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【お知らせ】
コニー・ウィリス『航路』、全国書店で発売中(大森望訳/ソニー・マガジンズ/上下各1800円
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『航路』ネタバレ感想・議論用掲示板を設置しました。あんなことやこんなことを心おきなく語りたい人はどうぞ。

●賞金総額1400万円、「このミステリーがすごい!」大賞発表


【10月7日(月)】


 10月1日から公開された近代デジタルライブラリーを見に行って感動する。いやあこれはすごい。すばらしい。
「国立国会図書館所蔵の明治期刊行図書を閲覧するデータベースです」としか書いてない控えめさがお役所仕事ですが、国会図書館には明治の本が16万7000点あって、現在はそのうちの3万点が公開されている。
 明治の本なんか読まないしなあと思うでしょうが、たとえば『官能小説家』の主要登場人物であるところの半井桃水(樋口一葉の師匠)はどんな小説を書いてたんだろうなとぼんやり思ってると、たちどころにそれが読めてしまう。そりゃま、これまでだって国会図書館に行けばマイクロフィルムを閲覧できたんだろうけど、研究者じゃないんだからそこまでの興味はない。ちょっと興味を持ったときにすぐ現物が見られるメリットは絶大。
 思わず羽化仙史とか『暴夜物語』(アラビアンナイト)とかえんえん読んで(眺めて)しまうのはSFファンのお約束か。
 しかし『日本SFこてん古典』が手元にないから、昔、どれを読みたいと思ってたか思い出せない。明治の本は電子データがあるのにねえ。と思ったら、電子書店パピレスで売ってたので早速購入。いつのまにシャープのサイトになってて驚きました。

 To Say Nothing of the Dog の翻訳用にヴィクトリア朝のオックスフォード大学のことをなんとなく調べてるので、近代デジタルライブラリーを「オックスフォード」で検索してみると、内ケ崎作三郎って人が明治末にオックスフォードに留学してて、『英国より祖国へ』って本を書いてるのを発見。第一章が「オックスフオード対ケンブリッヂ短艇競漕」で、学生生活のディテールがやたらにおかしい。
オックスフォードは学生の都である。されば学生は大に幅がきく。たとえば運動服を着、毛脛をあらわにして町中を歩くのも平気である。此三四年来は帽子を被らぬことがはやる。帽子を被りつけると頭が禿げるという説があるからだ。
などなど(原文はもちろん正字旧仮名)。

 ためしに「探偵小説」で検索すると、8件がヒット。

1. 活人形:探偵小説/泉鏡花(白水郎)著,明43.9(探偵文庫;第7編)
2. 一閃影:探偵小説/中村花痩(壮一)著,明27.1
3. 火中の美人:探偵小説/三宅青軒案,明43.11(探偵文庫;第8編)
4. 黒髪:探偵小説/烟波生著,明26.5
5. 黒眼鏡:探偵小説/榎本破笠著,明26.5
6. 電気の死刑:探偵小説/一二三子訳,明26.1(探偵小説;第3集)
7. 美人の犯罪:探偵小説/榎本破笠著,明26.2
8. やれ手紙:探偵小説/一二三子訳,明26.3(探偵小説;第5集)

『電気の死刑』はちょっと読んだけど、かなり面白そうだと思いました。古本屋に一銭も落とさずに古典ミステリ、古典SFの研究が自宅でどんどんできちゃうわけで、あなたもたちまち明治博士になれる。
 NDC分類でしらみつぶしに書名をチェックするのも楽しい。しかし外国文学が227件ってのは少ないなあ。

 19:00、早川書房会議室でPKD座談会。ディックの小説の話と、ディック原作映画の話とで二本録り。香山リカ、中原昌也、柳下毅一郎、渡辺麻紀という謎メンバーで、話す内容は見事にばらばら。それぞれキャラは立ってますがいったいどうまとめるんだろう。
 ジャンケット帰りの麻紀さんは成田から大荷物を抱えてまっすぐ神田にやってきて、11日からまたアメリカに行くらしい。
 映画編では会議室のモニタにビデオ流したりしてたのでどんどん時間が過ぎてしまい、終わったのは11時半。そのわりに、使えそうな話は『ブレードランナー』と『トータル・リコール』と『マイノリティ・リポート』ぐらいだったような。

 夜中に帰り着いてamazonを覗いたら、『航路』上巻がいきなりAmazon.co.jp 和書トップ100の42位に入っていた(下巻は62位)。昨日の朝は13,032位に落ちていたのに。どういうこと? ちなみに小説で『航路』上より上位に入ってるのはハリポタと『海辺のカフカ』だけなんですけど。瞬間風速としても謎すぎる。

 西葛西メトロセンター明和書店(山下書店チェーン)は、通常配本の3セットに、追加で15セットも注文する暴挙。そりゃ、たくさん売ってねとは頼んだけどさあ、《ダレン・シャン》のとなりに積んでもおなじように売れるわけないって。部数は百分の一なんだからさ。
 池袋(西武池袋線駅構内)と練馬にも店があるからそっちでも売るよと言うんだけど、売り場面積が三倍ぐらいある文教堂西葛西店なんか棚差し1セットしか入れてないし、書泉西葛西でも3セットなのに。まあ明和書店は『地球礁』も2冊入れてるような、そういうポリシーの書店なんですが。文教堂なんて日野原重明十面積みだもんな。ベストセラーリストに載らない本は各1点だけ入れて棚差し直行。逆に言うと、文教堂がそういう品揃えだから、小規模書店もやりかた次第で対抗できると。しかしあんなに積まれると覗くたびに胸が痛む(笑)。書店向けパンフを切り抜いてPOPまで自作してるし。

