFベスト10》(本の雑誌)では第3位に入ってます。《SFが読みたい》順位はまだひみつらしい。



【12月17日(金)】


 竹橋でブックナビ新年号収録のあと、またしても渋谷でミステリチャンネル忘年会。
 途中、ヴェローチェからキネ旬ベストテンの投票をすませたのち、渋谷ブックファーストに寄って中俣暁生『極西文学論』とか購入。二階のベストセラーコーナーでは、おお、『ライトノベル☆めった斬り!』が第9位に! ありがとうございますと頭を下げつつ交番前の会場へ。
 本日は北の家族・蟹コース。タラバ食べ放題オプションつき。店員がミニスカサンタのコスプレだったらしいのに、遅れて行ったんで全然気がつかなかった不覚。

 トヨザキ社長が一目散に駅に向かってしまったので二次会はナシ(笑)。自分が帰る決意のときは他人にも二次会を許さないという見上げた態度である。いやまあ、今日みたいな日に中途半端に遅くなると帰りがたいへんだから、オレもとっとと帰るつもりだったんだけど。おかげで座って帰れました。



【12月18日(土)〜20日(月)】


 月刊アスキーのコラム原稿を書き、あとは9月ぐらいからぽつぽつやってる、《SIGHT》書評対談「読むのが怖い」の単行本用原稿作成作業。雑誌掲載時にカットされた部分をベタ起こしのテキストから復活させ、掲載分と合体・融合・修整してます。分量的には倍ぐらいに増える感じ。北上次郎のボケに大森が突っ込むというお笑いスタイルですね。
 別冊の『日本一怖い ブック・オブ・ザ・イヤー』では、斎藤美奈子×高橋源一郎対談の前半部分がめちゃくちゃ面白くまとまってて、とてもあれには勝てないんだけど、なんとか努力していきたい。ロッキンオンから来春刊行予定。タイトル募集中。

 アンシブル通信のインタビュー、「大森望☆サクセスの秘密」が公開。西島家ご令嬢のラブリーなショットがばんばん載ってます。ロケ地は行船公園の中にある江戸川区自然動物園。塩澤編集長の邪悪な発言がほとんどカットされているのが残念です。この日記をずっと読んでる人には、そんなに新しい情報はないんじゃないかと思いますが、西島キャラの暴走ぶりをお楽しみください。塩澤編集長は「ジョナサン、ココス、デニーズの日々」をはやく更新するように。

 『ライトノベル☆めった斬り!』は、有里さんが着々とコンテンツを拡充中。1000件分の既読調査データから傾向を分析した「この本を読んだ人はこれも読んでますリスト」とか、けっこう面白い。しかし91冊以上読んでる人が3人もいるのか。オレはそんなに読んでません(笑)。



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