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【お知らせ】
●コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』文庫版(ハヤカワ文庫SF/上下各940円)発売

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コニー・ウィリス『航路』、全国書店で発売中(大森望訳/ソニー・マガジンズ/上下各1800円
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『航路』ネタバレ感想・議論用掲示板を設置しました。あんなことやこんなことを心おきなく語りたい人はどうぞ。




【3月8日(土)】


 新宿東口・東方見聞録で《ナムの会》。トヨザキ社長仕切りの宴会で、半分はおなじみのミステリ系。おなじみじゃなかったのは、クローバーブックスの平林享子さんと、《アート・マニア》創刊号で特集されてる木版アーティストの宇田川新聞嬢。
 その創刊号を購入し、滝本誠サイトは爆笑しながら読みましたとか挨拶したら、後日平林さんからタキやんグッズ(滝本誠似顔絵ポストカードとか)をいただきました。ありがとうございました。




【3月11日(火)】


 推理作家協会賞予選会第2回。前回30分以上遅刻した馳星周理事は、その反省を生かして定刻前から協会に一番乗りしていたが、前回それと同じくらい遅刻した杉江松恋は、今回さらにそれを上回る45分の大遅刻。杉江松恋が来る前にほとんど議論は終わっていたので、結果的に杉江松恋がキャスティングボードを握ることに(笑)。

 終了後、表参道のポケミス喫茶(?)大坊でお茶飲んで帰宅。

 雑破業のノベライズを読むための予習としてANIMAXで「おねがい!ティーチャー」の第一回を視聴。というか、居間のマッサージチェアにすわって『ファントム・ケーブル』を読んでたら、スカパーチューナーがいきなりオンになってHDDレコーダの録画がはじまったんでした。さいとうよしこがOP/ED切り出し用に予約していたらしい(笑)。
 なんか第一回みたいなのでなんとなく見はじめたところ、ふうん、こんな話だったのか。意外と面白いじゃん。失礼しました。
 邪悪な学園物を読んでる最中だったので心が洗われるようです。学校の天国と地獄。



【3月12日(水)】


 さらにホラー文庫新刊を読む。まるで牧野修が乗り移ったような北野勇作『ハグルマ』の邪悪ぶりに驚く。Jコレのイベントで牧野脚本の朗読パフォーマンスをやった成果? というか、北野勇作の手法はじつは現実崩壊ホラーとベストマッチなのかも。クローネンバーグか黒沢清にいますぐ映画化してもらいたい。
 中井拓志『アリス』はホラーじゃなくて文系本格SF。Jコレクションで出てもおかしくない力作。『レフトハンド』のオフビートなところはやや抑えめですが。しかしなぜ9・7次元。
 小林泰三『家に棲むもの』の表題作の初出が『憑き物』になってるのは『憑き者』の間違いですね。ひさしぶりに再読したけどこの話はよくできてます。でもホラー読者にウケるとは思えない。むしろ講談社ノベルス向けの作家かも。『密室・殺人』だって、講談社から出てればもっと評判になったんじゃないですか。
 牧野修『ファントム・ケーブル』は、「死せるイサクを糧として」がすばらしい。パパじゃないと書けない話ですね。そういえば日本SF大賞のときは牧野ジュニアが来てたので父親について根掘り葉掘り取材しようとしたんだけど、かたく口止めされていたのか、あんまり教えてくれませんでした。でも牧野一家はその前日、浦安ディズニーランド観光していたらしい。こんな小説を書く人でも子連れでディズニーランドに行くのかと思うと心があたたまります。それで踏みつぶされたのがこの子か。

 エシュバッハのクルト・ラスヴィッツ賞受賞作『イエスのビデオ』(ハヤカワ文庫NV)も読了。ベツレヘム近くの2000年前の地層から、SONYのDVDビデオカメラ(開発中で未発売)の取扱説明書が発掘される話。タイムトラベラーがこの時代のこの場所にいたんなら絶対イエスのビデオをとってるはず。じゃあカメラはどこに? と血眼になって探しはじめるメディア王(発掘スポンサー)。
 ふつうは科学者を呼ぶんだけど、ネタがネタなのでタイムトラベルものをたくさん書いてるSF作家がドイツから招集される――という上巻の話がSFおたく的には読みどころ。
 ついこないだ、《小説すばる》の時間SFブックガイド原稿で、SFに出てくるタイムパラドックスがらみの議論は、本格ミステリにおける密室談議とパラレルである、って話をちらっと書いたんですが、それと同じ説がこの小説にも出てきて大笑い。現実の怪事件を前にしたミステリ作家があまり役に立たないように、現実のタイムトラベル事件を前にしたSF作家もたいして役に立たないんだけど、そのへんも含めてわりとリアル。
 主人公はITベンチャーで小金持ちになったあと、冒険を求めて世界に飛び出したアメリカ人青年なので、全体のつくりはもろにアメリカンなブロックバスター小説。
『果しなき流れの果に』の冒頭のエピソードを下敷きにマイクル・クライトンが書いたような感じ? 服部真澄がSFを書いたらこうなるかも。
 下巻になると完全に国際謀略小説的な展開になるんですが、ラストはタイムトラベルSFのお約束にきっちり戻ってくるのでOK。かなり楽しく読めます。★★★★ぐらい。2003年度の翻訳SFベストテンでは7位あたりに入りそう。でもNVだからなあ。