 製品版発売に合わせて、『航路』ネタバレ掲示板を開設しました。



【10月8日(火)】


 amazonランキングはおなじソニマガの『モーニング娘。×つんく♂ 』と激しいデッドヒート中。一時は『海辺のカフカ』を抜いて14位まで上がり(下巻は16位)、小説ではハリポタにつぐ2番目ってところまで浮上。amazonからのDM効果なんでしょうか。

《本の雑誌》新刊ガイドの原稿。今月のおすすめは、

酒見賢一『陋巷に在り』(新潮社・全13巻)★★★★★
町井登志夫『諸葛孔明対卑弥呼』(ハルキノベルス九九〇円)★★★
上遠野浩平『あなたは虚人と星に舞う』(徳間デュアル文庫五九〇円)★★★★
新城カズマ『星の、バベル』上下(ハルキ文庫六八〇円・七六〇円)★★★★
倉阪鬼一郎『内宇宙への旅』(徳間デュアル文庫五〇五円)★★★1/2
川端裕人『竜とわれらの時代』(徳間書店・近刊)★★★★

 あたり。デイヴィッド・ブリンは未読。ラファティ『地球礁』は先月やっちゃったので。しかしamazonだとしっかり『トマス・モアの大冒険―パスト・マスター』をおすすめされるのだった。一緒に買えば送料無料。

 アジア大会サッカーの準々決勝、日本1-0中国。あんなに猛チャージかけて点がとれない中国の病は深い。まじめすぎてダメなのか。うーん。しかし中4日と中2日のチームがあたる日程はどうよ。そして準決勝は中1日。高校野球じゃないんだから。U21日本代表はだいぶん落ち着きが出てきた模様。決勝で韓国と当たれば思いきり盛り上がりそう。



【10月9日(水)】


 朝日新聞朝刊関東版(?)の3面に『航路』の全5段広告掲載。見開きの反対側、2面は新潮社『海辺のカフカ』の全5段が入ってて大笑い。しかも同じようなコンセプトの広告だし。
 朝日の『航路』広告は、大阪・名古屋版が10月11日(金)、西部版(九州)10月12日(土)の掲載らしい。

 明和書店を覗くと、店員のお兄ちゃんが、「もう三セット出ましたよ。きのう池袋の店に寄ったら、あっちは四セット売れたって。順調じゃないですか」。報告していただけるのはうれしいんですが、かなり複雑な心境。まあ、1冊も売れずに返品という事態が避けられてよかった。

 銀座に出るついでに、シネパトスで『ダウン』。超高層ビルのエレベーターホラーかと思ったらSFだったのでびっくり。いくらなんでもそれは……。いや、そこそこ楽しいんですけど。ナオミ・ワッツはなんか『ザ・リング』とは別人だったな。

 銀座・三笠會舘中2階のイタリア料理店、トラットリア・メッツァニイノで『航路』の打ち上げ第一弾、内輪編。編集担当のM山嬢と装幀の大久保さん、挿画の本村加代子さん。プラス、オマケで柳下毅一郎。『ネバーウェア』の打ち上げのとき、なぜか大森が呼ばれ、さらになぜかM山嬢もたまたま参加していたので、そのお返し枠?
 話題は主に映画とサッカーと本。大久保さんはW杯でいきなりフィリッポ・インザーギにハマり、ピッポ通信を出しているとか。

 コニー・ウィリス日本語サイトを更新。
 SF・ファンタジー・ホラー@2ch掲示板コニー・ウィリス『航路』ほか スレッドが立ってます。



【10月10日(木)】


ファーガス・ケリー『戦う男:ベッカム』(古沢嘉通訳/扶桑社)を訳者から拝受。謹呈は「2002W杯をナマ観戦した知り合い」限定らしい。ベッカム様の試合をナマで4試合見た甲斐があったというか。あざとさと抑えたいい雰囲気のハンディな造本。男性読者も買いやすい感じだが、いいのかそれで。

 瀬名秀明のロボットSF短篇集、『あしたのロボット』(文藝春秋)も到着(→amazonbk1)。ISBN4-16-321310-4/本体1667円。渋めの装丁(斎藤深雪)が非常にいい感じ。装画はPINOの松井龍哉。なるほど。
 しかし瀬名さんの新着情報には、「編集部がつくった帯が何だかひどく地味なので、大丈夫かな……。他人の帯推薦文ばかりに力を入れすぎて、自分が疎かになってしまったという間抜けぶり。」とか書かれていて、たいへん申し訳ない。いや、著者が有名な場合にはこの帯で問題ないと思いますが。

 amazonで『ゴーメンガースト』DVDを注文。6000円。ワーナーの1500円DVDをほいほい買ってると(『ポルターガイスト』とか『エクソシスト』とか『ブレラン最終版』とか)6000円は高い気もするが245分あるからなあ。
 新保博久・山前譲編『幻影の蔵―江戸川乱歩探偵小説蔵書目録』は8000円。
 吉野仁さんが「孤低のつぶやき」で、「わが家の蔵書を探索できるCD−ROM」だったら8万円でも買うと書いてて爆笑。いやまったく。ついでに中身もテキスト化されてすぐ出てくるなら80万円払ってもいいな。自宅版近代デジタルライブラリー

 アジア大会サッカー準決勝、日本3-0タイ。前半は動きが悪くていかにも体が重い感じだったけど、じつは決定力に優れたチームかも。シュートすると点が入るのな。3点めは見事でした。しかしまさか韓国がイランに負けてしまうとは。世の中、なかなか思うようにはいきません。

 恩田さんが表紙の『編集会議』最新号がもう出ているらしいのだが送られてこないので見てません。と書いてみるテスト。相手が花田さんではここでテストしても無駄な気が(笑)。←と思ったら入れ違いで到着しました。

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