【お知らせ】
●
コニー・ウィリス『航路』、全国書店で発売中(大森望訳/
ソニー・マガジンズ/上下各1800円
→オンライン書店で購入:
amazon |
bk1 |
紀伊国屋 |
JBOOK |
旭屋 |
eS! Books |
本やタウン
●
『航路』ネタバレ感想・議論用掲示板を設置しました。あんなことやこんなことを心おきなく語りたい人はどうぞ。
【10月24日(木)】
『ハリー・ポッターと金のゴブレット』読了。上巻の前半分がダメすぎ。クィディッチW杯なんておいしいネタをどうしてこんなにつまんなく書きますか。ホグワーツの学園生活に入るとあいかわらず快調なんだけどなあ。話のパターンがいままでとまったく同じなので、展開が見え見えなのもつらいところ。対抗戦のシステムも納得しがたいし、ローリングはルールを考えるのがすごく不得意なのでは。深夜バラエティのゲームじゃないんだから、もうちょっと感心できるようなシステムをつくってほしい。
それに比べると
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『ダークホルムの闇の君』(創元推理文庫)→
amazon |
bk1はさすがにうまい。これって要するに、ファンタジーRPGの舞台になる世界にふつうの人々が暮らしてて、シーズンになると冒険者パーティがどさどさやってくるので、あちこちに中ボスを用意したり、略奪されてもOKの街をつくったりしなきゃいけなくて大変なんですよ奥さん。みたいな話。主人公は、いきなりラスボス役を振られちゃった魔法使い。観光客のパーティひとつにつきガイド役がひとりって設定も、ドラクエやFFでよくあるパターン。めちゃめちゃ強いNPCが戦闘に加わりつつ、進むべきルートを指示してくれるわけですね。つまり、ファンタジーRPGの舞台裏をNPCの視点から書いた小説として読めるわけで、『グラン・ヴァカンス』流に言うと、ゲストを迎える区界の人々の話でもある。『グラン・ヴァカンス』をファンタジーで書くとこうなる、みたいな。ドラゴンが万能すぎるのがゲームバランス的にはやや難ですが、一気に読ませる面白さはさすがベテラン。
【10月25日(金)】
ライトノベルファン度調査。既読は300作品中 88作品。910 人中 128 位でした。この300冊だったら、半分は読んでなきゃいけない気がするんだが、最近すっかりライトノベル力が衰えているからなあ。
【10月26日(土)】
高知の母親が孫の観察に来てるので、トーレンも交えてしゃぶしゃぶ屋で夕食。トキオ社長、そんなに食ってだいじょうぶなのか。日本語はうまくしゃべれないが外人とのコミュニケーション能力には長けている模様。
【10月27日(日)】
スカパーの中継で、
レジーナ2-1トリノと
パルマ2-1アタランタ。アドリアーノのいないパルマはどうなることかと思ったけど、その分、中田がゴール前でムトゥのクロスを待つチャンスが多くなり、久々のゴール。ムトゥのFKで2-0になったあと1点返されて、またしても追いつかれるパターンかと思いましたが、さすがに学習していた模様。というか相手は絶不調のアタランタだし。
レジーナはようやく流れの中からのゴールが決まり(モザルトのロングパス一本)、今シーズン初白星。トップ下で出た俊輔にはあまりボールが集まらなかったが、まあ最初からどつきあいみたいな試合だったのでそれも正解でしょう。
【10月28日(月)】
舞城王太郎の短編集『熊の場所』(→
amazon)を読む。《群像》初出の二本は図書館で借りて読んでるのであとまわしにしてたんですが、書き下ろしの「ピコーン!」を読んで仰天。こ、この見立て殺人のネタは……。こんなモロかぶりがあるんですねえ。いやはやびっくり。しかも読者層も相当かぶるだろうに。運命の赤い糸で結ばれているとしか。しかも見立てに対する投げやりな扱いとか、作中で言及される本のタイトルまでおんなじ。もしかして発売日もいっしょかも。
【10月29日(火)】
戸梶監督からファックスでお知らせをもらったので、
下北沢Tollywoodまで『Jの利用法』『二種族激突』の2本立てを見にいく。『ほしのこえ』のときは結局行きそびれたのでトリウッドは初体験。会場に着いたらトヨザキ社長とばったり。さすが戸梶ファンクラブの会長。
場内が暗くなると、携帯電話の電源を切りましょうの警告が出るんだけど、それがいきなり「ケータイが鳴るとシャブ中が来る!」(笑)。全国の映画館もこの告知を採用していただきたい。
戸梶監督の話では、映画は家庭用デジタルビデオカメラで撮影したのをパソコンで編集してDVD-Rに焼いたものだそうですが、驚くべき画質。夜間シーンが照明なしでこんなにきっちり撮れるのか。地下クラブでストロボ焚きまくって撮った『二種族激突』クライマックスのアクションとか、めちゃくちゃかっこいい。自主映画としては長尺なのでややダレる場面とか思いつきのギャグが滑る箇所とかもあるんだけど、役者の芝居を含めて楽しめる出来。和製ガイ・リッチーまでの道のりはまだちょっと遠そうだけど。
トリウッドは毎週火曜日だけ劇場を希望者にレンタルしてるそうで、一日借りて6万円は安いと思った。
下北沢から神田にまわって、とうとう完成した
恩田陸『ロミオとロミオは永遠に』の打ち上げ宴会。メインゲストの恩田さんに、S澤編集長、A部前編集長、校閲担当のT嬢、三村美衣と大森の合計6人。神田の台湾料理屋で食いまくり、さらにバーに移ってしゃべりつづける。『ロミオ』のハンカチ落としから始まって盛り上がったネタが小学校時代の遊びの名前。大森が高知市立追手前小学校時代にいちばん燃えた球技は、コートのないドッジボールみたいな「かたき」というゲームなんですが、T嬢の地元では「天下」と呼んでいたらしい。ふうん。
家に帰ってからチェックしたところ、
「かたき」のルールを解説するページを発見。これは北海道の小学校出身の人ですね。
オリジナルバージョンを考えてるページもありました。オレの記憶では、ボールをキックして三回バウンドしてからゲーム開始で、そのバウンドに合わせてみんなで「か」「た」「き」とか叫んでたような……。まあとにかく、これが追手前小学校ローカルの名前じゃなかったと知って安心。
あとはS合戦(Sケン)とか、屋根上げとか。こういうののルールってだれが考えてどういうふうに伝播したんですかね。
もうひとつのネタは、「『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』は『ロミオとロミオは永遠に』のパクりじゃん」って話。いやほんと、ほとんど同じ話なんですよこれが。しかしJ・K・ローリングにはへんな新ゲームのルールを考える能力が欠如してるのだった。惜しかったねえ。ハリーくんもハンカチ落としにすればよかったのに。クィディッチW杯もかたきW杯ならもっと盛り上がった気が。
終電で帰宅してアジア・ユース準決勝の
日本1-1ウズベキスタン戦。ふつうの審判が笛吹いてたら3-1ぐらいで勝ってた試合だと思いますが、そうじゃなくても3-1で勝ってて当然の試合。実力で圧倒してるのに90分で勝ちきれないのは問題では。後半はじまってしばらくは楽勝ペースだったのに、選手交替を重ねるごとに向こうがよくなってくるのもなあ。いや、GKはよかったし、攻撃陣もオリンピック組よりはのびのびしてる感じだけど。しかし負けパターンのこの試合、PK戦で勝ちを拾ったのは大きい。