【3月13日(木)】


第10回日本ホラー小説大賞決定。大賞受賞のあついすいか「姉飼」は傑作です。しかし本が出るときにペンネームは(岡山桃子→岩井志麻子同様)変更されそうな気が。長編賞の保科さんは4度目の正直ですか。佐藤ラギさんのホラサスとのダブル受賞はならず。まあしかし、きっとなんらかのかたちで出版はされるでしょう。

 ハヤカワ文庫SF版のコニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』が到着。早売りの書店では、週末あたりから店頭に並ぶはず。オンライン書店でのお求めは、以下のリンクからどうぞ。
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下巻→amazonbk1eS!BooksJbookYahoo!旭屋紀伊国屋楽天

 ハードカバー版はbk1にまだ若干在庫がある模様。やっぱり和田誠の装幀の本がほしいと思った人はこちらでどうぞ。24時間以内発送。文庫版と両方買って読み比べるとなお吉。




【3月14日(金)】


 UIP試写室で「ネメシス STX」。スタトレももう10本めですか。ピカード艦長のクローンとデータの同型アンドロイドが出てくる話。ロイス・マクマスター・ビジョルドに脚本頼んでコメディにすれば楽しくなりそうなのに。宇宙戦闘シーンは派手ですが、なんか全然スタトレらしくない。本格的な宇宙SF映画にもスタートレック映画にもなりきれず、中途半端な印象。ていうか、魂がこもってないじゃん! 二階堂黎人氏は絶賛してましたが、ネクスト・ジェネレーションな人は怒り狂うべき映画なのでは。データの扱いがあんなことでいいんでしょうか。

 去年1年間サッカーにかまけてほとんどアニメを見ていなかった穴を埋めるべく、DVDその他でまとめて視聴中。

 6話まで見たところで止まってた『十二国記』は、じつは8話ぐらいから見るのが正解だったかも。がまんにがまんを重ねてカタルシスが……っていう構造は小説だと盛り上がるんですが、原作もののアニメだとそこまで気力が続かないのだった。水戸黄門編……じゃなくて「風の海 迷宮の岸」編もやっぱりラストは燃えるね。
amazonで「十二国記」DVDを検索
 あとは『キングゲイナー』とか『ガンダムSEED』とか『.hack/sign』とか『灰羽連盟』とか『最終兵器彼女』とか。
 昔の話をいまどきの絵柄とキャラでやりなおしている『SEED』の保守回帰路線に比べて、『オーバーマン キングゲイナー』の革新性というか破壊力はすばらしい。富野由悠季恐るべし。シベリア鉄道と戦う話なんかふつう思いつきません。絵的にも最高レベル。まあ∀の流れなんだけど、マンガ的なアクションを可能にするメカを持ってきたのが大正解。
 HDレコーダを買った2月分からはTV録画があるんでそっちを見てるけど、9話〜18話が抜けてるのではやく続きのDVDを出してほしい(→amazonで「キングゲイナー」を検索)。



【3月15日(土)】


 本郷の鳳明館森川別館で第4回MYSCON。一回休んだらなんかけっこう雰囲気が変わったような……。知らない人が増えただけ?

 若竹さんのインタビューを聞いて、安田ママさんと茅原嬢を紹介する使命を果たしてから、鳳明館を抜け出して高田馬場ルノワール。雑破業から『マウス』を拝受。週に30数本TVアニメを見ているという雑破先生に、見るべき作品を取材。「ななか6/17」がイチ押しらしい。

 ところで5月売りの《本の雑誌》ではSF者特集が組まれる模様。SF特集じゃなくて、SF者の特集ね。「SF者の癖」対談が編集部的には非常に新鮮だったらしく、SF者の人生について特集を組みたいとか。で、その特集のメインが「SF者人生双六」だって(笑)。双六製作はベテランの水玉螢之丞画伯に依頼したので、あとは座談会でネタ出しという段取り。とりあえず「ふりだしに戻る」というコマは必須でしょう。SF者の人生と言っても、「古本極道コース」とか「ファンダム一直線コース」とか「SF実業家成り上がりコース」とか針路によって全然違うので、そのへんをどう吸収するかが問題。いいネタがある人は掲示板で教えてください。

 鳳明館にもどってMYSCONの続き。古本オークションを覗いたら、スタンリィ・エリン『断崖』、デイヴィッド・アリグザンダー『恐怖のブロードウェイ』、W・P・マッギヴァーン『囁く死体』の3冊セットが出てたのでつい買ってしまう。1200円。

 さらに旭堂南湖さんの講談「蠅男」(海野十三原作)を聴く。なるほど、海野十三は講談向きかも。この路線なら押川春浪も行けそうな気が。



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